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メキシコの落花生生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した2024年7月更新の最新データによると、メキシコの落花生生産量は長期にわたって上下動を繰り返しており、近年の生産量はおおむね9万から11万トンの範囲で推移しています。2023年の生産量は91,209トンで、前年の111,152トンから約18%の減少をみせています。1960年代と比較すると生産量は全体的に増加傾向を示していますが、特定の年には急激な減少も見られ、不安定な推移が続いています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 91,209
-17.94% ↓
2022年 111,152
8.15% ↑
2021年 102,779
1.51% ↑
2020年 101,251
24.37% ↑
2019年 81,413
-10.64% ↓
2018年 91,109
-8.4% ↓
2017年 99,465
3.63% ↑
2016年 95,983
-10.3% ↓
2015年 107,002
11.06% ↑
2014年 96,346
-3.51% ↓
2013年 99,849
-13.06% ↓
2012年 114,846
43.87% ↑
2011年 79,827
-2.03% ↓
2010年 81,485
-4.7% ↓
2009年 85,502
5.9% ↑
2008年 80,735
-2.5% ↓
2007年 82,809
21.35% ↑
2006年 68,242
-6.33% ↓
2005年 72,853
-26.37% ↓
2004年 98,940
7.99% ↑
2003年 91,616
22.74% ↑
2002年 74,643
-37.55% ↓
2001年 119,520
-15.96% ↓
2000年 142,216
8.05% ↑
1999年 131,626
0.78% ↑
1998年 130,603
-4.81% ↓
1997年 137,200
22.15% ↑
1996年 112,317
22.81% ↑
1995年 91,453
14.12% ↑
1994年 80,136
-2.98% ↓
1993年 82,600
-30.66% ↓
1992年 119,121
3.31% ↑
1991年 115,300
16.16% ↑
1990年 99,258
-13.86% ↓
1989年 115,233
6.93% ↑
1988年 107,766
31.21% ↑
1987年 82,130
-17.33% ↓
1986年 99,343
-12.98% ↓
1985年 114,155
8.83% ↑
1984年 104,889
-38.46% ↓
1983年 170,433
115.72% ↑
1982年 79,005
-9.89% ↓
1981年 87,681
20.01% ↑
1980年 73,061
22.73% ↑
1979年 59,531
-45.69% ↓
1978年 109,613
80.06% ↑
1977年 60,875
9.38% ↑
1976年 55,657
-19.26% ↓
1975年 68,935
9.65% ↑
1974年 62,871
5.76% ↑
1973年 59,449
-14.61% ↓
1972年 69,620
-12.84% ↓
1971年 79,874
-10.86% ↓
1970年 89,602
22.92% ↑
1969年 72,895
-11.46% ↓
1968年 82,327
11.13% ↑
1967年 74,085
-17.61% ↓
1966年 89,919
11.8% ↑
1965年 80,425
-15.69% ↓
1964年 95,395
2.76% ↑
1963年 92,834
-2.06% ↓
1962年 94,789
1.18% ↑
1961年 93,684 -

メキシコの落花生生産量データを見ると、1961年の93,684トンという生産量から始まり、1983年には史上最高の170,433トンを記録しました。その後の生産量には大きな変動が見られ、一貫して安定した増加傾向を示しているわけではありません。このような変動の背景として、国内の気象条件、作付面積の増減、輸出需要の変化、さらには農業政策の影響などが複合的に作用していると考えられます。

特に1970年代後半から1980年代にかけては、1978年の109,613トンや1983年の170,433トンなどの大きな増加が見られました。この時期には作物の改良や農業技術の進展が寄与した可能性がありますが、一方で、1976年や1979年に再び大幅な減少が記録されており、不安定な生産環境が続いていました。2000年代以降では、気候変動や水資源の不足が農業に与える影響も強まり、例えば2002年や2005年のように7万トン台にまで生産が下がる年もありました。

2023年時点では91,209トンの生産量が記録されていますが、これは2022年の111,152トンから大幅に減少しています。この下降は、異常気象による降水量の不足や土壌の過剰利用、生産効率の低下などが原因ではないかと考えられます。一方で、長期的な視点に立つと、1960年代の平均値9万トン前後からわずかに増加していることがわかり、技術的進歩や農業インフラの整備が生産性向上に貢献していることもうかがえます。

国際的な視点で見ると、落花生生産においてメキシコは世界的な上位国ではありません。たとえば、中国、インド、アメリカが世界の大半の生産量を占める中、メキシコは国内消費を主に賄う規模にとどまっています。しかし、国内市場での需要増加や南北アメリカ諸国との貿易拡大を見据えた対応が今後求められます。

課題として、まず挙げられるのが気候変動の影響です。メキシコは降水量の変化に特に敏感な地域であり、干ばつなどの影響で作物の収穫が大幅に減少するリスクがあります。さらに、他国との競争力という観点でも、効率的な灌漑(かんがい)技術や生産技術の導入が遅れている地域では、生産性向上が課題となります。また、農業従事者の高齢化や若者の農業離れも、長期的な持続可能性に影響を与える要因と言えるでしょう。

これに対する対策として、まず農業技術の革新と普及が重要です。たとえば、土壌の保全技術やスマート農業の推進、気候変動に対応した耐性作物の開発が挙げられます。さらに、輸出市場の拡大戦略を立て、経済的インセンティブを用いた中小農業経営者の支援も効果的です。政府の支援だけでなく、国際機関との協力や地域間の情報共有を強化する枠組みの構築も必要です。

地域衝突や疫病といった地政学的もしくは社会的な要因については、現状大きな影響は見られませんが、2020年以降の新型コロナウイルスのパンデミックは落花生需要や供給チェーンに一定の混乱をもたらしました。この経験を踏まえ、今後は輸出ルートの安定性確保や国内需給のバランス維持に注力すべきです。

最後に、メキシコは農業全般で潜在的な成長余地を持つ国です。落花生生産は国内外からの投資や政策支援の対象として拡大の余地があります。以上の対策を実現するためには、国際的なコンソーシアムの枠組みや地域協力の強化を行いながら、より持続可能で競争力のある農業セクターを構築していくことが必要です。

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