1983年における世界の大豆生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国で44,518,400トン、2位のブラジルが14,582,347トン、3位の中国が9,760,000トンと続いています。これら上位3カ国は世界の大豆生産の大部分を占めており、アメリカ合衆国は突出して高い生産量を記録しています。他方、日本は13位で217,200トンと比較的低い生産量となっています。このデータは、世界の食糧需要や輸出構造、さらには農業政策の違いを知る手がかりとなります。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 44,518,400 |
| 2 |
|
南アメリカ | 14,582,347 |
| 3 |
|
アジア | 9,760,000 |
| 4 |
|
南アメリカ | 4,000,000 |
| 5 |
|
南アメリカ | 849,733 |
| 6 |
|
北アメリカ | 735,000 |
| 7 |
|
南アメリカ | 687,595 |
| 8 |
|
アジア | 614,300 |
| 9 |
|
アジア | 536,103 |
| 10 |
|
アジア | 380,000 |
| 11 |
|
ヨーロッパ | 258,813 |
| 12 |
|
アジア | 226,368 |
| 13 |
|
アジア | 217,200 |
| 14 |
|
アジア | 179,126 |
| 15 |
|
アフリカ | 162,000 |
| 16 |
|
アジア | 130,032 |
| 17 |
|
南アメリカ | 122,400 |
| 18 |
|
ヨーロッパ | 82,499 |
| 19 |
|
アフリカ | 80,626 |
| 20 |
|
アジア | 63,600 |
| 21 |
|
ヨーロッパ | 58,900 |
| 22 |
|
オセアニア | 53,217 |
| 23 |
|
南アメリカ | 51,852 |
| 24 |
|
ヨーロッパ | 51,667 |
| 25 |
|
アジア | 46,000 |
| 26 |
|
アフリカ | 42,000 |
| 27 |
|
アフリカ | 28,700 |
| 28 |
|
ヨーロッパ | 28,600 |
| 29 |
|
アジア | 20,582 |
| 30 |
|
南アメリカ | 14,074 |
| 31 |
|
南アメリカ | 11,914 |
| 32 |
|
アジア | 10,608 |
| 33 |
|
アジア | 8,592 |
| 34 |
|
アジア | 8,104 |
| 35 |
|
アフリカ | 7,952 |
| 36 |
|
アフリカ | 7,000 |
| 37 |
|
ヨーロッパ | 7,000 |
| 38 |
|
アフリカ | 5,200 |
| 39 |
|
アジア | 5,000 |
| 40 |
|
南アメリカ | 5,000 |
| 41 |
|
アフリカ | 4,500 |
| 42 |
|
アジア | 3,537 |
| 43 |
|
南アメリカ | 2,399 |
| 44 |
|
ヨーロッパ | 2,108 |
| 45 |
|
アフリカ | 2,100 |
| 46 |
|
アジア | 2,100 |
| 47 |
|
南アメリカ | 2,000 |
| 48 |
|
アフリカ | 2,000 |
| 49 |
|
アジア | 2,000 |
| 50 |
|
南アメリカ | 1,967 |
| 51 |
|
アジア | 1,600 |
| 52 |
|
アジア | 1,350 |
| 53 |
|
アジア | 1,000 |
| 54 |
|
南アメリカ | 800 |
| 55 |
|
アフリカ | 800 |
| 56 |
|
アフリカ | 600 |
| 57 |
|
アフリカ | 500 |
| 58 |
|
アフリカ | 500 |
| 59 |
|
アフリカ | 438 |
| 60 |
|
アフリカ | 400 |
| 61 |
|
アフリカ | 217 |
| 62 |
|
オセアニア | 180 |
| 63 |
|
アジア | 80 |
| 64 |
|
アフリカ | 50 |
| 65 |
|
南アメリカ | 15 |
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1983年度のデータから、大豆生産における国ごとの実態が明確になります。アメリカ合衆国が圧倒的な生産量を誇り、その規模感は2位のブラジルの約3倍、3位の中国の約4.5倍に達しています。このような結果は、アメリカ合衆国が広大な農地や進んだ農業技術を持ち、効率的な集約農業が実現していることを反映しています。さらに、世界的な大豆需要、とくに飼料や植物油の急増を背景に、大豆の主要な輸出国としての地位を固めています。
ブラジルと中国がそれに続いていますが、背景は異なります。ブラジルはアマゾン周辺の農地開発を進めつつも、違法伐採や環境破壊が懸念される中での拡大路線です。中国は国内向け需要が大きいため、生産量では世界3位であっても消費量を考慮すると輸入が必要な状況が続いています。このことから、中国は輸入依存の体質を克服するための国内生産の拡大や農業効率化が課題といえます。
アルゼンチンやパラグアイ、カナダなどの国々は一定の生産量を持ち、中南米では輸出を中心とした拡大政策が顕著ですが、地政学的リスクや気候変動の影響が今後の成長に障壁となる可能性があります。また、これらの国々では収益性の向上と持続可能性を両立させるための政策が求められています。
日本は13位で、他の上位国と比べると生産量は少ない状況です。日本では農地面積が限られており、農業政策は主に国内消費を優先した規模になっています。しかし、食料安全保障や自給率向上を考えると、大豆の品種改良や有機農法など効率的な技術導入を進めることが重要になります。また、日本の需要の多くは輸入に依存しており、ブラジルやアメリカ合衆国といった主要輸出国への依存度が非常に高い点も課題の一つです。
気候変動や地政学的影響も大豆生産の動向に影響を及ぼします。とくに、中南米地域での土地開発の進行や、アジア地域における農地減少は、グローバルな需給に影響を及ぼす可能性があります。また、世界経済の不安定化や地域間摩擦が生じた場合、大豆の輸出入におけるリスクはさらに高まります。これを受け、地域間協力を進める仕組みが今後必要とされます。
将来的には、持続可能な生産体制を確立しつつ、需給バランスを保つことが鍵となります。アメリカやブラジルなどの主要生産国には、環境配慮型農業への転換が求められます。一方で、日本のような生産国以外の国々にとっては、技術革新や地域間協力を基盤とした自給率の向上が喫緊の課題です。また、国際的な気候対策の枠組みの中で、農地拡大による森林破壊への対処を進めるべきです。
結論として、1983年の大豆生産量データは、全体の分布や背景事情から、食糧供給の地域差や課題を分かりやすく映し出しています。このデータをもとに、各国が協力して課題に取り組み、気候変動を考慮しながら供給の安定化を図る必要があります。また特に、日本を含む輸入依存国は、国内政策の見直しと輸入先の分散化を検討することが重要です。