グアテマラのレモン・ライム生産量は、1980年代から2023年までの長期的なトレンドとして増加傾向を示しています。1980年には65,000トンだった生産量が2022年には133,862トンと、約2倍の成長を遂げています。しかし、特定の年には大幅な減少が確認されることもあり、とくに2003年の98,897トンなどの数値が目立ちます。直近の2023年には生産量が132,029トンと、前年の水準とほぼ同じ状態で、近年は比較的安定した値を維持しています。
グアテマラのレモン・ライム生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 132,029 |
-1.37% ↓
|
2022年 | 133,862 |
0.87% ↑
|
2021年 | 132,702 |
0.88% ↑
|
2020年 | 131,543 |
2.01% ↑
|
2019年 | 128,948 |
1.04% ↑
|
2018年 | 127,621 |
-3.12% ↓
|
2017年 | 131,731 |
-3.01% ↓
|
2016年 | 135,824 |
8.48% ↑
|
2015年 | 125,210 |
2.66% ↑
|
2014年 | 121,971 |
2.13% ↑
|
2013年 | 119,431 |
1.85% ↑
|
2012年 | 117,266 |
-2.87% ↓
|
2011年 | 120,735 |
3.78% ↑
|
2010年 | 116,334 |
4.68% ↑
|
2009年 | 111,130 |
3.16% ↑
|
2008年 | 107,728 |
5.56% ↑
|
2007年 | 102,058 |
0.3% ↑
|
2006年 | 101,750 |
-17.57% ↓
|
2005年 | 123,441 |
19.62% ↑
|
2004年 | 103,193 |
4.34% ↑
|
2003年 | 98,897 |
-30.78% ↓
|
2002年 | 142,877 |
9.26% ↑
|
2001年 | 130,762 |
1.9% ↑
|
2000年 | 128,321 |
1% ↑
|
1999年 | 127,051 |
-1.71% ↓
|
1998年 | 129,260 |
0.36% ↑
|
1997年 | 128,800 |
4.4% ↑
|
1996年 | 123,377 |
0.37% ↑
|
1995年 | 122,923 |
0.47% ↑
|
1994年 | 122,347 | - |
1993年 | 122,347 | - |
1992年 | 122,347 |
2.48% ↑
|
1991年 | 119,385 |
1.23% ↑
|
1990年 | 117,934 | - |
1989年 | 117,934 |
2.36% ↑
|
1988年 | 115,212 |
5.64% ↑
|
1987年 | 109,061 |
9.06% ↑
|
1986年 | 100,000 |
11.11% ↑
|
1985年 | 90,000 |
5.88% ↑
|
1984年 | 85,000 |
6.25% ↑
|
1983年 | 80,000 |
6.67% ↑
|
1982年 | 75,000 |
7.14% ↑
|
1981年 | 70,000 |
7.69% ↑
|
1980年 | 65,000 | - |
グアテマラのレモン・ライム生産量推移を見てみると、この国が農業大国として果樹栽培の重要な位置を占めていることがわかります。1980年代初頭の生産量は65,000トンでしたが、以降、1980年代後半には109,000トンを超え、1990年代にかけて安定した増加傾向を維持しました。この間の成長は、国内での農業技術の進歩や輸出需要の増加によるものと考えられます。
2000年代に入ると2002年に142,877トンに達したものの、次の年に98,897トンに急減する現象が見られます。このような大幅な減少は、気候条件や地域的な災害、または市場動向による影響が考えられます。グアテマラでは、気候変動が農業に大きな影響を与えており、異常気象がこうした減少の要因になることが多いことが他のデータからも示唆されています。その後の数年間は、100,000トン前後で推移する時期が続きましたが、2010年以降は再び120,000トンを超える水準で安定的に生産されています。
直近20年のデータでは、生産量の伸びが鈍化してきている点も指摘すべき点です。2016年には一時135,824トンという高水準に達しましたが、2023年には132,029トンとそれに若干届かない形です。これは、グアテマラ国内でのレモン・ライム産業の安定期を示している一方で、持続可能な生産技術や新たな市場開拓の必要性も浮き彫りにしています。
グアテマラの農業生産は、中米地域全体の経済や食料事情において大きな役割を果たしていますが、社会的・経済的課題も無視することはできません。一例として、急速な都市化や農地の縮小、経済的不平等などが農業に影響を与えています。また気候変動による干ばつや洪水などのリスクも見逃せません。国連食糧農業機関(FAO)のデータは、こうした気候リスクを軽減するための具体的な施策を取る必要性を示唆しています。
地政学的な観点から見ても、輸出市場への依存が高いグアテマラのレモン・ライム産業は、国際的な需要変動や貿易ルールの変更に対する脆弱性を持っています。特に、主要な輸出先であるアメリカなど先進国市場の健康志向や貿易政策の変化は、資料的にも注目すべき点です。例えば、近年ではレモンやライムの需要が安定している一方で、オーガニック生産が市場に求められる動向が見られています。
これらの歴史的な推移と現状を踏まえ、今後の課題と対策として、より持続可能な農業技術の導入や灌漑インフラの整備、そして現地農業従事者の教育を強化することが重要です。さらに、地域間の協力や市場調査を通じて輸出先を多様化させ、国際競争力を高める必要があります。これに加えて、気候変動適応策として、気象データの収集や分析に基づく農業計画の策定も緊急の課題です。
このように、グアテマラのレモン・ライム産業がさらなる成長を遂げるためには、単なる量的な増産だけでなく、質的な発展と持続可能性を重視した政策や取り組みが求められています。その結果、国内はもちろん、世界の消費者にとっても魅力的な農産物供給国としての地位が確固たるものとなるでしょう。