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フランスのそば生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、1961年から2017年にかけてフランスのそば生産量は大きな変動を見せました。60年代には5万トン以上を維持していた生産量が70年代以降に1万トン未満まで低下。その後、2000年代に入ると回復基調を示し、特に2017年には26万トンを超え、観測された期間で最高値を記録しました。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 263,485
55.46% ↑
2016年 169,489
41.8% ↑
2015年 119,530
7.39% ↑
2014年 111,300
-28.1% ↓
2013年 154,800
47.43% ↑
2012年 105,000
14.88% ↑
2011年 91,400
-27.4% ↓
2010年 125,900
9.96% ↑
2009年 114,500
16.84% ↑
2008年 98,000
-16.35% ↓
2007年 117,148
34.65% ↑
2006年 87,000
-29.96% ↓
2005年 124,217
-13.68% ↓
2004年 143,901
41.46% ↑
2003年 101,729
25.92% ↑
2002年 80,788
37.23% ↑
2001年 58,872
59.4% ↑
2000年 36,934
45.47% ↑
1999年 25,390
-0.79% ↓
1998年 25,593
32.04% ↑
1997年 19,383
27.03% ↑
1996年 15,258
-8.05% ↓
1995年 16,593
-35.93% ↓
1994年 25,900
-18.55% ↓
1993年 31,800
21.37% ↑
1992年 26,200
-11.78% ↓
1991年 29,700
32.49% ↑
1990年 22,417
1.11% ↑
1989年 22,170
9.21% ↑
1988年 20,300
181.94% ↑
1987年 7,200
4.35% ↑
1986年 6,900
4.55% ↑
1985年 6,600
-14.29% ↓
1984年 7,700
-11.49% ↓
1983年 8,700
12.99% ↑
1982年 7,700
6.94% ↑
1981年 7,200
-3.49% ↓
1980年 7,460
-4.41% ↓
1979年 7,804
-18.79% ↓
1978年 9,610
18.64% ↑
1977年 8,100
-0.61% ↓
1976年 8,150
-39.45% ↓
1975年 13,460
-7.3% ↓
1974年 14,520
2.25% ↑
1973年 14,200
-8.33% ↓
1972年 15,490
-18.43% ↓
1971年 18,990
2.59% ↑
1970年 18,510
-11.31% ↓
1969年 20,870
-4.4% ↓
1968年 21,830
-18.09% ↓
1967年 26,650
-11.2% ↓
1966年 30,010
-10.74% ↓
1965年 33,620
0.21% ↑
1964年 33,550
-27.08% ↓
1963年 46,010
1.19% ↑
1962年 45,470
-18.31% ↓
1961年 55,660 -
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フランスのそば生産量は、過去半世紀のフィールドデータを見ると、興味深い長期的な変遷をたどっています。1961年の5万5千トンをピークに、1976年には8千トンにまで下落しました。この急激な減少は、当時の農業政策や作物転換の影響、そして小麦など他の穀物作物に対する市場需要の変化が背景にあったと考えられます。また、そばは寒冷地で成長しやすく高い耐久性を持つ作物である一方、比較的収益性が低いため耕作地が徐々に削減される傾向にありました。

しかしながら、1988年以降には一時的な反発や回復傾向が見られ、特に2000年以降において再び大きな増加が観測されています。2001年には約5万9千トン、2004年には14万トン、ついには2017年に26万3千トンに到達しました。この顕著な成長は、多様な理由に基づくと分析されています。第1に、グルテンフリー食品や健康志向の消費者による需要増加が挙げられます。そば粉を使用した食品の人気拡大は、フランス国内に限らず、輸出市場でも需要を押し上げました。第2に、環境保全や有機農業の推進政策が、そばの再評価とその栽培促進を後押しした可能性があります。このような政策は、化学肥料使用の削減や農業多様性の確保を目指しており、そばの持つ低インプット性が評価されたと言えます。

一方で、このデータからは課題も見えてきます。そばの生産量が大きく増加しているものの、その波が一定ではなく大幅に上下することが伺えます。例えば、2013年には15万トンを超えたものの、翌年の2014年には11万トンに減少しました。この不安定な生産量の背後には、気候変動や天候要因が影響していると考えられます。そばは比較的耐性のある作物として知られていますが、干ばつや豪雨といった極端な気象現象に対しては脆弱であり、これが変動要因の一因となっています。

また、地政学的リスクも見落としてはいけません。フランスの主要なそば輸出市場の一つであるロシアや東ヨーロッパでは、地政学的緊張による物流遅延や価格変動のリスクが存在します。このようなリスクが今後のそばの国際取引や生産戦略に影響を及ぼす可能性があります。

国や国際機関が取るべき対策としては、まず気候変動に対応した安定的な生産システムの構築が挙げられます。具体的には、気象条件に強い品種の開発や栽培地域の分散化が有効です。また、輸出先の多角化を進めることで、地政学的リスクを軽減することも重要です。さらに、農家に対する補助金や政策支援によって、そばの生産インフラを強固にすることが、長期的な視点では必要不可欠です。

結論として、フランスにおけるそばの生産量は過去に急減期を経験しながらも、その後の需要動向や政策の影響により大きく回復しました。現在のトレンドを活かしながら、不安定性の要因を克服するためには、気候変動への適応と国際市場におけるリスク管理が鍵となります。また、そばという作物の持つ多様な可能性をさらに探ることで、フランスの農業全体の持続可能性を高めることが期待されます。

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