世界の大豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2014年度の大豆生産量ランキングによると、世界一の生産量を誇るのはアメリカ合衆国で、約1億688万トンの生産量を記録しました。次いで、ブラジルが約8676万トン、アルゼンチンが約5339万トンとなり、この3カ国で世界大豆生産量の大半を占めています。日本は約23.2万トンで19位にランクインし、大豆消費国としての地位に比して生産量は限られています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	106,877,870
2	ブラジル	南アメリカ	86,760,520
3	アルゼンチン	南アメリカ	53,397,715
4	中国	アジア	12,154,000
5	インド	アジア	10,374,000
6	パラグアイ	南アメリカ	9,975,000
7	カナダ	北アメリカ	6,044,800
8	ウクライナ	ヨーロッパ	3,881,930
9	ウルグアイ	南アメリカ	3,162,800
10	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	2,814,321
11	ロシア連邦	ヨーロッパ	2,363,562
12	インドネシア	アジア	954,997
13	南アフリカ	アフリカ	948,000
14	イタリア	ヨーロッパ	933,140
15	ナイジェリア	アフリカ	623,815
16	セルビア	ヨーロッパ	545,898
17	メキシコ	南アメリカ	387,366
18	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	350,000
19	日本	アジア	231,800
20	フランス	ヨーロッパ	227,262
21	カザフスタン	アジア	217,906
22	ザンビア	アフリカ	214,179
23	ルーマニア	ヨーロッパ	202,892
24	ベトナム	アジア	156,549
25	ミャンマー	アジア	156,500
26	トルコ	アジア	150,000
27	イラン（イスラム共和国）	アジア	142,524
28	ガーナ	アフリカ	141,470
29	大韓民国	アジア	139,267
30	マラウイ	アフリカ	132,185
31	クロアチア	ヨーロッパ	131,424
32	オーストリア	ヨーロッパ	118,132
33	ハンガリー	ヨーロッパ	115,600
34	バングラデシュ	アジア	112,024
35	モルドバ共和国	ヨーロッパ	109,258
36	カンボジア	アジア	104,200
37	ベナン	アフリカ	99,738
38	コロンビア	南アメリカ	90,126
39	スロバキア	ヨーロッパ	83,905
40	エチオピア	アフリカ	72,184
41	ジンバブエ	アフリカ	71,328
42	タイ	アジア	58,295
43	エジプト	アフリカ	39,872
44	グアテマラ	南アメリカ	38,000
45	エクアドル	南アメリカ	32,681
46	オーストラリア	オセアニア	31,949
47	ネパール	アジア	28,237
48	ウガンダ	アフリカ	27,929
49	コンゴ民主共和国	アフリカ	20,943
50	トーゴ	アフリカ	18,584
51	ドイツ	ヨーロッパ	18,000
52	ルワンダ	アフリカ	17,901
53	ラオス人民民主共和国	アジア	17,035
54	チェコ	ヨーロッパ	16,493
55	ブルキナファソ	アフリカ	15,055
56	アンゴラ	アフリカ	13,763
57	カメルーン	アフリカ	12,975
58	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	9,020
59	ギリシャ	ヨーロッパ	7,846
60	スリランカ	アジア	6,790
61	タンザニア連合共和国	アフリカ	6,025
62	エルサルバドル	南アメリカ	4,953
63	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	4,621
64	ガボン	アフリカ	4,238
65	スイス	ヨーロッパ	3,882
66	ベリーズ	南アメリカ	3,877
67	ブルンジ	アフリカ	3,648
68	リベリア	アフリカ	3,362
69	ニカラグア	南アメリカ	2,831
70	スペイン	ヨーロッパ	2,650
71	ケニア	アフリカ	2,368
72	ホンジュラス	南アメリカ	2,200
73	マリ	アフリカ	2,175
74	ペルー	南アメリカ	2,119
75	グルジア	アジア	2,017
76	中国、台湾 中国省	アジア	1,173
77	スロベニア	ヨーロッパ	1,046
78	モロッコ	アフリカ	1,000
79	東ティモール	アジア	985
80	ブルガリア	ヨーロッパ	736
81	フィリピン	アジア	695
82	キルギスタン	アジア	605
83	コートジボワール	アフリカ	407
84	アルバニア	ヨーロッパ	350
85	シリア・アラブ共和国	アジア	303
86	ブータン	アジア	302
87	北マケドニア	ヨーロッパ	149
88	パナマ	南アメリカ	103
89	パキスタン	アジア	63
90	マダガスカル	アフリカ	47
91	アゼルバイジャン	アジア	28
92	イラク	アジア	25
93	タジキスタン	アジア	20
94	スリナム	南アメリカ	9
+ すべての国を見る

