1981年の大豆生産量において、アメリカ合衆国は約5,443万6000トンで世界一の生産量を誇りました。2位にはブラジル(約1500万7367トン)、3位には中国(約932万5000トン)が続いています。主に北米、南米、そしてアジア地域がランキング上位を占めており、日本は13位で約21万1700トンの生産量を記録しました。アメリカと2位のブラジルとの生産量の差は著しく、アメリカが世界の大豆市場を主導している様子が数値を通じて明確に見て取れます。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 54,436,000 |
| 2 |
|
南アメリカ | 15,007,367 |
| 3 |
|
アジア | 9,325,000 |
| 4 |
|
南アメリカ | 3,770,000 |
| 5 |
|
南アメリカ | 761,200 |
| 6 |
|
南アメリカ | 706,697 |
| 7 |
|
アジア | 703,811 |
| 8 |
|
北アメリカ | 606,800 |
| 9 |
|
アジア | 352,000 |
| 10 |
|
アジア | 350,000 |
| 11 |
|
ヨーロッパ | 268,179 |
| 12 |
|
アジア | 256,851 |
| 13 |
|
アジア | 211,700 |
| 14 |
|
アジア | 131,527 |
| 15 |
|
アフリカ | 130,360 |
| 16 |
|
ヨーロッパ | 105,056 |
| 17 |
|
南アメリカ | 89,000 |
| 18 |
|
アフリカ | 78,000 |
| 19 |
|
オセアニア | 73,181 |
| 20 |
|
アフリカ | 72,881 |
| 21 |
|
アジア | 62,002 |
| 22 |
|
南アメリカ | 57,980 |
| 23 |
|
アジア | 55,000 |
| 24 |
|
南アメリカ | 50,000 |
| 25 |
|
ヨーロッパ | 42,783 |
| 26 |
|
南アメリカ | 33,184 |
| 27 |
|
アフリカ | 27,600 |
| 28 |
|
ヨーロッパ | 19,000 |
| 29 |
|
アジア | 17,212 |
| 30 |
|
アジア | 15,883 |
| 31 |
|
アジア | 15,000 |
| 32 |
|
南アメリカ | 14,560 |
| 33 |
|
アジア | 10,057 |
| 34 |
|
アフリカ | 8,300 |
| 35 |
|
ヨーロッパ | 6,500 |
| 36 |
|
アフリカ | 6,365 |
| 37 |
|
ヨーロッパ | 6,253 |
| 38 |
|
アフリカ | 5,000 |
| 39 |
|
アジア | 5,000 |
| 40 |
|
アジア | 3,900 |
| 41 |
|
アフリカ | 3,673 |
| 42 |
|
アジア | 2,388 |
| 43 |
|
南アメリカ | 2,000 |
| 44 |
|
アジア | 2,000 |
| 45 |
|
アフリカ | 1,903 |
| 46 |
|
アフリカ | 1,900 |
| 47 |
|
アジア | 1,600 |
| 48 |
|
アジア | 1,342 |
| 49 |
|
アフリカ | 1,080 |
| 50 |
|
アジア | 1,000 |
| 51 |
|
南アメリカ | 1,000 |
| 52 |
|
アジア | 900 |
| 53 |
|
南アメリカ | 900 |
| 54 |
|
ヨーロッパ | 880 |
| 55 |
|
アフリカ | 800 |
| 56 |
|
アフリカ | 800 |
| 57 |
|
アフリカ | 500 |
| 58 |
|
オセアニア | 300 |
| 59 |
|
アフリカ | 200 |
| 60 |
|
アジア | 100 |
| 61 |
|
アフリカ | 75 |
| 62 |
|
南アメリカ | 20 |
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1981年の大豆生産量ランキングを見ると、アメリカ合衆国が圧倒的な量で生産を主導していることがわかります。この生産量は、全世界の8割以上の大豆生産量を占める北米と南米地域の中でも際立っており、大豆がアメリカの主力農産品であることを示しています。アメリカの中西部が「Soybean Belt(大豆地帯)」と呼ばれるほど、気候や土壌が大豆栽培に適している点が、その背景となっています。2位のブラジルは、生産量でアメリカには大きく引き離されているものの、1981年時点でその市場シェアを拡大させつつありました。これには、適した自然条件に加え、農業機械化や大規模農園の導入が進んでいる点が影響しています。
中国は3位にランクインしていますが、内需優先型の生産体制を採っていたため、当時の生産量はほぼ国内消費に充てられ、輸出量は限定的であったと考えられます。一方、アルゼンチンやパラグアイなどの南米諸国も上位に名を連ねており、南米が世界の大豆生産における重要な地域として頭角を現し始めている様子がうかがえます。
日本は13位で約21万1700トンの生産量を記録しました。しかしながら、食用大豆の国内需要を自給するには程遠く、多くをアメリカなどから輸入に頼っていたことがわかります。これは国土面積が小さく、農地が限られているため、従来から水稲などの生産優先政策が採られてきた影響もあります。
全体的に、上位の北米や南米エリアの国々が生産の大半を占めている一方、アジアやアフリカ、一部のヨーロッパ諸国は少量生産の域を出ておらず、地域間の生産格差が非常に大きかったことが明らかです。この格差は、気候の条件や栽培技術・設備の違いのみならず、経済力や物流インフラの整備状況の影響を強く受けています。
一方で、この時期の大豆輸出国(特にアメリカやブラジル)は、価格変動や地政学的なリスクの影響を受けやすいという課題がありました。政治的不安定地域では、輸出ルートの確保が困難になることも懸念されました。また、大豆生産が一部の国々に集中していたため、疫病の発生や気候変動、国際紛争などの影響で供給が途絶した場合、グローバルな穀物流通に大きな打撃を与える可能性があります。
今後を見据えると、生産の地理的多様性を高めることが重要です。たとえば、アフリカなどの潜在的農業地帯への支援を通じて、新たな生産地を開発する取り組みが求められるでしょう。これには、農業技術の普及やインフラ整備への国際協力が不可欠です。一方で、アジア地域においては、日本や韓国のように生産能力に限界がある国々が、食料安全保障を確保するためには、地域間連携や輸入先の多様化が鍵となるでしょう。
大豆生産は、地球規模での食料供給において重要な役割を果たしているため、気候変動や人口増加が加速する現在、持続可能な生産体制の確立が求められています。具体的には、耐乾性のある品種の開発、土地の劣化を防ぐ農法の導入、さらには国際的な調整機構を設けることで、将来的な需給の安定を目指す必要があります。また、環境面への配慮と供給の安定性の両立が、この分野での重要なテーマとなるでしょう。