1989年度の世界大豆生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国で生産量は52,350,000トンとなり、全世界の大豆生産を圧倒的にリードしています。2位は24,051,670トンを生産したブラジル、3位には10,228,000トンの中国が続いています。これら3カ国で世界の大豆生産の大半を占める結果となりました。一方、日本は271,700トンでランキング16位に位置し、他のアジア諸国と比べても中位にとどまっています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 52,350,000 |
| 2 |
|
南アメリカ | 24,051,670 |
| 3 |
|
アジア | 10,228,000 |
| 4 |
|
南アメリカ | 6,500,000 |
| 5 |
|
アジア | 1,805,600 |
| 6 |
|
ヨーロッパ | 1,623,600 |
| 7 |
|
南アメリカ | 1,614,573 |
| 8 |
|
アジア | 1,315,113 |
| 9 |
|
北アメリカ | 1,218,700 |
| 10 |
|
南アメリカ | 992,391 |
| 11 |
|
アジア | 672,368 |
| 12 |
|
アジア | 420,000 |
| 13 |
|
ヨーロッパ | 305,849 |
| 14 |
|
ヨーロッパ | 303,900 |
| 15 |
|
アフリカ | 300,000 |
| 16 |
|
アジア | 271,700 |
| 17 |
|
南アメリカ | 260,249 |
| 18 |
|
アジア | 251,552 |
| 19 |
|
南アメリカ | 177,400 |
| 20 |
|
アジア | 161,000 |
| 21 |
|
南アメリカ | 153,492 |
| 22 |
|
オセアニア | 129,511 |
| 23 |
|
アフリカ | 123,725 |
| 24 |
|
ヨーロッパ | 118,000 |
| 25 |
|
アフリカ | 91,415 |
| 26 |
|
アジア | 90,000 |
| 27 |
|
アジア | 82,350 |
| 28 |
|
アフリカ | 78,600 |
| 29 |
|
南アメリカ | 38,500 |
| 30 |
|
南アメリカ | 30,498 |
| 31 |
|
ヨーロッパ | 27,300 |
| 32 |
|
アジア | 26,955 |
| 33 |
|
ヨーロッパ | 23,000 |
| 34 |
|
ヨーロッパ | 21,529 |
| 35 |
|
アフリカ | 20,578 |
| 36 |
|
アジア | 20,000 |
| 37 |
|
南アメリカ | 15,910 |
| 38 |
|
アフリカ | 15,788 |
| 39 |
|
アジア | 12,700 |
| 40 |
|
ヨーロッパ | 12,000 |
| 41 |
|
アフリカ | 11,060 |
| 42 |
|
アジア | 10,956 |
| 43 |
|
ヨーロッパ | 10,392 |
| 44 |
|
アジア | 10,229 |
| 45 |
|
アフリカ | 9,200 |
| 46 |
|
南アメリカ | 8,165 |
| 47 |
|
アジア | 4,950 |
| 48 |
|
ヨーロッパ | 4,646 |
| 49 |
|
アジア | 4,049 |
| 50 |
|
南アメリカ | 2,770 |
| 51 |
|
アフリカ | 2,728 |
| 52 |
|
アフリカ | 2,500 |
| 53 |
|
ヨーロッパ | 2,215 |
| 54 |
|
南アメリカ | 2,000 |
| 55 |
|
アフリカ | 2,000 |
| 56 |
|
アジア | 1,800 |
| 57 |
|
アフリカ | 1,500 |
| 58 |
|
アジア | 1,500 |
| 59 |
|
アフリカ | 1,340 |
| 60 |
|
アジア | 1,300 |
| 61 |
|
アフリカ | 1,200 |
| 62 |
|
アジア | 1,169 |
| 63 |
|
アジア | 1,000 |
| 64 |
|
アフリカ | 885 |
| 65 |
|
アフリカ | 600 |
| 66 |
|
南アメリカ | 450 |
| 67 |
|
アフリカ | 318 |
| 68 |
|
南アメリカ | 81 |
| 69 |
|
アフリカ | 60 |
| 70 |
|
南アメリカ | 21 |
| 71 |
|
アジア | 3 |
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1989年の世界大豆生産データからは、大豆の生産が特定の国々に集中している現状が浮き彫りになっています。生産量1位のアメリカ合衆国は、52,350,000トンと他国を大きく引き離しており、この数字は2位のブラジルの約2.2倍、3位の中国の約5倍以上です。この3カ国(アメリカ、ブラジル、中国)の合計生産量は世界全体の大部分を占めており、主要な大豆輸出国としての役割を果たしています。
アメリカの強力な農業基盤と広大な土地、効率的な農業機械の利用は、これほどの大豆収穫を可能にしています。一方で、ブラジルも広大な土地を活用しつつ、気候変動の影響を受けにくい地域での生産が進んでいます。このランキングの中で注目すべきは、中国が3位に位置している点です。中国は主に国内消費向けに生産を行っており、人口の増加に応じて大豆の需要が継続的に高まっています。
日本は16位にランクインしており、生産量は271,700トンです。この数字は日本国内の需要を満たすには不十分であり、大豆の多くを輸入に頼っています。日本の土地利用や農業政策の制約、加えて大豆に適した広大な耕地が少ないことが背景として挙げられます。同じアジア地域の韓国(18位)やインドネシア(8位)と比べても、比較的低い生産量であることが見て取れます。
大豆生産は地理的位置と気候条件に大きく依存しており、そのため地域ごとの課題も異なります。たとえば、パラグアイ(7位)は比較的小国であるものの、農地拡大と輸出向け農業の推進により高い位置につけています。一方で、ヨーロッパやアフリカでは大豆生産が主要産業として発展しておらず、フランス(13位)やナイジェリア(15位)でも生産量は300,000トン程度にとどまっています。
地政学的な側面も無視できません。アメリカとブラジルが大豆輸出の主要国である一方、中国はこれらの国から大豆を輸入する最大の需要国となっています。大豆は食用油や飼料など多様な用途に用いられるため、国家間の貿易摩擦や政策変化の影響を強く受ける農産物でもあります。特に気候変動や紛争の影響による供給不安が発生すると、国際価格が大きく変動することになります。
将来の課題としては、世界的な人口増加に伴う大豆需要拡大への対応が挙げられます。特に、新興国や発展途上国では食文化の変化により大豆の需要が増加する流れが見られます。一方で、安定した供給のためには、生産国における気候変動のリスク管理や砂漠化対策、持続可能な農業技術の導入などが急務です。
具体的な提案としては、農業の国際協力を強化し、耐乾燥性や収量増加を実現する品種の共同研究開発を進めることが有効です。また、日本のように自給率が低い国では、農地の高効率利用や都市型農業の導入を検討することが求められます。さらに、消費国と生産国の間での安定した貿易枠組みの確立や、物流インフラの整備も大豆供給の安定に寄与します。気候変動や地政学リスクを考慮した将来の戦略は、特に大豆が重要な農産物である現代の世界経済において不可欠です。
結論として、1989年のデータは、大豆の生産と消費に関する各国の役割と国際的な依存関係を明示しています。持続可能な大豆生産とグローバルな流通のバランスを維持するために、より多くの科学的アプローチと国際協力がますます重要になるでしょう。