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FAO「国際連合食糧農業機関」・最新版
FAO(国際連合食糧農業機関)が公表し、2024年7月に更新した最新データによると、2024年、ラズベリー生産量ランキングの1位はロシア連邦(213,818トン)、2位はメキシコ(175,538トン)、3位はセルビア(94,026トン)です。上位4か国(ロシア連邦、メキシコ、セルビア、アメリカ合衆国)だけで世界の約6割を占め、供給が少数国に偏る構図が見えてきます。欧州はセルビア、ポーランド、ポルトガル、スペイン、イギリスなど生産国が多く、北米はアメリカとメキシコの存在感が大きい一方、日本はランキングに入っておらず、輸入依存で価格や供給変動の影響を受けやすい状況です。
1961年から2024年までの年度別ランキングを確認できます。
1961年から2024年までの世界のラズベリー生産量を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
1961年から2024年までの世界のラズベリー生産量を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
FAO(国際連合食糧農業機関)が公表し、2024年7月に更新した最新データによると、2024年、ラズベリー生産量ランキングの1位はロシア連邦(213,818トン)、2位はメキシコ(175,538トン)、3位はセルビア(94,026トン)で、4位はアメリカ合衆国(82,080トン)、5位はポーランド(76,900トン)です。この統計は、各国の農業生産の実態を把握し、食料供給や貿易、農業政策の基礎資料とする目的で集計されるもので、単なる「果物のランキング」ではなく、国際的な供給安定性やリスク分散の度合いを読み解く手がかりになります。
全体像として、上位国への集中がはっきりしています。ロシア連邦、メキシコ、セルビア、アメリカ合衆国の合計は565,462トンで、今回提示された上位48件の合計生産量約893,661トンに対して約63%を占めます。さらに上位10か国まで広げると、約817,920トンとなり、同じく約92%に達します。つまり、市場に出回るラズベリーは「多くの国が少しずつ」ではなく、「限られた国が大きく支える」構造です。こうした集中は効率面では強みになり得ますが、気象災害、労働力不足、物流障害、地域衝突といったショックが起きた際に、価格と供給が一斉に揺れやすいという弱点も抱えます。
地域別に見ると、欧州は多層的な生産地帯を形成しています。セルビア(94,026トン)とポーランド(76,900トン)が中核で、ポルトガル(33,420トン)、スペイン(30,230トン)、イギリス(15,708トン)、フランス(7,480トン)、ドイツ(6,960トン)などが続きます。特にセルビアやボスニア・ヘルツェゴビナ(12,609トン)、モルドバ共和国(5,038トン)などバルカン・東欧圏は、冷凍・加工向けの供給基地として国際市場で重要です。一方で、農業労働の季節性が強く、賃金上昇や人手不足の影響を受けやすいほか、近年の猛暑や干ばつなど気候変動による収量の振れが課題になりやすい地域でもあります。欧州で有効な対策は、灌漑の近代化、耐暑・耐病性品種の導入、収穫・選果の省力化投資を、農家単体ではなく生産者組織と行政が一体で進めることです。EU域内では農薬規制や環境規制が強まる傾向があるため、統合的病害虫管理(化学農薬に依存しすぎない防除)を標準化し、品質と供給を同時に守る必要があります。
北米では、メキシコ(175,538トン)とアメリカ合衆国(82,080トン)の組み合わせが特徴的です。メキシコは温暖な気候を活かした生鮮供給で存在感を高め、アメリカは市場規模と加工需要の厚みが強みになります。ただし、この強さは国境物流と冷蔵コールドチェーン(低温で品質を維持する物流網)に依存します。米墨間の通関遅延、燃料価格の変動、港湾・幹線道路の混雑、治安悪化などは、生鮮のように鮮度が価値を決める品目ほど影響が大きくなります。地政学的リスクという観点では、関税や検疫・安全基準の強化が事実上の貿易制約になる可能性があり、企業側は調達先の分散、輸送ルートの複線化、冷凍原料の比率調整などで「止まっても回る」設計が求められます。
中東・北アフリカでは、モロッコ(61,600トン)が6位と目立ちます。欧州市場に近い地理的優位性がある一方、水資源制約が最大のボトルネックになりやすい地域です。降水の不確実性が高まる中で地下水依存が続くと、長期的には生産コスト上昇や栽培面積の制約につながります。ここでは、点滴灌漑の徹底、再生水の農業利用、輸出向け産地での水利用の可視化(認証やトレーサビリティ)を進めることが、持続可能性と貿易競争力の両面で現実的な対策です。
東欧・黒海周辺では、ウクライナ(33,600トン)が7位に入っており、農産物供給の一角を担っています。しかし、この地域は地域衝突の影響を最も受けやすい場所の一つです。戦闘や治安の不安は農地利用だけでなく、肥料・燃料の調達、労働力確保、輸出港や陸路の安全性、保険料の上昇といった形でサプライチェーン全体に波及します。これはラズベリーのような生鮮・冷凍双方に関わる品目にとって、単年度の数量減だけでなく「取引継続が難しくなる」リスクとして現れます。国際機関や周辺国が取り得る現実的な対応は、代替輸送回廊の整備支援、検疫・通関の簡素化協力、農業機械や冷凍設備の復旧支援、そして産地の信用を下支えする貿易保険・信用保証の枠組みを強めることです。
