世界の大豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2001年の大豆生産量ランキングによると、アメリカ合衆国が7,867万トンを記録して世界の1位に位置し、全体の生産を圧倒的にリードしています。これに続くのはブラジル（3,790万トン）とアルゼンチン（2,688万トン）で、南米の2カ国がグローバルな供給チェーンを支える重要な役割を担っています。アジア地域では中国、インド、日本、韓国などがランクインしているものの、生産量は上位国に比べて少なく、日本は29万600トンの15位という結果です。大豆は食品や飼料、バイオ燃料として重要な農作物であり、その生産分布には経済的・地政学的な背景が深く絡んでいることがわかります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	78,671,470
2	ブラジル	南アメリカ	37,907,259
3	アルゼンチン	南アメリカ	26,880,852
4	中国	アジア	15,405,600
5	インド	アジア	5,962,700
6	パラグアイ	南アメリカ	3,511,050
7	カナダ	北アメリカ	1,635,200
8	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	1,152,270
9	イタリア	ヨーロッパ	895,269
10	インドネシア	アジア	826,932
11	ナイジェリア	アフリカ	436,000
12	ロシア連邦	ヨーロッパ	349,635
13	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	343,000
14	フランス	ヨーロッパ	309,694
15	日本	アジア	290,600
16	タイ	アジア	260,696
17	南アフリカ	アフリカ	226,210
18	ベトナム	アジア	173,700
19	ウガンダ	アフリカ	144,000
20	ジンバブエ	アフリカ	140,793
21	メキシコ	南アメリカ	121,671
22	ミャンマー	アジア	118,700
23	大韓民国	アジア	117,723
24	エクアドル	南アメリカ	113,324
25	クロアチア	ヨーロッパ	91,841
26	イラン（イスラム共和国）	アジア	85,985
27	ウクライナ	ヨーロッパ	73,900
28	ルーマニア	ヨーロッパ	72,688
29	コロンビア	南アメリカ	62,619
30	トルコ	アジア	50,000
31	オーストラリア	オセアニア	48,649
32	ハンガリー	ヨーロッパ	41,489
33	オーストリア	ヨーロッパ	33,874
34	グアテマラ	南アメリカ	32,000
35	ウルグアイ	南アメリカ	27,600
36	カンボジア	アジア	24,658
37	ネパール	アジア	17,470
38	ルワンダ	アフリカ	16,336
39	エジプト	アフリカ	14,885
40	コンゴ民主共和国	アフリカ	12,664
41	スロバキア	ヨーロッパ	10,381
42	モルドバ共和国	ヨーロッパ	9,511
43	カザフスタン	アジア	8,679
44	スペイン	ヨーロッパ	6,637
45	カメルーン	アフリカ	5,698
46	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	4,437
47	エチオピア	アフリカ	4,369
48	チェコ	ヨーロッパ	4,301
49	ニカラグア	南アメリカ	4,158
50	ブルキナファソ	アフリカ	3,814
51	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	3,808
52	シリア・アラブ共和国	アジア	3,693
53	ベナン	アフリカ	3,543
54	ラオス人民民主共和国	アジア	3,002
55	リベリア	アフリカ	2,984
56	ペルー	南アメリカ	2,687
57	エルサルバドル	南アメリカ	2,671
58	ザンビア	アフリカ	2,350
59	ガボン	アフリカ	2,283
60	コートジボワール	アフリカ	2,100
61	マリ	アフリカ	2,100
62	ケニア	アフリカ	2,081
63	ドイツ	ヨーロッパ	1,600
64	ホンジュラス	南アメリカ	1,500
65	グルジア	アジア	1,417
66	パキスタン	アジア	1,404
67	スイス	ヨーロッパ	1,250
68	ブルンジ	アフリカ	1,200
69	モロッコ	アフリカ	1,000
70	ブルガリア	ヨーロッパ	1,000
71	タンザニア連合共和国	アフリカ	941
72	フィリピン	アジア	897
73	アルバニア	ヨーロッパ	800
74	アンゴラ	アフリカ	800
75	東ティモール	アジア	660
76	スリランカ	アジア	620
77	ベリーズ	南アメリカ	526
78	ブータン	アジア	500
79	中国、台湾 中国省	アジア	328
80	アゼルバイジャン	アジア	319
81	キルギスタン	アジア	144
82	スロベニア	ヨーロッパ	104
83	北マケドニア	ヨーロッパ	100
84	パナマ	南アメリカ	93
85	イラク	アジア	60
86	スリナム	南アメリカ	50
87	マダガスカル	アフリカ	49
88	ギリシャ	ヨーロッパ	19
89	タジキスタン	アジア	17
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大豆は世界中で需要が高まる作物であり、その用途は食用油、豆腐や味噌といった加工食品の原料、家畜飼料、さらにはバイオ燃料と幅広いものがあります。2001年の国際連合食糧農業機関（FAO）の統計を基にしたデータによれば、大豆の生産は特定地域に集中し、特に南北アメリカ大陸の国々が主役を担っています。

