世界のイチゴ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国連食糧農業機関（FAO）が発表した2018年のデータによると、世界のイチゴ生産量ランキングでは、中国が約306万トンと圧倒的な首位を占めています。2位のアメリカ合衆国（約118万トン）、3位のメキシコ（約65万トン）が続きます。日本は生産量約16万トンで11位に位置しており、上位国と比較すると生産量の規模は控えめですが、質の高い生産に定評があります。これに対し、スイスやスロバキアなどの生産量は数千トン規模、ルクセンブルクやマラウイといった国々では極少数にとどまっています。このランキングから、地域ごとの農業条件や市場の規模、気候、経済的バックグラウンドの影響が浮き彫りになります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	3,060,300
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,183,870
3	メキシコ	南アメリカ	653,639
4	エジプト	アフリカ	445,106
5	トルコ	アジア	440,968
6	スペイン	ヨーロッパ	344,680
7	ポーランド	ヨーロッパ	205,200
8	ロシア連邦	ヨーロッパ	199,000
9	大韓民国	アジア	183,639
10	ブラジル	南アメリカ	179,700
11	日本	アジア	161,800
12	モロッコ	アフリカ	143,440
13	ドイツ	ヨーロッパ	141,690
14	イギリス	ヨーロッパ	140,710
15	イタリア	ヨーロッパ	119,220
16	ベラルーシ	ヨーロッパ	77,403
17	オランダ	ヨーロッパ	64,840
18	イラン（イスラム共和国）	アジア	64,085
19	ウクライナ	ヨーロッパ	62,330
20	ギリシャ	ヨーロッパ	59,330
21	オーストラリア	オセアニア	57,384
22	フランス	ヨーロッパ	54,320
23	コロンビア	南アメリカ	51,838
24	ベルギー	ヨーロッパ	48,000
25	アルゼンチン	南アメリカ	40,037
26	カナダ	北アメリカ	28,039
27	ルーマニア	ヨーロッパ	26,080
28	チリ	南アメリカ	24,909
29	ペルー	南アメリカ	23,163
30	セルビア	ヨーロッパ	21,735
31	イスラエル	アジア	20,795
32	スウェーデン	ヨーロッパ	15,640
33	フィンランド	ヨーロッパ	15,510
34	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	14,179
35	グアテマラ	南アメリカ	13,759
36	オーストリア	ヨーロッパ	10,880
37	ポルトガル	ヨーロッパ	10,630
38	チュニジア	アフリカ	10,307
39	モルドバ共和国	ヨーロッパ	10,086
40	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	9,827
41	南アフリカ	アフリカ	9,008
42	中国、台湾 中国省	アジア	8,810
43	スイス	ヨーロッパ	8,209
44	ノルウェー	ヨーロッパ	7,964
45	デンマーク	ヨーロッパ	6,510
46	カザフスタン	アジア	6,365
47	北マケドニア	ヨーロッパ	6,078
48	アイルランド	ヨーロッパ	5,680
49	ウズベキスタン	アジア	5,607
50	ハンガリー	ヨーロッパ	5,380
51	ブルガリア	ヨーロッパ	4,830
52	アルバニア	ヨーロッパ	4,393
53	コスタリカ	南アメリカ	4,300
54	パラグアイ	南アメリカ	4,263
55	ニュージーランド	オセアニア	3,863
56	パレスチナ国	アジア	3,650
57	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	3,244
58	クロアチア	ヨーロッパ	2,670
59	レバノン	アジア	2,620
60	チェコ	ヨーロッパ	2,360
61	キルギスタン	アジア	2,088
62	スロベニア	ヨーロッパ	2,010
63	リトアニア	ヨーロッパ	1,670
64	エストニア	ヨーロッパ	1,630
65	キプロス	アジア	1,470
66	マルタ	ヨーロッパ	1,470
67	エクアドル	南アメリカ	1,410
68	ラトビア	ヨーロッパ	1,300
69	グルジア	アジア	1,200
70	ヨルダン	アジア	1,058
71	フィリピン	アジア	842
72	スロバキア	ヨーロッパ	800
73	クウェート	アジア	582
74	ケニア	アフリカ	410
75	ジンバブエ	アフリカ	229
76	ルクセンブルク	ヨーロッパ	10
77	マラウイ	アフリカ	2
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2018年のイチゴ生産量ランキングでは、中国が世界市場をリードしていることが明らかになりました。同国は約306万トンもの収穫量を達成しており、その規模は2位のアメリカ合衆国の3倍近くにも及びます。中国はその広大な領土と多様な気候帯のおかげで、イチゴ栽培に適した環境を持ち、さらに設備投資や農業技術の向上を積極的に進めている点が、この生産量を支えています。一方、アメリカ合衆国は約118万トンで世界2位に位置し、特にカリフォルニア州などの地域が中心となって、効率的な大規模農業が行われています。この生産力により、同国は世界的な輸出市場でも重要な役割を果たしています。

メキシコは3位にランクインし、生産量約65万トンを記録しており、イチゴ輸出国としても顕著な成長を見せています。特にアメリカ市場向けの輸出が重要であり、この点で地理的な近接性が強みとなっています。エジプト（445,106トン）やトルコ（440,968トン）といった他の上位国々は、中東やアフリカ地域の需要と輸出市場を基盤として地位を確立しています。

日本は約16万トンの生産量で11位に位置しており、数量的には上位10カ国と比べて少ないのが現状です。ただし、日本は品質の高さやブランド化に強みを持ち、大粒で甘みの強い品種の開発と市場投入を進めています。このように、国内市場のニーズに対応した差別化戦略を採ることで、国内外の競争で存在感を発揮しています。

世界のイチゴ生産には地域ごとの課題が多々存在しています。例えば、ヨーロッパではスペインやポーランドが主要産地ですが、気候変動に伴う異常気象が収穫量に影響を与えることが懸念されています。また、労働力不足や輸送コストの高騰も課題として挙げられます。同様に、エジプトやトルコでは水資源の確保が重要な問題となっており、特に農業用水の管理が長期的な安定供給のカギとなっています。

さらに、地政学的なリスクも無視できません。たとえば、ロシアやウクライナのような国々では、地域紛争や制裁措置が農業や輸出市場に直接的な影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクは、生産国や取引先国の市場環境を変化させる要因となります。

未来への対策としては、まず農業技術のさらなる向上と持続可能な灌漑システムの導入が重要です。また、各国間の協力枠組みの構築により、生産から流通までの効率化を図る取り組みが求められます。特に、日本などの高品質なイチゴを生産する国々は、国際競争力を高めるために海外市場の開拓に向けたマーケティング活動を強化すべきです。その一方で、中東やアフリカにおいては、水資源管理や砂漠化対策といった基盤整備が必要となるでしょう。

結論として、2018年のイチゴ生産量ランキングには、各国の気候、生産環境、経済戦略が反映されています。持続可能な農業と国際協力が進展することで、生産国はそれぞれの強みを活かしつつ、課題解決に向けた道を拓くことが期待されます。国際連合や地域機関による支援体制の充実も、未来の安定的なイチゴ生産に繋がるでしょう。