世界のイチゴ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国連食糧農業機関（FAO）のデータによれば、1993年度の世界全体におけるイチゴ生産量ランキングでは、アメリカ合衆国が656,620トンで第1位、中国が600,000トンで第2位、スペインが261,400トンで第3位、日本は207,400トンで第4位となっています。これら上位4カ国が総生産量の大部分を占め、その他の主要な生産国としてポーランド、イタリア、大韓民国などがランクインしています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	656,620
2	中国	アジア	600,000
3	スペイン	ヨーロッパ	261,400
4	日本	アジア	207,400
5	ポーランド	ヨーロッパ	199,979
6	イタリア	ヨーロッパ	194,325
7	大韓民国	アジア	137,351
8	ロシア連邦	ヨーロッパ	110,000
9	ブラジル	南アメリカ	99,570
10	メキシコ	南アメリカ	94,657
11	フランス	ヨーロッパ	76,230
12	トルコ	アジア	60,000
13	イギリス	ヨーロッパ	58,714
14	ドイツ	ヨーロッパ	58,505
15	カナダ	北アメリカ	29,734
16	オランダ	ヨーロッパ	29,100
17	ウクライナ	ヨーロッパ	27,137
18	ベラルーシ	ヨーロッパ	27,000
19	エジプト	アフリカ	25,000
20	ノルウェー	ヨーロッパ	19,070
21	チェコ	ヨーロッパ	16,787
22	ギリシャ	ヨーロッパ	15,914
23	コロンビア	南アメリカ	14,000
24	イスラエル	アジア	12,820
25	ハンガリー	ヨーロッパ	12,025
26	ラトビア	ヨーロッパ	12,000
27	チリ	南アメリカ	12,000
28	スウェーデン	ヨーロッパ	11,100
29	オーストリア	ヨーロッパ	9,612
30	デンマーク	ヨーロッパ	9,000
31	レバノン	アジア	8,900
32	イラン（イスラム共和国）	アジア	8,842
33	フィンランド	ヨーロッパ	8,715
34	アルゼンチン	南アメリカ	8,000
35	スイス	ヨーロッパ	7,899
36	ペルー	南アメリカ	7,796
37	オーストラリア	オセアニア	7,603
38	ルーマニア	ヨーロッパ	7,272
39	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	6,000
40	モロッコ	アフリカ	6,000
41	スロバキア	ヨーロッパ	5,434
42	ブルガリア	ヨーロッパ	5,423
43	中国、台湾 中国省	アジア	5,016
44	アイルランド	ヨーロッパ	4,100
45	南アフリカ	アフリカ	3,983
46	ニュージーランド	オセアニア	3,650
47	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	3,526
48	グアテマラ	南アメリカ	3,427
49	カザフスタン	アジア	3,200
50	北マケドニア	ヨーロッパ	2,933
51	フィリピン	アジア	2,547
52	ポルトガル	ヨーロッパ	2,500
53	エクアドル	南アメリカ	2,243
54	パラグアイ	南アメリカ	2,140
55	モルドバ共和国	ヨーロッパ	1,500
56	スロベニア	ヨーロッパ	1,452
57	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	1,260
58	クロアチア	ヨーロッパ	1,040
59	コスタリカ	南アメリカ	1,000
60	ウズベキスタン	アジア	922
61	エストニア	ヨーロッパ	849
62	チュニジア	アフリカ	800
63	レユニオン	アフリカ	786
64	キプロス	アジア	700
65	キルギスタン	アジア	550
66	ヨルダン	アジア	445
67	ケニア	アフリカ	249
68	ジンバブエ	アフリカ	200
69	クウェート	アジア	133
+ すべての国を見る

1993年度における世界のイチゴ生産量ランキングは、地域の気候条件、農業技術の進展、そして経済発展状況を強く反映しています。トップのアメリカ合衆国は、カリフォルニア州を中心とした生産活動が盛んであり、灌漑技術や生産管理の現代化、さらに市場規模の大きさが高い生産量に寄与しています。中国は600,000トンの生産量で第2位となっており、広大な農地と気候条件の多様性を活用した農業政策が功を奏している形です。ヨーロッパからはスペインが第3位に位置し、高収益の輸出産業としての戦略的な作物生産が特徴です。

日本は第4位で207,400トンの生産量を記録しており、農業技術の高度化や品質重視の生産方法がイチゴ栽培における競争優位性を維持しています。ただし、日本の農地面積の制約や生産コストの高さが、さらなる成長の妨げになり得る課題として浮き彫りになります。特に他のアジア諸国と比較した場合、日本の生産量は韓国（137,351トン）を大きく上回るものの、地域全体における輸出競争力の課題も考慮する必要があります。

一方、ポーランド（199,979トン）やイタリア（194,325トン）などのヨーロッパ諸国は、国内需要に加え、域内貿易への依存度が高い点が特徴です。これらの国々では、気候変動の影響や欧州連合内の農業支援政策が生産量を左右する要因となっています。

また、1993年度の生産量ランキングを分析すると、地域格差が顕著に現れています。南北アメリカ、ヨーロッパ、アジアに集中した生産量に対し、アフリカや中東地域ではイチゴの生産量が低水準にとどまっています。ケニア（249トン）やジンバブエ（200トン）といった低生産量の国々では、気候条件や農業インフラの未整備が影響していると考えられます。

未来に向けた課題として、温暖化や異常気象の進行によりイチゴ栽培に適した気候帯が移動する可能性があります。このことは、日本やヨーロッパ諸国のような安定した農業技術の確立された地域にとっても、気候変動リスクに備えた作物多様化や品種改良が重要となるでしょう。特に、耐熱性や病害抵抗性を持つ品種の開発に投資することが、こうしたリスクへの有効な対策となります。

また、市場競争が激しいなかで、日本をはじめとする高コスト地域では、付加価値の高い品種や加工食品の生産を成長戦略の一環として採用することが重要です。これに加え、生産性向上と持続可能な農業を同時に追求するための技術革新と政策支援が求められます。さらに、国際的な協力体制を強化し、例えばアジア諸国間での農業技術の共有や共同研究などを進めることで、地域全体の農業セクター振興につながります。

結論として、1993年度のイチゴ生産量データは、農業生産が単に気候や土地条件だけでなく、技術、政策、そして国際的な経済動向によって複雑に影響を受けていることを示しています。特に気候変動リスクへの対応や、持続可能な成長を目指した地域間協力が今後の主要な課題となるでしょう。