2000年度の大豆生産量ランキングにおいて、1位はアメリカ合衆国で約7,505万トン、2位はブラジルで約3,282万トン、3位はアルゼンチンで約2,013万トンでした。これら3カ国は全体の大豆生産量の約80%を占める主要生産国です。一方、日本は約23.5万トンで15位に位置しており、自国生産量への依存が低い状況が浮き彫りになっています。アジア地域では中国が約1,541万トンで随一の生産国で、インドが約527万トンでそれに続きます。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 75,055,290 |
| 2 |
|
南アメリカ | 32,820,826 |
| 3 |
|
南アメリカ | 20,135,800 |
| 4 |
|
アジア | 15,409,000 |
| 5 |
|
アジア | 5,275,800 |
| 6 |
|
南アメリカ | 2,980,058 |
| 7 |
|
北アメリカ | 2,703,000 |
| 8 |
|
南アメリカ | 1,197,251 |
| 9 |
|
アジア | 1,017,634 |
| 10 |
|
ヨーロッパ | 903,490 |
| 11 |
|
アフリカ | 429,000 |
| 12 |
|
アジア | 350,000 |
| 13 |
|
ヨーロッパ | 341,754 |
| 14 |
|
アジア | 312,432 |
| 15 |
|
アジア | 235,000 |
| 16 |
|
ヨーロッパ | 201,033 |
| 17 |
|
アフリカ | 153,925 |
| 18 |
|
アジア | 149,300 |
| 19 |
|
アフリカ | 135,417 |
| 20 |
|
アフリカ | 128,000 |
| 21 |
|
アジア | 113,196 |
| 22 |
|
アジア | 108,500 |
| 23 |
|
オセアニア | 104,800 |
| 24 |
|
南アメリカ | 102,314 |
| 25 |
|
南アメリカ | 94,100 |
| 26 |
|
アジア | 76,853 |
| 27 |
|
ヨーロッパ | 69,473 |
| 28 |
|
ヨーロッパ | 65,299 |
| 29 |
|
ヨーロッパ | 64,400 |
| 30 |
|
アジア | 44,500 |
| 31 |
|
南アメリカ | 38,757 |
| 32 |
|
ヨーロッパ | 32,843 |
| 33 |
|
ヨーロッパ | 30,785 |
| 34 |
|
南アメリカ | 29,937 |
| 35 |
|
アフリカ | 28,311 |
| 36 |
|
アジア | 28,111 |
| 37 |
|
アジア | 16,780 |
| 38 |
|
アフリカ | 13,922 |
| 39 |
|
ヨーロッパ | 11,644 |
| 40 |
|
アフリカ | 11,368 |
| 41 |
|
アフリカ | 10,518 |
| 42 |
|
南アメリカ | 6,800 |
| 43 |
|
ヨーロッパ | 6,677 |
| 44 |
|
南アメリカ | 6,427 |
| 45 |
|
アフリカ | 5,876 |
| 46 |
|
アジア | 5,403 |
| 47 |
|
ヨーロッパ | 4,814 |
| 48 |
|
アフリカ | 4,500 |
| 49 |
|
南アメリカ | 4,495 |
| 50 |
|
アフリカ | 4,296 |
| 51 |
|
アジア | 3,970 |
| 52 |
|
アジア | 3,804 |
| 53 |
|
ヨーロッパ | 3,750 |
| 54 |
|
ヨーロッパ | 3,621 |
| 55 |
|
アフリカ | 3,475 |
| 56 |
|
南アメリカ | 3,128 |
| 57 |
|
アフリカ | 3,108 |
| 58 |
|
南アメリカ | 3,000 |
| 59 |
|
アフリカ | 2,957 |
| 60 |
|
南アメリカ | 2,500 |
| 61 |
|
アジア | 2,477 |
| 62 |
|
ヨーロッパ | 2,348 |
| 63 |
|
アフリカ | 2,200 |
| 64 |
|
