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パナマのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データを基に、パナマにおけるマンゴー、マンゴスチン、およびグアバの生産量推移を分析しました。全体的に見て1960年代から1970年代にかけて生産量は増加傾向にありましたが、1980年以降、大幅な減少が見られ、再び一定量まで回復した後、近年では年ごとの変動が大きく、特に2019年と2023年に顕著な減少が観察されました。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 5,812
-18.86% ↓
2022年 7,163
11.58% ↑
2021年 6,419
38.28% ↑
2020年 4,642
4.98% ↑
2019年 4,422
-39.71% ↓
2018年 7,334
0.49% ↑
2017年 7,298
0.5% ↑
2016年 7,262
0.48% ↑
2015年 7,227
0.49% ↑
2014年 7,192
0.49% ↑
2013年 7,157
0.49% ↑
2012年 7,122
0.49% ↑
2011年 7,087
22.19% ↑
2010年 5,800
0.49% ↑
2009年 5,772
0.49% ↑
2008年 5,744
0.49% ↑
2007年 5,716
0.49% ↑
2006年 5,688
0.99% ↑
2005年 5,632
0.49% ↑
2004年 5,605
0.45% ↑
2003年 5,580
0.54% ↑
2002年 5,550
0.51% ↑
2001年 5,522
-13.79% ↓
2000年 6,405
2.06% ↑
1999年 6,276
2.05% ↑
1998年 6,150
2.06% ↑
1997年 6,026
2.03% ↑
1996年 5,906
2.06% ↑
1995年 5,787
2.05% ↑
1994年 5,671
2.05% ↑
1993年 5,557
1.89% ↑
1992年 5,454
1.87% ↑
1991年 5,354
40.52% ↑
1990年 3,810
1.22% ↑
1989年 3,764
1.24% ↑
1988年 3,718
-10% ↓
1987年 4,131
-10% ↓
1986年 4,590
21.36% ↑
1985年 3,782
18.82% ↑
1984年 3,183
16.34% ↑
1983年 2,736
14.1% ↑
1982年 2,398
10.97% ↑
1981年 2,161
8.59% ↑
1980年 1,990
-92.32% ↓
1979年 25,912
1% ↑
1978年 25,655
1% ↑
1977年 25,401
1% ↑
1976年 25,150
1.01% ↑
1975年 24,898
1.5% ↑
1974年 24,530
1.49% ↑
1973年 24,170
1.51% ↑
1972年 23,810
1.54% ↑
1971年 23,450
1.92% ↑
1970年 23,009
1.18% ↑
1969年 22,740
-28.54% ↓
1968年 31,820
15.29% ↑
1967年 27,600
14.52% ↑
1966年 24,100
4.78% ↑
1965年 23,000 -
1964年 23,000
4.55% ↑
1963年 22,000
4.76% ↑
1962年 21,000 -
1961年 21,000 -

パナマのマンゴー、マンゴスチン、グアバの生産動向をデータで振り返ると、1961年の21,000トンから1970年代中頃にかけて緩やかに増加しました。1967年から1968年にかけては特に急増し、それぞれ27,600トンそして31,820トンに達しました。しかし、1969年以降、急激な減少が見られ、1980年には2,000トンを下回りました。この激減は、地政学的な理由や気候変動の影響が考えられ、さらに農業インフラの不備や技術サポートの欠如が背景にあった可能性があります。

1980年代以降、わずかながら復調の兆しを見せ、6,000トンを安定的に超える水準を1990年代終盤には回復しました。2000年以降、5,000~7,000トンの範囲で生産量がほぼ横ばいで推移したものの、2019年に4,422トン、2020年に4,642トンと再び大きく減少しました。この時期は、世界的な新型コロナウイルスの流行や気象変動の影響が直接的に農業に打撃を与えた可能性が指摘されます。またその後、2022年には再び7,163トンに回復を見せましたが、2023年には5,812トンに減少し、減少率が再び顕著となっています。

このような生産量の変動を踏まえると、パナマの農業が特に気候条件や自然災害、生産インフラの整備状況に大きく依拠している現実が浮き彫りになります。また、パナマのマンゴーやグアバといった熱帯果物は、輸出品として海外市場にも需要がある作物であり、これらの変動はパナマ国内の経済や地域農家の収入にも影響を及ぼしていると考えられます。

生産量の維持や拡大に向けた具体的な提言として、まずは農業技術の導入や近代化が急務となるでしょう。例えば、灌漑設備の整備や耐乾性の高い果樹品種の導入が効果的と考えられます。また、政府や国際機関が中心となり、農業研究機関と連携して気候変動に対する適応策を進めるべきです。また、地域的に比較すると、近隣のコスタリカやコロンビアなどではマンゴー生産が注目される市場となっており、これら地域との連携や情報共有を行い、輸出市場を拡大する戦略も検討すべきです。

さらに新型コロナウイルスの影響などによる物流の停滞や需要減少を教訓に、国内市場の強化や生産過程の多様化(例えば加工食品産業の活用)も重要な方向性です。これにより、世界的な不確実性の影響を緩和し、地元経済への新たな価値を創出する余地が広がります。

結論として、向こう数年間で安定した生産量を維持するためには、上記のような多面的な対策が必要です。特に農家の生計向上や産業の国際競争力を高めることが、パナマ農業の持続可能な発展に寄与する重要な鍵となります。また、気候変動のリスクに強い農業構造の構築とともに、地域間協力や支援体制の構築が企業活動や社会全般に対しても好影響をもたらすでしょう。パナマがこの課題に取り組むにあたり、国際的な支援や資金の援助も視野に入れることで、より効果的な対策の実現が可能となります。