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グアテマラの羊肉生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関の最新データによると、グアテマラの羊肉生産量は1961年の3,045トンをピークに1960年代後半から1980年代にかけて減少傾向を示し、その後、2000年代以降は比較的緩やかな回復傾向にあります。ただし、近年の羊肉生産量は2000トン前後で推移し、大きな成長を見せていません。このデータは、国内の肉類需要や農業政策の変化に密接に関連していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 2,024
-0.55% ↓
2022年 2,035
0.4% ↑
2021年 2,027
0.41% ↑
2020年 2,018
0.23% ↑
2019年 2,014
2.41% ↑
2018年 1,966
-3.12% ↓
2017年 2,030
-0.88% ↓
2016年 2,048
1.86% ↑
2015年 2,010
1.6% ↑
2014年 1,979
-0.11% ↓
2013年 1,981
1.43% ↑
2012年 1,953
1.11% ↑
2011年 1,931
0.37% ↑
2010年 1,924
0.54% ↑
2009年 1,914
0.7% ↑
2008年 1,901
0.27% ↑
2007年 1,895
0.43% ↑
2006年 1,887
12.09% ↑
2005年 1,684
22.89% ↑
2004年 1,370
0.03% ↑
2003年 1,370
-18.33% ↓
2002年 1,677
-13.92% ↓
2001年 1,948
138.82% ↑
2000年 816
-26.23% ↓
1999年 1,106
-18.73% ↓
1998年 1,361
-15.77% ↓
1997年 1,615
-13.85% ↓
1996年 1,875
5.06% ↑
1995年 1,785
5.02% ↑
1994年 1,699
13.66% ↑
1993年 1,495
2.35% ↑
1992年 1,461
-1.87% ↓
1991年 1,489
-26.48% ↓
1990年 2,025
2.27% ↑
1989年 1,980
-1.49% ↓
1988年 2,010
6.35% ↑
1987年 1,890
-10.64% ↓
1986年 2,115
6.02% ↑
1985年 1,995
19.82% ↑
1984年 1,665 -
1983年 1,665
6.73% ↑
1982年 1,560
4% ↑
1981年 1,500
-29.08% ↓
1980年 2,115
-25.79% ↓
1979年 2,850 -
1978年 2,850
-2.56% ↓
1977年 2,925
7.73% ↑
1976年 2,715
3.43% ↑
1975年 2,625
-3.31% ↓
1974年 2,715
-2.16% ↓
1973年 2,775
8.82% ↑
1972年 2,550
-5.97% ↓
1971年 2,712
-2.27% ↓
1970年 2,775
12.05% ↑
1969年 2,477
-2.54% ↓
1968年 2,541
-10.61% ↓
1967年 2,843
20.09% ↑
1966年 2,367
-43.64% ↓
1965年 4,200
24.72% ↑
1964年 3,368
6.55% ↑
1963年 3,161
-11.36% ↓
1962年 3,566
17.09% ↑
1961年 3,045 -

グアテマラの羊肉生産量の変遷を見ると、1961年に記録された3,045トンを基準に、以降の数十年にわたり大きな変動が見られます。1960年代初頭にはすでに高い生産レベルを保っていましたが、1966年以降に急速に低下し、その後は数十年間にわたり減少から横ばいの動きが続きました。例えば1981年にはたったの1,500トンにまで落ち込み、その当時の最低記録となりました。この長期的な減少の背景には、羊肉に対する国内需要の減少、養羊業の投資の減少、さらには他の農業生産活動への移行があると考えられます。特に農村部での経済的困難や内戦による地政学的要因も影響を与えた可能性があります。

1990年代以降はやや生産量が回復し始めましたが、2000トン未満の状態が続きました。その後、2006年には1,887トンに達し、2015年以降は2000トン前後で安定する動きが見られます。これは、国内の農業政策の変化や、食肉市場の需給バランスの影響と考えられます。特にグアテマラは経済的にトウモロコシやコーヒーといった他の農産物の生産に注力しており、羊肉生産が主要なセクターではなくなりつつあることがこの動きに反映されている可能性があります。

一方で、2020年以降新型コロナウイルスの影響も見逃せません。感染症の拡大により、特に農業部門では労働力不足や供給網の混乱が発生しました。ただし、この影響は結果として羊肉生産量に顕著な急減を引き起こすわけではなく、2020年以降もゆるやかに2000トン前後で安定していることから、現地の生産体制がパンデミックの悪影響を最小限に抑えた可能性があります。

課題としては、まず国内の羊飼育数や技術的な効率性が依然として低く、これが生産量の伸び悩みにつながっている点を挙げられます。また、現在の国内消費の多様性に対応しきれておらず、需要喚起を図るためのマーケティング戦略や品質改善といった追加の投資が必要です。さらに、継続的な気候変動のリスクも無視できません。気象条件の変動が放牧地や飼料生産に悪影響を及ぼし、長期的な規模での生産維持を困難にさせる可能性があります。

今後の対策としては、羊肉生産向上のための持続可能な農業政策の推進が重要です。この中には、牧場管理技術の改善を目的とした地域トレーニングプログラムの実施や、政府の補助金を用いた若年層の羊牧業への参入支援が考えられます。また、近隣諸国と協力した羊肉市場の統合や、輸出向けの品質管理の強化を試みることで、国際市場へのアクセスを広げるチャンスもあります。

結論として、グアテマラの羊肉生産は過去数十年で多くの課題と減少に直面しながらも、近年は安定した数値となっています。しかし、地場産業としての振興や気候変動への対応、さらには国内外の市場需要への柔軟な対応が今後も不可欠です。国際的な協力や技術移転も含め、多面的な取り組みを通じて、持続可能な成長を目指せることが期待されます。