アフリカ | 2,075 |
| 65 |
|
アフリカ | 2,074 |
| 66 |
|
ヨーロッパ | 2,000 |
| 67 |
|
アジア | 1,537 |
| 68 |
|
アフリカ | 1,493 |
| 69 |
|
アフリカ | 1,200 |
| 70 |
|
ヨーロッパ | 1,000 |
| 71 |
|
アジア | 953 |
| 72 |
|
アジア | 800 |
| 73 |
|
アフリカ | 800 |
| 74 |
|
アフリカ | 700 |
| 75 |
|
アジア | 640 |
| 76 |
|
ヨーロッパ | 600 |
| 77 |
|
アジア | 577 |
| 78 |
|
南アメリカ | 495 |
| 79 |
|
アジア | 295 |
| 80 |
|
アジア | 100 |
| 81 |
|
南アメリカ | 94 |
| 82 |
|
アジア | 80 |
| 83 |
|
ヨーロッパ | 69 |
| 84 |
|
アフリカ | 50 |
| 85 |
|
ヨーロッパ | 49 |
| 86 |
|
南アメリカ | 25 |
| 87 |
|
アジア | 21 |
| 88 |
|
アジア | 16 |
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国際連合食糧農業機関(FAO)が提供した2000年度のデータによると、アメリカ合衆国が大豆生産量で圧倒的なトップを維持しており、ブラジルとアルゼンチンがそれに続いています。この3カ国の生産量は全体の8割近くを占めており、これらの南北アメリカ諸国が大豆市場における主要プレーヤーであることが明確です。特に、アメリカは農業技術の高度化や大規模農地による効率的な生産体制が背景にあり、主要な輸出国としての地位を確立しています。同様に、ブラジルとアルゼンチンも豊富な農業資源と気候条件に恵まれており、国際市場への供給で重要な役割を果たしています。
中国も4位に位置し、東アジアにおける大豆生産の中心的存在と言えます。しかし、生産量が約1,541万トンであるのに対し、人口規模や国内需要の伸びを考慮すると、輸入への依存が避けられない状況です。インドは約527万トンで、国内需要を賄うための生産が進んでいるものの、国際市場では存在感が薄い位置にあります。また、日本は約23.5万トンで15位に留まっており、消費量の大半を輸入に頼っています。このランキングから、国内生産の規模が小さく、大豆需給の多くを海外に依存している日本の課題が明確となります。
一方で、多くのアフリカ諸国や中小規模の国家では大豆生産が限定的であり、順位が低い国が多数見られます。例えば、ナイジェリアがアフリカでは最上位に位置するものの、生産量は約42.9万トンに過ぎません。特に気候条件やインフラ不足が影響し、生産の効率向上が限定的であることが課題です。このような国々において、大豆は栄養価の高い作物として普及が期待される一方で、生産技術や金融支援の提供が必要です。
このランキングから読み解ける重要な問題として、主要生産国に特化した集中傾向があります。この場合、地政学的リスクが生じると国際市場の大豆供給に甚大な影響を及ぼします。例えば、アメリカやブラジルで気候変動による異常気象や政策変更が起これば、大豆価格は世界的に高騰する可能性があります。さらに、主要輸出国間の貿易摩擦や関税政策の変化がこれらの市場ダイナミクスに大きな影響を与えます。
日本の立場から考えますと、輸入依存度の高さは食料安全保障におけるリスクとして捉えるべきです。例えば、国内での生産基盤の強化や、海外の生産地における投資を通じた供給源の多様化が求められます。また、アジア地域全体で見れば、中国とインドの大豆需要が今後増大する可能性があります。それに対応して、地域間協力の枠組みを構築し、農業技術の共有やインフラ整備による生産性向上を促進する必要があります。
総合的に見て、こうした課題を解決するためには、主要生産国による供給集中を緩和させる施策が必要です。途上国における農業支援プログラムや技術供与を強化し、大豆生産の多様化を進める必要があります。同時に、気候変動への対応策を講じ、災害による生産リスクを低減することが重要です。国際機関や政府、民間企業が連携して持続可能な大豆市場を形成する努力が求められるでしょう。