アメリカ合衆国は7,867万トンという圧倒的な生産量を記録し、全体の生産を牽引しました。その豊かな土壌、先進的な農業技術、大規模な農地の存在により、効率的かつ大量の生産が可能となっています。これに対して、2位のブラジル（3,790万トン）と3位のアルゼンチン（2,688万トン）は、いずれも気候条件と生産体制に恵まれており、輸出市場において重要なプレーヤーとして機能しています。一方で、気候変動や乱伐による森林破壊が懸案事項であり、これを解決するためには持続可能な農業手法の導入が鍵となるでしょう。

アジア地域の中では、中国が約1,540万トンで4位につけ、最大の生産国として位置づけられています。しかし、その需要の大きさから輸入に依存しているのも事実です。インドは世界5位の約596万トンを記録し、増加する国内需要に対し着実な伸びを示しています。日本は15位でおよそ29万トンと、国内の多くを輸入に依存している現状が浮き彫りになっています。韓国（117,723トン）や中国の台湾なども小規模ではあるものの生産を行っていますが、アジア全体で見た時にはまだ自給率が低いことが分かります。

特に重要な課題は、地政学的なリスクと生産地との関係性です。例えば、輸入大国である日本や韓国、中国などでは、主要な輸入先であるアメリカやブラジル、アルゼンチンでの天候不順、貿易摩擦や物流コストの高騰が国民の生活や安全保障に直結する可能性があります。さらに、大豆の生産に依存する国々では、気候変動が収穫量に与える影響が顕著であり、これが供給の安定性を脅かしています。特にラテンアメリカでは内部の土地争いや森林破壊が一層の問題を引き起こしかねません。

今後の具体的な対策として、需要の高いアジア諸国は複数の輸入国との関係を強化し、供給源を多様化する必要があります。また、国内でも生産環境を整備し、輸入依存度を下げる努力が求められます。日本においては、国内での生産性向上や、地域の農業振興を支援する政策を進めることで、一定の自給率を確保すべきでしょう。同時に、食品廃棄物の削減や代替タンパク質の開発も有効な手段となります。

国際的な対策としては、地政学的リスクを減らすための輸送路の再構築や、共同備蓄制度などが考えられます。また、気候変動の影響に対応する持続可能な農業技術を各国間で共有し、適応力を高めることが重要です。農業投資を促進し、新しいバイオテクノロジーの導入による品種改良も重要な取り組みとなるでしょう。

結論として、大豆生産は特定の地域に集中しているという構造的な課題を抱えつつも、国際協力や輸入元の多様化、気候変動への対応などを進めることで、供給リスクの軽減が可能です。今後は、三大特大生産国（アメリカ、ブラジル、アルゼンチン）だけに頼るのではなく、地域ごとの小規模生産者への支援も含めて、大豆の持続可能な生産と流通を実現することが求められます。