国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2008年度世界の大豆生産量ランキングデータによると、1位はアメリカ合衆国(80,748,700トン)、2位はブラジル(59,833,104トン)、3位はアルゼンチン(46,238,088トン)であり、この3国で世界全体の生産量の大部分を占めています。一方、日本は19位(261,700トン)であり、主要生産国とは大きな差があることが示されています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 80,748,700 |
| 2 |
|
南アメリカ | 59,833,104 |
| 3 |
|
南アメリカ | 46,238,088 |
| 4 |
|
アジア | 15,541,600 |
| 5 |
|
アジア | 9,905,400 |
| 6 |
|
南アメリカ | 6,311,794 |
| 7 |
|
北アメリカ | 3,335,900 |
| 8 |
|
南アメリカ | 1,259,676 |
| 9 |
|
ヨーロッパ | 812,800 |
| 10 |
|
アジア | 776,491 |
| 11 |
|
南アメリカ | 772,900 |
| 12 |
|
ヨーロッパ | 745,990 |
| 13 |
|
アフリカ | 591,000 |
| 14 |
|
ヨーロッパ | 350,946 |
| 15 |
|
アジア | 350,000 |
| 16 |
|
ヨーロッパ | 346,245 |
| 17 |
|
アフリカ | 282,000 |
| 18 |
|
アジア | 267,600 |
| 19 |
|
アジア | 261,700 |
| 20 |
|
アジア | 240,000 |
| 21 |
|
アジア | 188,795 |
| 22 |
|
アジア | 180,600 |
| 23 |
|
南アメリカ | 153,022 |
| 24 |
|
アジア | 132,674 |
| 25 |
|
アジア | 108,449 |
| 26 |
|
ヨーロッパ | 107,558 |
| 27 |
|
アフリカ | 100,000 |
| 28 |
|
ヨーロッパ | 90,579 |
| 29 |
|
アジア | 88,710 |
| 30 |
|
アフリカ | 75,000 |
| 31 |
|
ヨーロッパ | 74,000 |
| 32 |
|
アフリカ | 64,489 |
| 33 |
|
南アメリカ | 64,000 |
| 34 |
|
ヨーロッパ | 63,106 |
| 35 |
|
アジア | 59,158 |
| 36 |
|
ヨーロッパ | 58,146 |
| 37 |
|
アフリカ | 56,839 |
| 38 |
|
南アメリカ | 56,200 |
| 39 |
|
ヨーロッパ | 54,095 |
| 40 |
|
南アメリカ | 50,952 |
| 41 |
|
アフリカ | 50,931 |
| 42 |
|
南アメリカ | 35,000 |
| 43 |
|
オセアニア | 34,700 |
| 44 |
|
アジア | 34,461 |
| 45 |
|
アフリカ | 32,466 |
| 46 |
|
アフリカ | 29,209 |
| 47 |
|
アフリカ | 29,169 |
| 48 |
|
アフリカ | 22,000 |
| 49 |
|
アジア | 21,003 |
| 50 |
|
アフリカ | 16,830 |
| 51 |
|
アフリカ | 14,711 |
| 52 |
|
ヨーロッパ | 11,379 |
| 53 |
|
アジア | 10,595 |
| 54 |
|
ヨーロッパ | 9,419 |
| 55 |
|
ヨーロッパ | 8,412 |
| 56 |
|
アフリカ | 8,401 |
| 57 |
|
アフリカ | 8,045 |
| 58 |
|
アフリカ | 5,390 |
| 59 |
|
南アメリカ | 3,872 |
| 60 |
|
南アメリカ | 3,378 |
| 61 |
|
アフリカ | 3,250 |
| 62 |
|
南アメリカ | 3,203 |
| 63 |
|
アフリカ | 3,150 |
| 64 |
|
アジア | 3,030 |
| 65 |
|
アフリカ | 3,003 |
| 66 |
|
ヨーロッパ | 2,900 |
| 67 |
|
アジア | 2,300 |
| 68 |
|
アフリカ | 2,154 |
