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グアテマラの大豆生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、グアテマラの大豆生産量は1982年以降、長期的な増加傾向を示しており、2022年には43,000トンに達しました。1970~1980年代に急激な伸びを見せた後、1990年代以降は変動が見られましたが、2000年以降は概ね安定し、2019年以降、わずかではありますが着実な上昇軌道に入っています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 43,000 -
2022年 43,000
2.38% ↑
2021年 42,000
2.44% ↑
2020年 41,000
5.13% ↑
2019年 39,000
2.63% ↑
2018年 38,000 -
2017年 38,000 -
2016年 38,000 -
2015年 38,000 -
2014年 38,000 -
2013年 38,000
2.7% ↑
2012年 37,000 -
2011年 37,000
-15.6% ↓
2010年 43,838
21.77% ↑
2009年 36,000
2.86% ↑
2008年 35,000 -
2007年 35,000 -
2006年 35,000 -
2005年 35,000 -
2004年 35,000
2.94% ↑
2003年 34,000
-2.86% ↓
2002年 35,000
9.38% ↑
2001年 32,000
6.89% ↑
2000年 29,937
-0.75% ↓
1999年 30,164
-3.11% ↓
1998年 31,133
-35.54% ↓
1997年 48,300
11.04% ↑
1996年 43,497
18.94% ↑
1995年 36,570
2.42% ↑
1994年 35,705
-20.14% ↓
1993年 44,712
-5.49% ↓
1992年 47,307
4.4% ↑
1991年 45,315
7.07% ↑
1990年 42,323
38.77% ↑
1989年 30,498
8.92% ↑
1988年 28,000
7.69% ↑
1987年 26,000
333.33% ↑
1986年 6,000
20% ↑
1985年 5,000
66.67% ↑
1984年 3,000
50% ↑
1983年 2,000
100% ↑
1982年 1,000 -

グアテマラの大豆生産量は、データが示すように1980年代から急激に増加し、1982年の1,000トンから1990年の42,323トンへと大幅に拡大しました。この時期の急成長は、国内農業政策の改革や経済成長、国際市場への輸出拡大が要因とされています。特に1987年以降、生産量が26,000トンを超え、生産基盤の強化が進んだことが背景にあります。

しかし、1990年代中盤以降は、生産量に変動が見られ、1993年には44,712トンに達したものの、その後再び減少に転じ、1998年には31,133トンまで減少しています。この変動の背景には、インフラの脆弱性、天候不順、さらには大豆の国際価格の低迷が影響を与えたと考えられます。また、グアテマラの地理的特徴による自然災害や気候変動リスクの影響も見逃せません。

2000年以降、生産量は安定傾向に入り、35,000トン前後で推移する時期が続きました。この安定期の要因としては、農業技術の普及や農産物貿易の自由化が挙げられますが、同時に生産拡大への制約として、国内需要の伸び悩みや資源不足が指摘されています。その後、2010年以降若干の増加傾向に戻り、2022年には遂に43,000トンに達しました。この緩やかな上昇の背景には、大豆の国際市場での需要拡大や、新型コロナの影響で需要が高まった植物性タンパク源としての大豆価値の再評価があると思われます。

他国の状況と比較すると、グアテマラの生産量はアメリカ、ブラジル、アルゼンチンなどの主要な大豆生産国と比べると極めて小規模です。例えば2022年時点でアメリカは1億トン以上、ブラジルは約1億4,000万トンの生産量を誇ります。これに対し、グアテマラの生産量は品質の高いニッチ市場向けといった特徴を活かす形で、競争力を保つ戦略が必要でしょう。

課題としては、大豆生産量の伸びが限定的である点が挙げられます。気候変動の影響、とりわけ異常気象や干ばつへの対応が遅れていること、肥沃な農地の確保が難しいことが主な要因です。また、インフラ整備の遅れにより、生産地から国内外市場への効率的な輸送が妨げられることも大きな制約となっています。さらに、技術革新の速度や農地利用の集約化が進んでいないことも生産量の頭打ちにつながっています。

これらの課題を解決するために、地域協力体制の強化や持続可能な農業実践の導入を提案したいと思います。たとえば、近隣諸国との技術共有プラットフォームを設け、グアテマラ独自の気候や地形に適した高度な農業技術の普及を目指すことが重要です。また、インフラ投資を通じて物流の効率を向上させ、国内外市場へのアクセスを改善する政策も求められます。

さらに、地政学的リスクとして気候変動が農業生産への最大の脅威の一つとなる中、灌漑システムの強化や耐乾性のある大豆品種の研究開発が必要不可欠です。これにより、自然災害や異常気象の影響を最小限にとどめることが可能となります。

結論として、グアテマラの大豆生産は安定的とはいえ、世界市場で競争力を保つためにはさまざまな課題への対応が求められます。国際社会と連携して革新的な農業技術を導入し、地域特有の課題に合った戦略を策定することが今後の重要な課題と言えるでしょう。