世界の大豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国連食糧農業機関（FAO）の最新データによると、2021年の大豆生産量ランキングでは、ブラジルが1位（約1億3,480万トン）、アメリカ合衆国が2位（約1億2,150万トン）、アルゼンチンが3位（約4,620万トン）という結果が示されました。これら上位3カ国で世界の大豆供給の大部分を占めています。一方、日本はランキングでは23位（約24万6,500トン）に位置し、大豆の輸入への依存度が高い状況が浮き彫りになっています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	134,799,179
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	121,527,780
3	アルゼンチン	南アメリカ	46,217,911
4	中国	アジア	16,400,000
5	インド	アジア	12,610,300
6	パラグアイ	南アメリカ	10,537,080
7	カナダ	北アメリカ	6,224,029
8	ロシア連邦	ヨーロッパ	4,759,908
9	ウクライナ	ヨーロッパ	3,493,200
10	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	3,318,169
11	南アフリカ	アフリカ	1,897,000
12	ウルグアイ	南アメリカ	1,707,000
13	ナイジェリア	アフリカ	1,166,050
14	イタリア	ヨーロッパ	923,470
15	セルビア	ヨーロッパ	540,205
16	フランス	ヨーロッパ	439,350
17	ザンビア	アフリカ	411,115
18	ルーマニア	ヨーロッパ	367,740
19	ベナン	アフリカ	291,279
20	メキシコ	南アメリカ	288,203
21	ウガンダ	アフリカ	265,870
22	マラウイ	アフリカ	264,497
23	日本	アジア	246,500
24	カザフスタン	アジア	237,845
25	オーストリア	ヨーロッパ	237,830
26	クロアチア	ヨーロッパ	227,870
27	インドネシア	アジア	215,000
28	トーゴ	アフリカ	207,604
29	イラン（イスラム共和国）	アジア	200,000
30	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	190,000
31	ガーナ	アフリカ	190,000
32	エチオピア	アフリカ	185,522
33	トルコ	アジア	182,000
34	スロバキア	ヨーロッパ	165,160
35	ハンガリー	ヨーロッパ	156,580
36	ミャンマー	アジア	133,664
37	コロンビア	南アメリカ	122,491
38	モザンビーク	アフリカ	115,000
39	大韓民国	アジア	110,781
40	カメルーン	アフリカ	110,043
41	ブルキナファソ	アフリカ	106,675
42	ドイツ	ヨーロッパ	106,600
43	バングラデシュ	アジア	91,176
44	タンザニア連合共和国	アフリカ	75,000
45	カンボジア	アジア	63,024
46	エジプト	アフリカ	62,586
47	ベトナム	アジア	59,138
48	ジンバブエ	アフリカ	54,404
49	チェコ	ヨーロッパ	51,460
50	モルドバ共和国	ヨーロッパ	50,500
51	グアテマラ	南アメリカ	42,000
52	オーストラリア	オセアニア	40,219
53	アンゴラ	アフリカ	37,317
54	ネパール	アジア	30,648
55	ウズベキスタン	アジア	29,473
56	ルワンダ	アフリカ	26,857
57	コンゴ民主共和国	アフリカ	26,336
58	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	24,883
59	タイ	アジア	21,234
60	ポーランド	ヨーロッパ	20,970
61	エクアドル	南アメリカ	20,077
62	ベリーズ	南アメリカ	17,308
63	マリ	アフリカ	15,904
64	ラオス人民民主共和国	アジア	14,481
65	ニカラグア	南アメリカ	10,000
66	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	7,580
67	スイス	ヨーロッパ	5,832
68	エルサルバドル	南アメリカ	5,201
69	スロベニア	ヨーロッパ	4,810
70	スペイン	ヨーロッパ	4,770
71	シリア・アラブ共和国	アジア	4,458
72	中国、台湾 中国省	アジア	4,194
73	ガボン	アフリカ	3,945
74	スリランカ	アジア	3,794
75	リベリア	アフリカ	3,341
76	グルジア	アジア	3,000
77	キルギスタン	アジア	2,816
78	ブルガリア	ヨーロッパ	2,810
79	ブルンジ	アフリカ	2,427
80	ケニア	アフリカ	2,281
81	リトアニア	ヨーロッパ	2,230
82	ペルー	南アメリカ	1,683
83	ホンジュラス	南アメリカ	1,645
84	ギリシャ	ヨーロッパ	1,230
85	モロッコ	アフリカ	1,000
86	キューバ	南アメリカ	1,000
87	コートジボワール	アフリカ	573
88	フィリピン	アジア	407
89	アルバニア	ヨーロッパ	373
90	東ティモール	アジア	362
91	パナマ	南アメリカ	98
92	ブータン	アジア	90
93	北マケドニア	ヨーロッパ	50
94	パキスタン	アジア	48
95	マダガスカル	アフリカ	47
96	イラク	アジア	34
97	アゼルバイジャン	アジア	30
98	タジキスタン	アジア	20
99	ルクセンブルク	ヨーロッパ	20
100	スリナム	南アメリカ	5
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2021年の世界の大豆生産データを分析することで、グローバルな農業生産の分布や課題が明確になります。まず、ブラジル、アメリカ合衆国、アルゼンチンの3カ国が世界の大豆生産の中心であることがわかります。これらの国々は、生産量および輸出量の両面で世界の大豆市場において重要な役割を果たしています。これらの地域では豊富な農地と効率的な大規模生産システムが確立されており、特にブラジルやアメリカは大豆の主要輸出国として、中国やヨーロッパなどの市場に供給しています。

