世界のパイナップル生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2019年度のパイナップル生産量ランキングによると、コスタリカは生産量2,802,712トンで1位に立ち、続いてフィリピンが2,747,857トン、ブラジルが2,418,321トンと続いています。上位5カ国の生産量を合計すると、全体の約63%を占めており、パイナップル生産の主要国家の存在感が際立っています。一方で、日本の生産量は7,460トンと非常に少なく、世界の供給においてはわずか0.3%に過ぎません。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	コスタリカ	南アメリカ	2,802,712
2	フィリピン	アジア	2,747,857
3	ブラジル	南アメリカ	2,418,321
4	インドネシア	アジア	2,196,456
5	中国	アジア	2,158,691
6	タイ	アジア	1,825,257
7	インド	アジア	1,711,000
8	ナイジェリア	アフリカ	1,569,952
9	メキシコ	南アメリカ	1,041,161
10	コロンビア	南アメリカ	1,008,687
11	ベトナム	アジア	707,880
12	ガーナ	アフリカ	674,769
13	アンゴラ	アフリカ	574,155
14	ペルー	南アメリカ	565,203
15	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	471,561
16	ドミニカ共和国	南アメリカ	461,025
17	中国、台湾 中国省	アジア	431,084
18	タンザニア連合共和国	アフリカ	389,678
19	ベナン	アフリカ	350,345
20	グアテマラ	南アメリカ	342,574
21	ケニア	アフリカ	335,353
22	マレーシア	アジア	314,627
23	マラウイ	アフリカ	300,000
24	カメルーン	アフリカ	277,341
25	バングラデシュ	アジア	217,439
26	コンゴ民主共和国	アフリカ	189,102
27	アメリカ合衆国	北アメリカ	168,665
28	南アフリカ	アフリカ	113,822
29	パナマ	南アメリカ	96,141
30	ホンジュラス	南アメリカ	90,000
31	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	87,658
32	マダガスカル	アフリカ	87,588
33	オーストラリア	オセアニア	86,201
34	パラグアイ	南アメリカ	85,216
35	ラオス人民民主共和国	アジア	66,885
36	ニカラグア	南アメリカ	66,833
37	ギニア	アフリカ	64,057
38	モザンビーク	アフリカ	56,175
39	コートジボワール	アフリカ	49,100
40	エクアドル	南アメリカ	46,348
41	スリランカ	アジア	43,001
42	エスワティニ	アフリカ	38,000
43	ガイアナ	南アメリカ	37,100
44	ルワンダ	アフリカ	36,372
45	キューバ	南アメリカ	35,621
46	ジャマイカ	南アメリカ	33,938
47	カンボジア	アジア	23,865
48	パプアニューギニア	オセアニア	23,384
49	中央アフリカ共和国	アフリカ	16,313
50	ネパール	アジア	13,846
51	リベリア	アフリカ	9,306
52	ザンビア	アフリカ	8,618
53	モーリシャス	アフリカ	8,459
54	ウガンダ	アフリカ	8,000
55	日本	アジア	7,460
56	フィジー	オセアニア	7,158
57	ハイチ	南アメリカ	7,150
58	サモア	オセアニア	4,599
59	プエルトリコ	南アメリカ	4,462
60	フランス領ポリネシア	オセアニア	4,321
61	南スーダン	アフリカ	4,165
62	スーダン	アフリカ	3,937
63	スリナム	南アメリカ	3,899
64	コンゴ	アフリカ	3,804
65	ベリーズ	南アメリカ	3,585
66	イスラエル	アジア	3,500
67	アルゼンチン	南アメリカ	3,246
68	ドミニカ	南アメリカ	2,317
69	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	2,158
70	トーゴ	アフリカ	1,883
71	エルサルバドル	南アメリカ	1,714
72	ガボン	アフリカ	1,275
73	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,241
74	エチオピア	アフリカ	1,164
75	大韓民国	アジア	950
76	ギニアビサウ	アフリカ	414
77	ブータン	アジア	149
78	ジンバブエ	アフリカ	141
79	東ティモール	アジア	139
80	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	113
81	グレナダ	南アメリカ	79
82	セントルシア	南アメリカ	55
83	セーシェル	アフリカ	33
84	クック諸島	オセアニア	17
+ すべての国を見る

パイナップルは、熱帯気候に適した果物で、特に中南米やアジアの国々で多く栽培されています。世界のパイナップル生産をリードするコスタリカは、農業技術の進歩や輸出促進政策により、高い生産量を実現しています。フィリピンやブラジルも、関税優遇政策や農地の大規模化などの施策によって生産を増加させているのが特徴です。

一方で、これらの国々に共通する課題があります。それは、気候変動や環境への影響です。特に、熱帯地域では異常気象の増加に伴い、農業生産が直撃されやすくなっています。例えば、干ばつや洪水は作物に深刻なダメージを加えるため、持続可能な農業手法の導入が急務です。

さらに、パイナップルの国際市場は競争が激化しており、品質やコストが勝負の鍵となります。各国は、輸出向けの生産に特化しているため、国内需要を満たすことが難しいケースも見られます。例えば、インドや中国などは内需を重視するあまり、輸出用の品質管理が課題となっていることがあります。

地域ごとには、農業政策や市場インフラの違いからくる生産性の差も見受けられます。たとえば、アフリカや南米の国々は、技術投資の不足により生産性が低い場合が多く、これが国際的な競争力に影響を及ぼしています。国際的な支援や技術移転が必要とされる場面です。

地政学的視点から見ると、パイナップルの生産が行われる地域は、往々にして紛争や政治的不安定が影響する場合があります。このようなリスクがある地域では、農産物の生産や供給が脆弱になり、その結果として価格変動や食糧不足を引き起こす恐れがあります。

今後、持続可能なパイナップル生産を促進するためには、以下の具体的な対策が求められます。まず、各国は農業の効率化と持続可能な技術の導入に力を入れるべきです。また、気候変動への適応策として、耐性品種の開発や灌漑技術の改良が急務です。これにより、災害時にも安定的に生産を続けることが可能となります。

また、新型コロナウイルスの影響を受け、サプライチェーンの混乱が生じました。これを踏まえ、国内外での生産能力の強化や新たな貿易ルートの構築を図ることが、将来的な供給安定につながるでしょう。そして、農家の所得向上を支援する政策や、環境保護を考慮した生産方法を確立することが、競争力の向上と環境の持続可能性に資するのです。

結論として、パイナップル生産の国際ランキングは、各国の経済や農業政策を反映していますが、将来的なリスクや課題も抱えています。国家や国際機関は、持続可能な生産や体制整備に向けた具体的な施策を講じ、パイナップル市場の安定化と発展を図ることが求められています。