1996年の世界の大豆生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国で約6,478万トン、2位はブラジルで約2,317万トン、3位は中国で約1,322万トンとなり、この3か国が全体的な大豆生産量の大部分を占めていることが分かります。一方、日本は148,000トンで17位と上位国に遠く及ばない規模でした。また、上位10か国に南北アメリカが多く含まれ、地域的な偏りが見られる結果となっています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 64,780,440 |
| 2 |
|
南アメリカ | 23,166,874 |
| 3 |
|
アジア | 13,224,000 |
| 4 |
|
南アメリカ | 12,448,200 |
| 5 |
|
アジア | 5,400,000 |
| 6 |
|
南アメリカ | 2,394,794 |
| 7 |
|
北アメリカ | 2,170,000 |
| 8 |
|
アジア | 1,517,180 |
| 9 |
|
南アメリカ | 867,488 |
| 10 |
|
ヨーロッパ | 825,527 |
| 11 |
|
アジア | 400,000 |
| 12 |
|
アジア | 359,094 |
| 13 |
|
アフリカ | 322,000 |
| 14 |
|
ヨーロッパ | 282,893 |
| 15 |
|
ヨーロッパ | 226,484 |
| 16 |
|
アジア | 160,081 |
| 17 |
|
アジア | 148,000 |
| 18 |
|
アジア | 113,800 |
| 19 |
|
ヨーロッパ | 113,084 |
| 20 |
|
アフリカ | 96,948 |
| 21 |
|
アフリカ | 87,000 |
| 22 |
|
アフリカ | 80,000 |
| 23 |
|
南アメリカ | 77,700 |
| 24 |
|
アジア | 71,128 |
| 25 |
|
アジア | 61,500 |
| 26 |
|
南アメリカ | 58,103 |
| 27 |
|
南アメリカ | 56,074 |
| 28 |
|
アジア | 50,000 |
| 29 |
|
オセアニア | 44,606 |
| 30 |
|
南アメリカ | 43,497 |
| 31 |
|
アフリカ | 40,050 |
| 32 |
|
アフリカ | 39,718 |
| 33 |
|
ヨーロッパ | 35,896 |
| 34 |
|
アジア | 28,299 |
| 35 |
|
ヨーロッパ | 27,494 |
| 36 |
|
ヨーロッパ | 26,763 |
| 37 |
|
南アメリカ | 21,791 |
| 38 |
|
ヨーロッパ | 15,000 |
| 39 |
|
アジア | 13,710 |
| 40 |
|
南アメリカ | 13,600 |
| 41 |
|
アフリカ | 11,919 |
| 42 |
|
ヨーロッパ | 10,141 |
| 43 |
|
ヨーロッパ | 9,707 |
| 44 |
|
アジア | 9,693 |
| 45 |
|
アジア | 9,364 |
| 46 |
|
南アメリカ | 8,000 |
| 47 |
|
南アメリカ | 6,345 |
| 48 |
|
アフリカ | 5,100 |
| 49 |
|
ヨーロッパ | 4,733 |
| 50 |
|
ヨーロッパ | 4,480 |
| 51 |
|
アフリカ | 3,341 |
| 52 |
|
アフリカ | 3,302 |
| 53 |
|
アジア | 3,245 |
| 54 |
|
アフリカ | 3,000 |
| 55 |
|
アジア | 2,953 |
| 56 |
|
アジア | 2,694 |
| 57 |
|
アフリカ | 2,482 |
| 58 |
|
ヨーロッパ | 2,462 |
| 59 |
|
アフリカ | 2,460 |
| 60 |
|
アフリカ | 2,406 |
| 61 |
|
南アメリカ | 2,208 |
| 62 |
|
南アメリカ | 2,100 |
| 63 |
|
アフリカ | 2,060 |
| 64 |
|
アフリカ | 1,960 |
| 65 |