日本との関係で言えば、今回のランキング上位に日本、中国、韓国、インドが見当たらず、東アジア・南アジアは世界のラズベリー供給を主導する立場ではありません。日本は特に、生鮮・冷凍いずれも輸入の比重が高くなりやすく、為替、輸送費、主要生産国の不作、地域衝突による物流制約が重なると、調達価格が上がりやすい構造です。アメリカ合衆国は82,080トン、フランスは7,480トン、ドイツは6,960トン、イギリスは15,708トンと、主要先進国でも生産量の差が大きく、供給余力は国によって大きく異なります。日本の食品企業や小売が安定供給を目指すなら、特定国への依存を下げ、メキシコ・アメリカ系と欧州系、さらにモロッコなどを含む複数産地の組み合わせにして、輸送形態も生鮮偏重ではなく冷凍原料の比率を戦略的に持つことが重要です。
また、疫病・災害との関連では、新型コロナのような感染症拡大は、国境を越える季節労働者の移動制限や加工場の稼働制約を通じて、果実の収穫・選別・冷凍の工程に遅れを生みやすいことが確認されました。加えて、近年頻発する熱波、干ばつ、豪雨は、単に収量を落とすだけでなく、品質のばらつきや病害の増加を通じて「規格外比率」を高め、同じトン数でも実際に市場に出せる量を減らすことがあります。供給側は気象データを使った栽培管理の高度化、保険の活用、加工・冷凍による調整弁の確保が有効で、需要側は調達契約において納期・品質条件の見直しや複数産地のバックアップ条項を設けることが、実務的なリスク対策になります。
結論として、2024年のラズベリー生産はロシア連邦、メキシコ、セルビア、アメリカ合衆国に大きく依存し、上位国集中によって供給ショックが価格へ波及しやすい構造がデータから読み取れます。今後、国が取るべき対策は、産地側では水・労働・気候リスクへの投資を後押しし、輸出国は冷蔵物流や検疫体制を強化して信頼性を高めることです。輸入国である日本のような国は、調達先の分散、冷凍原料の戦略的備蓄、国内での試験栽培と加工体制の整備、そして企業間・国際間での危機時の物流協力枠組みを具体化することが、価格高騰と供給不安を抑える現実的な道筋になります。なお、ランキング表には同一国の重複掲載(オーストリア、オーストラリア)が見られるため、公開時には集計の整合確認を行うと、統計としての信頼性がさらに高まります。
ラズベリー生産量の上位国を横棒グラフで比較できます。
順位、国名、ラズベリー生産量、地域、関連指標を比較できます。
| 順位 | 国・地域 | ラズベリー生産量 | 地域 |
|---|---|---|---|
| 1 | 213,818トン | ヨーロッパ | |
| 2 | 175,538トン | 南アメリカ | |
| 3 | 94,026トン | ヨーロッパ | |
| 4 | 82,080トン | 北アメリカ | |
| 5 | 76,900トン | ヨーロッパ | |
| 6 | 61,600トン | アフリカ | |
| 7 | 33,600トン | ヨーロッパ | |
| 8 | 33,420トン | ヨーロッパ | |
| 9 | 30,230トン | ヨーロッパ | |
| 10 | 15,708トン | ヨーロッパ | |
| 11 | 12,609トン | ヨーロッパ | |
| 12 | 11,998トン | 南アメリカ | |
| 13 | 11,795トン | アジア | |
| 14 | 10,616トン | アジア | |
| 15 | 7,480トン | ヨーロッパ | |
| 16 | 6,960トン | ヨーロッパ | |
| 17 | 6,765トン | 北アメリカ | |
| 18 | 5,120トン | ヨーロッパ | |
| 19 | 5,038トン | ヨーロッパ | |
| 20 | 4,467トン | ヨーロッパ | |
| 21 | 3,040トン | ヨーロッパ | |
| 22 | 2,830トン | ヨーロッパ | |
| 23 | 2,648トン | アジア | |
| 24 | 2,000トン | ヨーロッパ | |
| 25 | 1,690トン | ヨーロッパ | |
| 26 | 1,040トン | ヨーロッパ | |
| 27 | 800トン | アジア | |
| 28 | 780トン | ヨーロッパ | |
| 29 | 740トン | ヨーロッパ | |
| 30 | 740トン | ヨーロッパ | |
| 31 | 700トン | アジア | |
| 32 | 649トン | オセアニア | |
| 33 | 649トン | オセアニア | |
| 34 | 500トン | ヨーロッパ | |
| 35 | 478トン | ヨーロッパ | |
| 36 | 430トン | ヨーロッパ | |
| 37 | 400トン | ヨーロッパ | |
| 38 | 380トン | ヨーロッパ | |
| 39 | 330トン | ヨーロッパ | |
| 40 | 300トン | ヨーロッパ | |
| 41 | 200トン | ヨーロッパ | |
| 42 | 200トン | ヨーロッパ | |
| 43 | 150トン | ヨーロッパ | |
| 44 | 100トン | ヨーロッパ | |
| 45 | 99トン | アフリカ | |
| 46 | 60トン | ヨーロッパ | |
| 47 | 40トン | ヨーロッパ | |
| 48 | 8トン | オセアニア |
ランキング指標の意味と注意点を短く整理します。
現在のラズベリー生産量ランキングでは...
1961年から2024年までの年度別ページを比較すると、増加地域や順位変動が見えます。
気になる国の1961年から2024年までの推移がわかります。
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