| 69 |
|
アフリカ | 1,937 |
| 70 |
|
アジア | 1,369 |
| 71 |
|
南アメリカ | 1,318 |
| 72 |
|
アジア | 1,015 |
| 73 |
|
アフリカ | 1,000 |
| 74 |
|
ヨーロッパ | 1,000 |
| 75 |
|
アジア | 817 |
| 76 |
|
アジア | 800 |
| 77 |
|
ヨーロッパ | 748 |
| 78 |
|
アフリカ | 700 |
| 79 |
|
ヨーロッパ | 600 |
| 80 |
|
アフリカ | 500 |
| 81 |
|
ヨーロッパ | 200 |
| 82 |
|
ヨーロッパ | 179 |
| 83 |
|
アジア | 141 |
| 84 |
|
ヨーロッパ | 137 |
| 85 |
|
ヨーロッパ | 102 |
| 86 |
|
南アメリカ | 101 |
| 87 |
|
アフリカ | 48 |
| 88 |
|
アジア | 29 |
| 89 |
|
アジア | 26 |
| 90 |
|
南アメリカ | 24 |
| 91 |
|
アジア | 10 |
| 92 |
|
南アメリカ | 6 |
| 93 |
|
アジア | 5 |
| 94 |
|
ヨーロッパ | 5 |
| 95 |
|
アジア | 1 |
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2008年度における世界の大豆生産の状況を見ると、トップ3のアメリカ合衆国、ブラジル、アルゼンチンが圧倒的なシェアを持っていることが分かります。これらの国々は、広大な農地や優れた農業技術、輸出インフラの整備により、大豆生産とその国際市場供給の中心的存在となっています。その中でもアメリカは約8,000万トンを生産しており、単独で世界の大豆の需要の多くを満たす大国です。これに続くブラジルとアルゼンチンも、それぞれ約6,000万トンと約4,600万トンを生産し、南米がいかに生産の中心地であるかを示しています。
一方、アジアに目を向けると、中国が4位(15,541,600トン)、インドが5位(9,905,400トン)でランクインしており、地域内でも特に高い生産量を誇ります。しかし、日本は19位で261,700トンと他アジア諸国に比べて控えめな生産量にとどまっています。このような状況は、日本が資源獲得を輸入に依存する構造を抱えていることと密接に関連しています。
興味深い点は、パラグアイやボリビアのような南米の中小国でさえも、日本の生産量を大きく上回る数字を記録していることです。これらの国々では、近年の農地拡大や国際市場への積極的な輸出政策が生産量の増加を後押ししています。逆に、日本や韓国(24位、132,674トン)のような農地面積の限られた国では輸出国への依存が避けられません。
地政学的な観点では、大豆はエネルギーや鉱物資源とは異なり、一部の国が独占することは難しいものの、主要生産地が偏っているため地域的なリスクが存在します。例えば、ブラジルやアルゼンチンは南米特有の気象リスク、土地争奪に起因した社会的不安定性に直面する可能性があります。また、アメリカは貿易摩擦や政策の変化によって輸出面で影響を受ける可能性があり、これが世界の食糧供給に直接影響を与えることになるでしょう。
2008年時点での課題としては、まず日本に代表される非主要大豆生産国では持続可能性のある輸入政策を確立する必要があります。これには、輸入元となる国の多様化やストック体制の強化が含まれます。また、地球温暖化による農業の影響が懸念されるなか、技術投資による効率的な土地利用や新種の開発といった対応も重要です。
未来に向けた提言としては、大豆生産の中心地であるアメリカや南米諸国が、持続可能性を考慮した農業経営を行うことが急務です。例えば、森林破壊を回避するための農法や従来技術の見直しが求められるでしょう。また、多国間の協力枠組みを強化し、消費国と生産国が相互に依存度を適切に調整することで、食糧安全保障体制を構築していく必要があります。具体的には、穀物市場の安定化を図るための柔軟な貿易協定の施行や農業分野での気候変動対策の推進が挙げられます。
結論として、2008年度の世界大豆生産量ランキングから見られるように、大豆は非常に重要な作物であり、世界の安定に大きな役割を果たしています。しかし、生産国集中によるリスクや地政学的課題を考えると、長期的な備えと国際協力がこれまで以上に重要になるといえます。より適切な政策とイノベーションの融合によって、持続可能な未来を目指すことが求められています。