世界の大豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1999年の世界の大豆生産量ランキングでは、アメリカ合衆国が1位で約7,222万トン、世界全体の約50%に相当する生産量を記録しました。続いてブラジルが約3,099万トンで2位、アルゼンチンが約2,000万トンで3位となっています。これら南北アメリカ大陸の3ヶ国で、世界の大豆生産量の大半を占めています。一方、日本は17位で約18万7千トン、大豆生産は国外調達への依存が大きい状況です。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	72,223,460
2	ブラジル	南アメリカ	30,987,476
3	アルゼンチン	南アメリカ	20,000,000
4	中国	アジア	14,245,300
5	インド	アジア	7,081,400
6	パラグアイ	南アメリカ	3,053,005
7	カナダ	北アメリカ	2,780,900
8	インドネシア	アジア	1,382,848
9	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	967,625
10	イタリア	ヨーロッパ	870,731
11	ナイジェリア	アフリカ	410,000
12	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	340,000
13	ロシア連邦	ヨーロッパ	334,396
14	タイ	アジア	319,015
15	フランス	ヨーロッパ	261,495
16	南アフリカ	アフリカ	199,000
17	日本	アジア	187,200
18	ルーマニア	ヨーロッパ	183,403
19	ベトナム	アジア	147,200
20	メキシコ	南アメリカ	132,824
21	ジンバブエ	アフリカ	120,685
22	大韓民国	アジア	116,120
23	クロアチア	ヨーロッパ	115,853
24	オーストラリア	オセアニア	108,800
25	ウガンダ	アフリカ	101,000
26	ミャンマー	アジア	97,400
27	イラン（イスラム共和国）	アジア	91,699
28	ハンガリー	ヨーロッパ	77,491
29	エクアドル	南アメリカ	76,824
30	トルコ	アジア	66,000
31	オーストリア	ヨーロッパ	50,449
32	ウクライナ	ヨーロッパ	45,380
33	コロンビア	南アメリカ	39,429
34	カンボジア	アジア	35,063
35	グアテマラ	南アメリカ	30,164
36	ザンビア	アフリカ	26,704
37	ニカラグア	南アメリカ	19,700
38	ウルグアイ	南アメリカ	18,999
39	エジプト	アフリカ	18,892
40	ネパール	アジア	17,820
41	モルドバ共和国	ヨーロッパ	13,657
42	コンゴ民主共和国	アフリカ	10,205
43	スペイン	ヨーロッパ	9,600
44	ルワンダ	アフリカ	8,898
45	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	8,701
46	スイス	ヨーロッパ	7,553
47	スロバキア	ヨーロッパ	6,068
48	カメルーン	アフリカ	5,880
49	ラオス人民民主共和国	アジア	5,850
50	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	5,207
51	ブルガリア	ヨーロッパ	5,000
52	ブルキナファソ	アフリカ	4,174
53	カザフスタン	アジア	3,900
54	エチオピア	アフリカ	3,833
55	ベナン	アフリカ	3,444
56	コートジボワール	アフリカ	3,132
57	ホンジュラス	南アメリカ	3,000
58	リベリア	アフリカ	3,000
59	ペルー	南アメリカ	2,819
60	シリア・アラブ共和国	アジア	2,513
61	エルサルバドル	南アメリカ	2,400
62	ケニア	アフリカ	2,081
63	タンザニア連合共和国	アフリカ	2,044
64	マリ	アフリカ	2,004
65	ガボン	アフリカ	2,000
66	パキスタン	アジア	1,544
67	アルバニア	ヨーロッパ	1,200
68	モロッコ	アフリカ	1,120
69	グルジア	アジア	1,113
70	フィリピン	アジア	1,041
71	東ティモール	アジア	1,030
72	ドイツ	ヨーロッパ	1,030
73	ベリーズ	南アメリカ	992
74	スリランカ	アジア	800
75	ブータン	アジア	610
76	チェコ	ヨーロッパ	585
77	イラク	アジア	550
78	中国、台湾 中国省	アジア	352
79	ブルンジ	アフリカ	350
80	アゼルバイジャン	アジア	120
81	パナマ	南アメリカ	96
82	スロベニア	ヨーロッパ	71
83	キルギスタン	アジア	57
84	マダガスカル	アフリカ	49
85	ギリシャ	ヨーロッパ	49
86	スリナム	南アメリカ	36
87	タジキスタン	アジア	15
+ すべての国を見る

1999年の各国の大豆生産量ランキングは、世界各国の農業生産力とその地域的な分布を明確に示しています。アメリカ合衆国は約7,222万トンという圧倒的な生産量を誇り、大豆生産の最大輸出国として世界の食糧供給において重要な役割を果たしています。アメリカの豊富な農地、水資源、効率的な農業技術がこの高い生産量を支えています。続くブラジルとアルゼンチンも大豆の主要生産国であり、これら3国が持つ生産量は全体の75％以上を占めています。

一方で、中国は4位、インドは5位となっており、アジア地域ではこの2国が主導しています。しかし中国の生産量は約1,424万トンにとどまり、国内需要を満たすには輸入が必要な状況です。一方、日本は17位という比較的低い順位に位置しており、生産量は約18万7千トンと、国内需要を賄うには到底及びません。同様に、大韓民国も22位に位置し、生産量は約11万6千トンとなっています。アジア全体では国内需要に対する供給量が十分ではなく、輸入依存が高い傾向があります。

地域的な課題を深掘りすると、南米諸国における大豆生産拡大は、農地開発が森林破壊や環境負荷を招いている一方で、経済の重要な柱ともなっています。特にブラジルではアマゾン森林の伐採が国際的に問題視されています。アジアでは、中国やインドなどにおける人口増加に伴う需要増が、食品や飼料用大豆の輸入拡大を促進しています。こうした輸入依存は、国際価格の変動や地政学的リスクの影響を受けやすくなるという課題も含んでいます。

未来に向けて新たな課題も見えてきます。まず、増え続ける需要を満たすためには、持続可能な農業技術の導入および普及が不可欠です。例えば、水や肥料の効率的な利用や、環境を保護しつつ収量を向上させる技術の研究開発を加速させる必要があります。また、生産の多国籍化も鍵となります。一部の国に生産が偏在している現状を改善するため、新興国や発展途上国での農地開発やインフラ整備を進め、分散型の供給体制を構築することが重要です。特にアジアやアフリカ諸国では、貧困削減や雇用創出を伴う形での農業開発が期待されています。

また、気候変動が農業に与える影響を無視することはできません。干ばつや洪水によって収量が不安定化するリスクが増大しており、これに対処するための気候適応型農業技術の導入が求められます。例えば、耐乾性や耐塩性に優れた作物品種の育成が挙げられます。また、国際的な取り組みとして、輸出国と輸入国間の緊密な協力と、公平で安定した貿易枠組みが求められます。

結論として、1999年のデータはアメリカ、ブラジル、アルゼンチンが世界の大豆生産における中心的役割を果たしている一方で、アジアを中心とした国々での自給率向上や新興国での生産の活性化が今後ますます重要になることを示唆しています。国際的な問題を解決しつつ各地域の生産を増強していくためには、環境に配慮した形での農業生産技術の普及、地政学的リスクを考慮した輸出入政策の強化、国際的な協力体制の構築が重要です。これは、持続可能で安定した世界の食糧供給の確保につながります。