しかし、この集中された生産構造にはリスクも伴います。例えば、ブラジルではアマゾン熱帯雨林の開発による環境破壊が懸念されており、土地の利用拡大が気候変動や生物多様性へ悪影響を及ぼす可能性があります。一方、アメリカの大豆生産は天候や貿易戦争といった地政学的なリスクの影響を受けやすいです。また、アルゼンチンでは経済的不安定性が農業における投資の阻害要因となっており、生産の持続可能性への課題が指摘されています。

アジアでは特に中国やインドが上位にランクインしており、大豆需要の増加に対応するため国内生産を強化しています。それでも、特に中国はその大豆需要の多くを輸入に依存しており、輸入先としてブラジルやアメリカが重要なパートナーとなっています。しかし、貿易摩擦や地域間の供給不足が発生した場合、食料安全保障の観点からリスクが高まる恐れがあるため、多角的な供給源の確保が必要です。

それに対し、日本や韓国のような東アジア諸国では、大豆生産量が非常に少なく、日本は約24万6,500トン、大韓民国は約11万トンと、自国内では限られた供給能力しか持っていません。このため、両国ともに輸入依存度が高く、特に日本は大豆消費量のほとんどを輸入に頼っており、輸入元での地政学的問題や気候変動の影響が供給体制に影響を与える可能性があります。この傾向を踏まえ、国内での生産基盤の拡充や海外での農地投資が課題となります。

将来的に大豆需要の増加が見込まれる中で、いくつかの具体的な対策が重要となってきます。まず、消費国では輸入依存度を一部緩和するために国内生産の増強が必要です。例えば、日本では耕作放棄地の活用や、気候変動に強い品種の開発、また効率的な農業技術の導入を進めるべきです。また、輸出国側では生産の持続可能性を強化するために、環境に配慮した土地利用計画やリジェネラティブ農業（再生型農業）の推進が求められます。

さらに、国際的な協力体制の構築も重要です。例えば、気候変動や災害リスクに備え、各国間での食料備蓄協定を設けたり、大豆の国際的なサプライチェーンを多角化することが有益です。また、地域ごとの需要と供給のバランスを見極め、効果的な貿易政策を設けることも必要です。

結論として、2021年のデータは、世界大豆市場がいかに一部地域に集中しているかを示した一方で、その集中度が将来的なリスクをはらんでいることを明確にしています。各国が持続可能性への配慮をおこない、それを国際的な取り組みと連携させることで、より安定した食料供給網を構築することが期待されています。国連や各地域の関連機関は、特に途上国における小規模農家の支援を含む包括的な政策を導入するなどの具体策を講じるべきです。