2014年度の大豆生産量ランキングは、世界における農業生産の動向を知る上で重要な指標です。このランキングは、各国の農業経済や輸出能力、国内消費バランスを評価する資料にもなります。大豆は、食糧用や家畜飼料、またバイオ燃料の原材料としても需要の高い作物であり、その生産量は世界経済や食料安全保障に密接に関連しています。

アメリカ合衆国が約1億688万トンの大豆を生産し、世界トップの生産国として位置づけられていることは注目すべき事実です。アメリカは広大な農地と高度な農業技術を活用し、大豆を主要な輸出商品として世界中に供給しています。ブラジルとアルゼンチンもそれぞれ約8676万トン、約5339万トンの大豆を生産しており、これら南米の国々は世界の大豆市場において重要なプレーヤーです。これら3カ国を合わせると、世界大豆生産量の約80％に達するという驚くべき集中度が見られます。これに対し、アジア地域では、中国やインドが主要な生産国となっていますが、その生産規模はアメリカや南アメリカの主要生産国に比べると遥かに劣ります。

日本は19位で、約23.2万トンの大豆を生産していますが、これは全体の0.02％程度と非常に小さな割合です。日本の国内農地の限界や生産コストの高さが影響しており、需要の多くを輸入に依存しています。一方、近隣である韓国も約13.9万トンで、大豆生産が限られている点では日本と類似しており、地域的な農産物生産の傾向を反映しています。

課題としては、大豆生産が少数の国々に偏っている状況が挙げられます。このような状況では、生産国の自然災害や地政学的なリスク、また市場変動が、世界全体の食品価格や食料安全保障に大きな影響を及ぼす可能性があります。たとえば、南アメリカで発生する干ばつや洪水は、生産量の減少を招き、輸出制限や価格の高騰を引き起こすことがあります。また、日本を含む多くの輸入国は、大豆輸出国との貿易政策や物流リスクに常に注意する必要があります。

今後の対策としては、各国および地域が協力して大豆の生産方法の効率化を図るとともに、気候変動に適応する農業技術の導入を促進することが重要です。具体的には、耐候性の高い大豆品種を開発し、持続可能な農業を実現するほか、輸送インフラの整備と輸入依存度の多様化が求められます。特に日本や韓国のような輸入依存国では、自国の生産を向上させる努力と並行して、アジア地域内での協力体制を構築することで、輸入元のリスクを軽減することが期待されます。

さらに、地政学的にも、大豆生産国間の資源争奪や貿易摩擦を防ぎ、安定した供給ラインを確保するため、国際協定や機関を活用した調整が必要です。これにより、地域衝突や政策の変動が世界市場への影響を最小限にすることが可能です。

結論として、2014年度の大豆生産データは、少数の国々が世界市場を支え、供給リスクが集中している現状を示しています。国際的な協力と技術革新を通じて生産性を高め、供給の多様化と安定的な市場形成を目指すことが、世界の食料安全保障を向上させる鍵となります。また、輸入依存国も、国内生産や地域内協力を強化することで、自国のリスク管理を向上させるべきです。このような取り組みが、持続可能な世界農業の実現に貢献するといえるでしょう。