Skip to main content

グアテマラのニンニク生産量推移(1961年~2023年)

2024年7月に更新されたFAO(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、グアテマラにおけるニンニク生産量は、1961年の3,400トンから近年にかけて大幅に増加し、2023年には30,254トンに達しました。特に2002年以降、生産量は急激に増加する傾向を示しており、現在では年間約30,000トン台で安定しています。このデータからは、農業技術や市場需要の変化が生産量に与えた影響が読み取れます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 30,254
0.92% ↑
2022年 29,978
0.09% ↑
2021年 29,951
0.45% ↑
2020年 29,817
-1.16% ↓
2019年 30,167
1% ↑
2018年 29,868
1.53% ↑
2017年 29,417
-5.76% ↓
2016年 31,216
6.15% ↑
2015年 29,406
6.44% ↑
2014年 27,628
-12.01% ↓
2013年 31,399
2.68% ↑
2012年 30,578
0.93% ↑
2011年 30,295
3.95% ↑
2010年 29,143
-1.15% ↓
2009年 29,484
60.1% ↑
2008年 18,416
11.54% ↑
2007年 16,511 -
2006年 16,511
12% ↑
2005年 14,742
8.33% ↑
2004年 13,608
-40% ↓
2003年 22,680
80.41% ↑
2002年 12,571
128.56% ↑
2001年 5,500
10.22% ↑
2000年 4,990
-1.77% ↓
1999年 5,080
3.69% ↑
1998年 4,899
1.43% ↑
1997年 4,830
-25.69% ↓
1996年 6,500
1.44% ↑
1995年 6,408
2.6% ↑
1994年 6,246
-3.17% ↓
1993年 6,450
-1.03% ↓
1992年 6,517
12.7% ↑
1991年 5,782
-9.65% ↓
1990年 6,400
1.59% ↑
1989年 6,300 -
1988年 6,300
1.61% ↑
1987年 6,200 -
1986年 6,200
1.64% ↑
1985年 6,100 -
1984年 6,100
1.67% ↑
1983年 6,000 -
1982年 6,000 -
1981年 6,000
3.45% ↑
1980年 5,800
3.57% ↑
1979年 5,600
7.69% ↑
1978年 5,200
8.33% ↑
1977年 4,800
9.09% ↑
1976年 4,400
4.76% ↑
1975年 4,200
5% ↑
1974年 4,000
8.11% ↑
1973年 3,700
5.71% ↑
1972年 3,500
8.7% ↑
1971年 3,220
7.69% ↑
1970年 2,990
16.07% ↑
1969年 2,576
9.62% ↑
1968年 2,350
15.59% ↑
1967年 2,033
-44.67% ↓
1966年 3,674
1.24% ↑
1965年 3,629
3.69% ↑
1964年 3,500
2.94% ↑
1963年 3,400 -
1962年 3,400 -
1961年 3,400 -

グアテマラのニンニク生産量は、1960年代には年平均3,500トン前後で推移していましたが、1970年代以降、緩やかな増加を見せ始めました。1980年代になると、従来より約6,000トンと小規模ではあるものの増加傾向が顕著になり、グアテマラの農業生産の多様化の一環としてニンニク栽培が拡大していったことがわかります。しかし、1990年代後半には、政治的・経済的な要因、及び市場競争の圧力を背景に生産量が一時停滞し、約4,800~6,400トンで推移しました。

2000年代に入ると、グアテマラのニンニク生産は劇的な変化を遂げました。特に2002年には12,571トン、2003年には22,680トンと、前年に比べて約1.8倍増の急上昇を記録しました。この期間の急激な増加の背景には、地元の農業支援政策、輸出市場の拡大、農業技術の向上、そして中国やインドなどの主要輸出市場との競争を背景とした国内農業の強化が挙げられます。これにより、グアテマラ国内のニンニク栽培面積が増加し、農家の収益性が高まったと推察されます。

しかし、注意が必要なのは、2004年以降、安定した増加を見せていた生産量の成長率が鈍化し、2014年以降は30,000トン前後の水準で横ばい傾向が続いています。これは国内需要の拡大に対する供給の限界や、グローバル市場での競争激化、中国をはじめとする大規模生産国からの輸入品との価格差が影響した可能性があります。この間、生産コストの上昇も農家にとっての負担となり、生産性向上には更なる支援が必要だと考えられます。

また、地政学的背景や環境リスクについても留意が必要です。特に気候変動の影響による自然災害(例えば干ばつや豪雨)は作物生産の不安定さをもたらし得ます。さらに、コロナ禍では国際的な流通の停滞が生産と輸出に一定の影響を及ぼしており、パンデミックの再発時に類似の影響を受ける可能性があります。

今後の課題としては、まず国内農業の技術革新をより一層促進することが挙げられます。例えば、耐気候変動性の高い品種の開発や、近代農法の導入がその具体策です。また、輸出市場のさらなる開拓も重要であり、競争力を保つために高品質なニンニクの生産、および加工輸出品の多様化が求められるでしょう。さらに、農業従事者への教育や支援を強化し、生産コストの削減と収入向上を図ることが長期的持続可能性につながります。

結論として、グアテマラのニンニク生産は、言及された課題に取り組むことで、将来的にさらに安定的かつ持続可能な成長を遂げる可能性があります。加えて、国際協力を活用し、新興市場の開拓や統合的な気候変動対策を進めることも重要な選択肢となるでしょう。このような取り組みは、グアテマラ国内の農業セクター全体の発展にも寄与することが期待されます。

キーワード検索