世界のイチゴ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2007年度のイチゴ生産量ランキングによると、中国が1,697,700トンで1位、アメリカ合衆国が1,109,215トンで2位、スペインが269,139トンで3位でした。日本は191,400トンで7位に位置しています。上位2国で世界全体の生産量を大きく占めており、特に中国は圧倒的なシェアを持っています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	1,697,700
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,109,215
3	スペイン	ヨーロッパ	269,139
4	トルコ	アジア	250,916
5	ロシア連邦	ヨーロッパ	230,400
6	大韓民国	アジア	203,227
7	日本	アジア	191,400
8	メキシコ	南アメリカ	176,396
9	エジプト	アフリカ	174,414
10	イタリア	ヨーロッパ	160,558
11	ドイツ	ヨーロッパ	158,658
12	ポーランド	ヨーロッパ	147,730
13	ブラジル	南アメリカ	124,675
14	モロッコ	アフリカ	120,000
15	イギリス	ヨーロッパ	92,100
16	フランス	ヨーロッパ	44,713
17	イラン（イスラム共和国）	アジア	43,637
18	オランダ	ヨーロッパ	43,000
19	ベラルーシ	ヨーロッパ	41,800
20	ベルギー	ヨーロッパ	41,000
21	コロンビア	南アメリカ	40,710
22	ウクライナ	ヨーロッパ	40,700
23	チリ	南アメリカ	40,000
24	セルビア	ヨーロッパ	33,129
25	オーストラリア	オセアニア	28,559
26	カナダ	北アメリカ	23,902
27	イスラエル	アジア	19,528
28	ルーマニア	ヨーロッパ	16,496
29	オーストリア	ヨーロッパ	14,612
30	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	13,699
31	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	13,344
32	ペルー	南アメリカ	12,607
33	スウェーデン	ヨーロッパ	11,800
34	アルゼンチン	南アメリカ	11,486
35	グアテマラ	南アメリカ	10,342
36	フィンランド	ヨーロッパ	9,697
37	ギリシャ	ヨーロッパ	9,419
38	ノルウェー	ヨーロッパ	9,127
39	チュニジア	アフリカ	7,900
40	スイス	ヨーロッパ	7,798
41	中国、台湾 中国省	アジア	6,096
42	デンマーク	ヨーロッパ	6,000
43	ブルガリア	ヨーロッパ	5,964
44	カザフスタン	アジア	5,890
45	リトアニア	ヨーロッパ	5,063
46	ウズベキスタン	アジア	5,000
47	ニュージーランド	オセアニア	5,000
48	南アフリカ	アフリカ	4,985
49	ハンガリー	ヨーロッパ	4,616
50	アイルランド	ヨーロッパ	4,100
51	パレスチナ国	アジア	4,000
52	パラグアイ	南アメリカ	3,500
53	レバノン	アジア	2,600
54	ポルトガル	ヨーロッパ	2,600
55	北マケドニア	ヨーロッパ	2,600
56	チェコ	ヨーロッパ	2,583
57	コスタリカ	南アメリカ	1,900
58	キプロス	アジア	1,867
59	スロベニア	ヨーロッパ	1,762
60	エクアドル	南アメリカ	1,750
61	キルギスタン	アジア	1,600
62	エストニア	ヨーロッパ	1,500
63	ラトビア	ヨーロッパ	1,446
64	クロアチア	ヨーロッパ	1,171
65	グルジア	アジア	1,000
66	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	936
67	ヨルダン	アジア	783
68	スロバキア	ヨーロッパ	587
69	モルドバ共和国	ヨーロッパ	498
70	フィリピン	アジア	484
71	マルタ	ヨーロッパ	393
72	ケニア	アフリカ	234
73	ジンバブエ	アフリカ	217
74	クウェート	アジア	125
75	ルクセンブルク	ヨーロッパ	23
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2007年、世界のイチゴ生産の分布を見ると、中国が他国を大きく引き離してトップに立ち、総生産量は1,697,700トンに及びました。これは全世界のイチゴ生産量の約31%を占める数値です。一方、2位のアメリカ合衆国は約18%のシェアで、主要な輸出国としても知られています。3位のスペインや4位のトルコも、それぞれの地域においてヨーロッパおよび中東の需要を支える重要な生産国です。

日本はこのランキングで191,400トンを生産し、7位に位置しています。国内での高い需要を背景にイチゴの品質や品種改良に力を入れており、生産量自体も安定しているものの、輸出においては依然として課題を抱えています。これは主に高コストや国際競争力の不足が影響しています。韓国（6位）や中国と比較すると、日本の生産量はやや少なめですが、品種のブランド価値や国内市場の高価格帯での消費が特徴的です。

興味深いのは、上位2国である中国とアメリカ合衆国が、異なる生産モデルを採用していることです。例えば、中国では農村部での広範な生産が進められており、地域に密着した農業振興政策をとっています。一方、アメリカでは大規模な機械化農場が中心であり、効率重視の生産体制が取られています。また、ヨーロッパ諸国の中ではスペイン、イタリア、ドイツといった国々が安定した生産量を維持しており、特にスペインは熟練した輸出戦略で収益性を高めています。

課題として考えられるのは、生産量が多い国々が地球温暖化や水不足といった環境問題によるリスクに直面している点です。とりわけ、イチゴの大規模生産には豊富な水資源が必要であり、多くの地域で資源の管理が試されています。中国やインドなどの新興経済国では、都市化の影響で農地が減少する傾向にもあります。また、トルコや中東諸国の一部では、地政学的リスクが輸出市場に与える不安材料となっています。

さらなる未来への提言として、各国政府や農業セクター間で協力を行い、持続可能な生産技術を普及させることが重要です。例えば、天候変動に適応した温室技術や、灌漑効率を高めるスマート農業の導入を進めることが有効でしょう。日本においては、高品質なブランド価値をさらに高めるとともに、輸出障壁を低減するための国際協力や物流コスト削減の取り組みが求められます。併せて、開発途上地域への技術提供を通じて、生産効率を向上させる取り組みも国際的に期待されます。

全体として、中国とアメリカの生産量が群を抜いて多い状況ですが、他国の多様な戦略の模索も見られます。国際市場におけるイチゴ需要の高まりを背景に、各国がどのように持続可能な生産体制を構築し、競争力を強化していくかが鍵となるでしょう。