1990年度の大豆生産量ランキングでは、アメリカ合衆国が圧倒的な生産量を記録し、52,416,000トンで1位に輝きました。2位のブラジルは19,897,804トン、3位の中国は11,000,000トンと続き、生産量の上位は南北アメリカ大陸と東アジアの国々に集中していました。一方で、日本は220,400トンで17位と下位半分に位置し、国内需要に対して輸入依存が高まる傾向が伺えます。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 52,416,000 |
| 2 |
|
南アメリカ | 19,897,804 |
| 3 |
|
アジア | 11,000,000 |
| 4 |
|
南アメリカ | 10,700,000 |
| 5 |
|
アジア | 2,601,500 |
| 6 |
|
南アメリカ | 1,794,618 |
| 7 |
|
ヨーロッパ | 1,750,500 |
| 8 |
|
アジア | 1,487,433 |
| 9 |
|
北アメリカ | 1,262,000 |
| 10 |
|
南アメリカ | 575,366 |
| 11 |
|
アジア | 530,112 |
| 12 |
|
アジア | 455,000 |
| 13 |
|
ヨーロッパ | 245,000 |
| 14 |
|
アジア | 232,786 |
| 15 |
|
南アメリカ | 232,743 |
| 16 |
|
南アメリカ | 232,140 |
| 17 |
|
アジア | 220,400 |
| 18 |
|
アフリカ | 218,000 |
| 19 |
|
南アメリカ | 166,694 |
| 20 |
|
アジア | 162,000 |
| 21 |
|
ヨーロッパ | 141,173 |
| 22 |
|
アフリカ | 118,200 |
| 23 |
|
アフリカ | 113,440 |
| 24 |
|
アフリカ | 106,690 |
| 25 |
|
アジア | 88,790 |
| 26 |
|
アジア | 86,600 |
| 27 |
|
オセアニア | 77,413 |
| 28 |
|
ヨーロッパ | 54,382 |
| 29 |
|
南アメリカ | 42,323 |
| 30 |
|
ヨーロッパ | 42,200 |
| 31 |
|
南アメリカ | 37,000 |
| 32 |
|
アフリカ | 36,944 |
| 33 |
|
アフリカ | 26,791 |
| 34 |
|
アジア | 25,515 |
| 35 |
|
アジア | 22,000 |
| 36 |
|
ヨーロッパ | 21,000 |
| 37 |
|
アフリカ | 18,096 |
| 38 |
|
ヨーロッパ | 17,658 |
| 39 |
|
ヨーロッパ | 14,848 |
| 40 |
|
アジア | 12,840 |
| 41 |
|
アフリカ | 12,070 |
| 42 |
|
南アメリカ | 11,500 |
| 43 |
|
アジア | 10,775 |
| 44 |
|
アフリカ | 8,560 |
| 45 |
|
アジア | 8,140 |
| 46 |
|
ヨーロッパ | 7,000 |
| 47 |
|
アジア | 4,937 |
| 48 |
|
ヨーロッパ | 4,756 |
| 49 |
|
アジア | 4,210 |
| 50 |
|
アフリカ | 4,054 |
| 51 |
|
南アメリカ | 3,796 |
| 52 |
|
アフリカ | 3,264 |
| 53 |
|
アジア | 3,200 |
| 54 |
|
アフリカ | 3,000 |
| 55 |
|
アフリカ | 2,800 |
| 56 |
|
ヨーロッパ | 2,611 |
| 57 |
|
南アメリカ | 2,547 |
| 58 |
|
アフリカ | 2,000 |
| 59 |
|
アフリカ | 2,000 |
| 60 |
|
南アメリカ | 2,000 |
| 61 |
|
アジア | 1,900 |
| 62 |
|
アフリカ | 1,500 |
| 63 |
|
アフリカ | 1,500 |
| 64 |
|
アジア | 1,311 |
| 65 |
|
アジア | 1,076 |
| 66 |
|
アジア | 849 |
| 67 |
|
アフリカ | 500 |
| 68 |
|
南アメリカ | 450 |
| 69 |
|
アフリカ | 347 |
| 70 |
|
南アメリカ | 146 |
| 71 |
|
アフリカ | 50 |
| 72 |
|
南アメリカ | 33 |
| 73 |
|
アジア | 2 |
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国連食糧農業機関(FAO)が発表した1990年度の大豆生産量データを分析すると、大豆生産が地政学的および経済的に特定の国々が大きな影響力を持つ分野であることが明確に見て取れます。アメリカ合衆国は圧倒的な生産量を誇り、全体の約50%近くを占める一大生産国です。この大量生産の背景には、広大な農地と高度な農業機械化があり、また輸出市場における競争優位性を持っています。ブラジルやアルゼンチンなどの南アメリカ諸国も、肥沃な平野を活かした大規模生産を行っており、特にブラジルは1990年度時点でも上位を保持しています。
東アジアに目を向けると、中国が3位にランクインしていますが、国内需要の大きさに対して供給力が追い付かず、大豆の輸入国へと転じる兆候が既に見られます。日本は17位に位置し、国内生産量は220,400トンと非常に限られています。同時に、食品需要の大部分を輸入によって賄う状況が進行中です。この輸入依存は、経済変動や国際情勢の影響を受けやすい構造的な課題となっています。
地域的な課題として、アフリカ諸国では大豆の生産量が著しく低く、ほとんどの国が1,000トン以下の規模にとどまっています。アフリカは食料安全保障の課題に直面しており、大豆のような高タンパク作物の生産拡大と輸入の推進が必要とされています。一方で、欧州各国、特にイタリアやフランスなどでは中規模の生産が確認されており、大豆需要の多様化に対応しています。
さらに、地政学的リスクと大豆生産の関連性も見逃せません。大豆は飼料や食用油の原料として非常に重要であり、主要生産国の政治的不安定や自然災害は、サプライチェーン全体に多大な影響を与える可能性があります。この観点から、日本を含む輸入依存度の高い国々は、輸入先を分散化するなどリスク管理を強化すべきです。
未来に向けては、大豆生産の持続可能性を高めるための具体的な対策が必要です。たとえば、アジア諸国では国内生産の効率化を進めるとともに、輸出国との安定的な連携強化を図るべきです。一方で、アフリカ諸国では農業技術の導入による生産性向上や、国際援助機関との協力を通じた資金調達が不可欠です。特に、日本においては、優れた農業研究技術を活かして耐候性に優れた大豆品種を開発し、国内生産を増やす施策が求められます。
結論として、1990年度のデータは大豆生産の地理的偏在が示されており、国際市場における供給網の構築は食料安全保障の観点からもきわめて重要です。国家間の連携と技術革新が、大豆生産および流通の未来を支える鍵となるでしょう。