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ルワンダのコーヒー豆生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関が2024年7月に更新したデータによれば、ルワンダのコーヒー豆生産量推移では、1961年以降、全体として変動が大きいながらも一部のピーク及び急激な下降が見られます。1985年には生産量43,000トンでこれまでの最大値を記録しましたが、1994年のジェノサイドにより最小値の1,274トンまで急落。その後、復興と共に持ち直し、2017年や2018年に再び上昇する傾向が見られましたが、2020年以降は減少傾向となっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 27,104
43.07% ↑
2022年 18,945
-2.68% ↓
2021年 19,467
-4.85% ↓
2020年 20,459
-30.33% ↓
2019年 29,366
-24.01% ↓
2018年 38,643
21.84% ↑
2017年 31,718
28.47% ↑
2016年 24,689
13.21% ↑
2015年 21,808
33.15% ↑
2014年 16,379
-10.72% ↓
2013年 18,346
-8.25% ↓
2012年 19,995
-8.37% ↓
2011年 21,820
12.95% ↑
2010年 19,319
-0.27% ↓
2009年 19,372
-6.52% ↓
2008年 20,724
41.14% ↑
2007年 14,683
-33.93% ↓
2006年 22,223
19.5% ↑
2005年 18,597
-7.09% ↓
2004年 20,017
45% ↑
2003年 13,805
-28.94% ↓
2002年 19,427
5.78% ↑
2001年 18,366
14.09% ↑
2000年 16,098
-14.37% ↓
1999年 18,800
31.76% ↑
1998年 14,268
-3.79% ↓
1997年 14,830
-2.98% ↓
1996年 15,285
-30.37% ↓
1995年 21,952
1623.08% ↑
1994年 1,274
-95.37% ↓
1993年 27,510
-29.14% ↓
1992年 38,824
10.93% ↑
1991年 35,000
0.92% ↑
1990年 34,680
13.37% ↑
1989年 30,591
-28.3% ↓
1988年 42,666
2.08% ↑
1987年 41,797
1.09% ↑
1986年 41,348
-3.84% ↓
1985年 43,000
32.31% ↑
1984年 32,500
-2.99% ↓
1983年 33,500
23.16% ↑
1982年 27,200
-6.85% ↓
1981年 29,200
29.2% ↑
1980年 22,600
-11.37% ↓
1979年 25,500
15.94% ↑
1978年 21,994
6.33% ↑
1977年 20,684
1.72% ↑
1976年 20,334
12.68% ↑
1975年 18,045
28.32% ↑
1974年 14,062
-0.69% ↓
1973年 14,160
33.56% ↑
1972年 10,602
-30.46% ↓
1971年 15,245
7.06% ↑
1970年 14,240
14.85% ↑
1969年 12,399
3.2% ↑
1968年 12,015
7.69% ↑
1967年 11,157
29.69% ↑
1966年 8,603
-13.95% ↓
1965年 9,998
23.43% ↑
1964年 8,100
72.34% ↑
1963年 4,700
-53% ↓
1962年 10,000
-4.76% ↓
1961年 10,500 -

ルワンダのコーヒー豆生産量は、半世紀以上にわたるデータが示すように、地域の社会経済情勢や地政学的背景に密接に結びついています。このデータからは、主に次の3つの重要なトレンドが読み取れます。

まず、1960年代から1980年代にかけて、生産量は着実に増加し、特に1985年には43,000トンという歴史的なピークに達しました。この時期、一部の途上国では輸出需要が高まり、コーヒーがルワンダ経済の主要な輸出品目となっていました。この背景には、当時の国際市場の価格が比較的安定していたことや、ルワンダ政府による農業への政策支援が寄与した可能性があります。

二つ目に注目すべきは、1994年のジェノサイドによる大規模な破壊とその影響です。この悲惨な出来事は、ルワンダのあらゆる分野に影響を及ぼし、コーヒー生産量も1,274トンまで急落しました。これは、農業従事者の大規模な喪失や土地の荒廃によって引き起こされたもので、国家再建の課題として深刻な影響を与えました。その後、1995年以降には回復が見られるものの、生産量が再び以前の水準に近づくのには時間がかかりました。特に2017年と2018年には、31,718トンおよび38,643トンと健全な復調が見られ、国際市場での競争力が回復しつつある兆候が示されました。

最後に、2020年以降の減少トレンドについてです。この期間は、新型コロナウイルスの世界的流行や、それに伴う物流の混乱、労働力不足が主要要因として挙げられます。また、地域的な気象条件の変化や気候変動の影響も、生産量減少の一因とされます。この点については、単純に外部要因を非難するのではなく、灌漑技術の導入や耐候性の高いコーヒー品種の栽培促進といった対策が求められます。

ルワンダのコーヒー産業は、今後の課題にも直面しています。例えば、隣国との関係や地域紛争が潜在的なリスクとして挙げられます。また、生産効率の向上を図るために、技術的支援やインフラ整備が必要です。他国の例として、ベトナムでは政府による集中的な政策支援がコーヒー生産の劇的な成長をもたらしました。同様に、ルワンダも国際機関や主要市場との連携を強化し、農業従事者への教育プログラムを展開することで、生産効率をさらに向上させることが期待されます。

結論として、データが示すように、ルワンダのコーヒー生産は過去数十年の間に多くの浮き沈みを経験してきました。それにもかかわらず、ルワンダの復興の努力には光るものがあり、適切な政策と援助によって再び競争力のある生産レベルに到達する可能性を十分に秘めています。今後は、気候変動への対応策や市場開拓戦略を念頭に、国際的な技術協力や持続可能な農業への転換を軸にした取り組みが不可欠です。