|
アジア | 1,818 |
| 66 |
|
アフリカ | 1,760 |
| 67 |
|
アジア | 1,650 |
| 68 |
|
ヨーロッパ | 1,483 |
| 69 |
|
アフリカ | 1,279 |
| 70 |
|
アジア | 1,244 |
| 71 |
|
アフリカ | 1,086 |
| 72 |
|
ヨーロッパ | 1,000 |
| 73 |
|
アジア | 1,000 |
| 74 |
|
アジア | 726 |
| 75 |
|
ヨーロッパ | 511 |
| 76 |
|
アフリカ | 400 |
| 77 |
|
アジア | 295 |
| 78 |
|
ヨーロッパ | 274 |
| 79 |
|
アジア | 250 |
| 80 |
|
南アメリカ | 210 |
| 81 |
|
南アメリカ | 110 |
| 82 |
|
アフリカ | 44 |
| 83 |
|
ヨーロッパ | 41 |
| 84 |
|
南アメリカ | 38 |
| 85 |
|
アジア | 25 |
| 86 |
|
アジア | 17 |
| 87 |
|
ヨーロッパ | 11 |
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このデータは国際連合食糧農業機関(FAO)から公開されており、1996年時点での世界の大豆生産量を反映しています。大豆は食料や飼料産業に不可欠であり、特に油脂の生産や家畜飼料の原料として、多くの国にとって経済的にも重要な農作物です。ランキングで特に注目されるのは、アメリカ合衆国、ブラジル、中国の3か国が圧倒的な生産量を誇り、世界の大豆生産を牽引している点です。この3か国で総生産量の約80%以上を占めていることからも、その重点性が明らかです。
アメリカ合衆国は、この当時、最先端の農業技術と広大な農地を背景に生産量で他国を大きく引き離していました。輸出主体の大豆生産政策が取られており、同国の農業が世界市場に与える影響力を強く示しています。また、ブラジルも年々生産量を拡大させており、今日ではアメリカと並ぶ生産大国として知られています。ブラジルでは熱帯気候をうまく利用し、輸出向けの生産増加が進められていました。一方、中国は国内消費を主体とした生産が中心で、農業労働力の多さを活かしていました。
アジアでは中国が3位に、またインドが5位に位置していますが、その差は依然として大きく、中国が大豆の最大生産国としての地位を維持しています。日本は17位に位置しており、国内市場をカバーするためには輸入に大きく依存している状況です。農地不足や天候、地形の制約が日本の自給率を低迷させている一因と考えられます。同じアジアの韓国も16位にとどまり、大豆の輸入依存が高い国のひとつとなっています。
地域別に見ると、南米では大豆生産が経済発展の大きな柱となっており、ブラジルやアルゼンチンのような主要輸出国が存在する一方で、生産規模が限られた国も多く見受けられます。アフリカでは順位の低い国がほとんどを占め、10,000トン以下の生産国が多いことが課題です。インフラや農業技術の普及が遅れ、農業全体の生産効率を向上させる必要があります。
地政学的観点からも、大豆市場の変動や地球規模での需給バランスへの影響が大きいと考えられます。1996年の生産データを見ると、輸出依存度の高い南北アメリカ地域が安定供給の要となっていますが、この偏りが新たな問題を引き起こすリスクも否定できません。特に、気候変動や干ばつなどの自然災害、または貿易政策の変化が地域的な供給に及ぼす影響を適切に評価する必要があります。
今後は、アジアやアフリカを中心とした新興地域での生産能力強化が課題となるでしょう。地域的な偏在を解消し、輸入依存を減らすためには、生産性を向上させるための農作物の改良やインフラ整備、技術共有が重要になります。また、日本のように農地が限られる国では、垂直農業や都市型農業など、新しい農業形態の採用が将来の解決策となる可能性があります。
国際社会としては、過度な集中を避けるため、北南アメリカ以外の地域にも焦点を当て、各国での大豆生産を均衡化させるような取り組みが求められます。具体的には、国際的な協力機関を通じて、農業技術や専門知識の提供を加速させる必要があります。大豆は食糧安全保障の中心的な要素であり、一国の問題ではなく、世界規模で取り組むべき課題として認識すべきです。