1982年の大豆生産量ランキングによると、アメリカ合衆国が約5,961万トンで世界最大の生産国となり、ブラジル(1,283万トン)や中国(903万トン)が続いています。これら上位3カ国で世界総生産量の約8割を占めています。アジア地域における日本は約22万6千トンで13位にランクインしており、同地域の上位生産国である中国、インドに大きく差をつけられている点が際立っています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 59,611,104 |
| 2 |
|
南アメリカ | 12,836,047 |
| 3 |
|
アジア | 9,030,000 |
| 4 |
|
南アメリカ | 4,150,000 |
| 5 |
|
北アメリカ | 848,000 |
| 6 |
|
南アメリカ | 756,600 |
| 7 |
|
南アメリカ | 649,497 |
| 8 |
|
アジア | 521,394 |
| 9 |
|
アジア | 491,000 |
| 10 |
|
アジア | 360,000 |
| 11 |
|
ヨーロッパ | 300,679 |
| 12 |
|
アジア | 233,358 |
| 13 |
|
アジア | 226,300 |
| 14 |
|
アフリカ | 178,000 |
| 15 |
|
ヨーロッパ | 116,064 |
| 16 |
|
アジア | 113,392 |
| 17 |
|
アジア | 103,694 |
| 18 |
|
南アメリカ | 98,800 |
| 19 |
|
アフリカ | 91,596 |
| 20 |
|
南アメリカ | 86,305 |
| 21 |
|
アフリカ | 82,000 |
| 22 |
|
オセアニア | 77,089 |
| 23 |
|
アジア | 76,900 |
| 24 |
|
ヨーロッパ | 54,186 |
| 25 |
|
南アメリカ | 37,419 |
| 26 |
|
アジア | 36,000 |
| 27 |
|
南アメリカ | 28,000 |
| 28 |
|
アフリカ | 21,448 |
| 29 |
|
ヨーロッパ | 20,700 |
| 30 |
|
アジア | 19,271 |
| 31 |
|
アジア | 12,043 |
| 32 |
|
アジア | 11,467 |
| 33 |
|
アジア | 11,120 |
| 34 |
|
ヨーロッパ | 9,200 |
| 35 |
|
アフリカ | 8,600 |
| 36 |
|
南アメリカ | 8,122 |
| 37 |
|
アフリカ | 7,825 |
| 38 |
|
ヨーロッパ | 7,500 |
| 39 |
|
アフリカ | 7,304 |
| 40 |
|
アフリカ | 6,000 |
| 41 |
|
ヨーロッパ | 5,149 |
| 42 |
|
アジア | 5,000 |
| 43 |
|
アジア | 4,220 |
| 44 |
|
南アメリカ | 3,000 |
| 45 |
|
アフリカ | 2,000 |
| 46 |
|
アジア | 1,600 |
| 47 |
|
アジア | 1,535 |
| 48 |
|
アジア | 1,300 |
| 49 |
|
アジア | 1,000 |
| 50 |
|
南アメリカ | 1,000 |
| 51 |
|
南アメリカ | 1,000 |
| 52 |
|
アジア | 1,000 |
| 53 |
|
南アメリカ | 850 |
| 54 |
|
アフリカ | 800 |
| 55 |
|
アフリカ | 791 |
| 56 |
|
アフリカ | 400 |
| 57 |
|
アフリカ | 300 |
| 58 |
|
アフリカ | 200 |
| 59 |
|
アフリカ | 198 |
| 60 |
|
オセアニア | 160 |
| 61 |
|
アフリカ | 80 |
| 62 |
|
南アメリカ | 10 |
| 63 |
|
アジア | 5 |
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1982年、国際連合食糧農業機関(FAO)のデータによると、大豆生産量においてアメリカ合衆国が圧倒的なシェアを誇りました。アメリカの生産量5,961万トンは、2位のブラジルの約4.6倍という突出した数値であり、これはアメリカが広大な農地、高度な農業技術、および政策的支援を背景に大豆生産を成功させていることを示しています。2位のブラジル、3位の中国を含めた上位3カ国で世界の77%の生産を占めるという点から、世界の大豆市場がいかに特定地域に集中しているかが明らかです。
一方で、日本の1982年の大豆生産量は22万6千トンであり、13位にランクインしました。これは国内需要と比較すると非常に低い供給量であり、多くの大豆を輸入に依存してきたことを物語っています。同じアジア地域内の中国(903万トン)やインド(49万1千トン)と比べても日本の生産量は少なく、農業の規模や自然条件、耕地面積の違いが要因と考えられます。
また、地理的背景や政策の影響が生産量に大きな役割を果たしていることも注目に値します。アメリカ南部やブラジルの大豆生産地は、温暖な気候と豊かな降水量が適しており、これが高い生産量を可能にしています。一方で、アジアやアフリカの多くの国々では、経済の未発展、農業技術の不足、あるいは土地の利用効率の低さが足かせとなり、ランキング下位に留まっています。特に、アフリカでは内戦や政治的混乱が経済活動や農業生産へ深刻な影響を与えており、ジンバブエが約9万1千トンを生産する一方で、多くの国々が生産量1,000トン未満にとどまっています。
地政学的リスクや気候の変動も、当時の大豆生産に影響を与える潜在的課題として指摘されます。例えば、アマゾンを抱えるブラジルでは、土地利用の拡張が森林伐採などの環境問題を引き起こしていました。このような持続可能性の問題が、時間とともにより顕在化する可能性があります。
今後、日本をはじめとする輸入依存率の高い国々では、国内生産の強化や貿易政策の見直しが求められます。具体的には、国産大豆を育成するための補助金政策や、生産効率を高める最新技術の導入、さらには土地利用の改善を推進することが重要です。一方で、生産資源を豊富に持つ国々、特にアメリカやブラジルにおいては、環境保護の観点から持続可能な農業手法を取り入れることが急務と言えます。また、災害や異常気象のリスクを分散するため、各国間で協力し、大豆供給の多様化を図る国際的な枠組みを構築することも有効でしょう。
結論として、このデータは1982年当時の世界の大豆生産量の地理的集中や技術格差を明確に示しています。こうした現状に対応するためには、各国や地域が自国の生産資源を最大限活用しつつ、持続可能性と国際協力を重視する政策を採用することが必要です。大豆は食料や飼料、さらにはバイオ燃料の原料としても重要性を増しているため、これらの課題解決は国際社会全体にとって極めて重要なテーマです。