国連食糧農業機関(FAO)のデータによると、1972年度の大豆生産量ランキングでは、アメリカ合衆国が圧倒的な1位で生産量34,580,864トン、中国が6,450,000トンで2位、ブラジルが3,222,631トンで3位となっています。この3カ国だけで世界全体の大豆生産量の約90%以上を占めています。一方で、日本は126,500トンで10位につけています。このデータは、国ごとの農業政策、土地利用、気候条件が大豆生産量にどのような影響を与えているかを示しており、また各国間の生産力の大きな差が見られることが特徴です。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 34,580,864 |
| 2 |
|
アジア | 6,450,000 |
| 3 |
|
南アメリカ | 3,222,631 |
| 4 |
|
アジア | 518,229 |
| 5 |
|
南アメリカ | 376,810 |
| 6 |
|
北アメリカ | 374,764 |
| 7 |
|
アジア | 263,000 |
| 8 |
|
アジア | 223,939 |
| 9 |
|
ヨーロッパ | 186,200 |
| 10 |
|
アジア | 126,500 |
| 11 |
|
南アメリカ | 104,600 |
| 12 |
|
南アメリカ | 97,100 |
| 13 |
|
南アメリカ | 78,000 |
| 14 |
|
アジア | 72,400 |
| 15 |
|
アフリカ | 63,000 |
| 16 |
|
アジア | 60,221 |
| 17 |
|
オセアニア | 33,629 |
| 18 |
|
アジア | 28,000 |
| 19 |
|
アジア | 15,000 |
| 20 |
|
アジア | 14,000 |
| 21 |
|
アジア | 12,998 |
| 22 |
|
ヨーロッパ | 12,877 |
| 23 |
|
アジア | 12,800 |
| 24 |
|
アフリカ | 10,231 |
| 25 |
|
アフリカ | 7,000 |
| 26 |
|
アジア | 4,000 |
| 27 |
|
アジア | 4,000 |
| 28 |
|
アジア | 3,750 |
| 29 |
|
南アメリカ | 3,000 |
| 30 |
|
ヨーロッパ | 2,856 |
| 31 |
|
アフリカ | 2,000 |
| 32 |
|
アフリカ | 1,900 |
| 33 |
|
アフリカ | 1,355 |
| 34 |
|
アフリカ | 1,300 |
| 35 |
|
アフリカ | 1,282 |
| 36 |
|
南アメリカ | 1,200 |
| 37 |
|
南アメリカ | 1,200 |
| 38 |
|
アジア | 1,128 |
| 39 |
|
アフリカ | 1,123 |
| 40 |
|
アジア | 1,000 |
| 41 |
|
アジア | 932 |
| 42 |
|
南アメリカ | 847 |
| 43 |
|
アフリカ | 700 |
| 44 |
|
南アメリカ | 607 |
| 45 |
|
アジア | 161 |
| 46 |
|
南アメリカ | 140 |
| 47 |
|
ヨーロッパ | 125 |
| 48 |
|
アジア | 60 |
| 49 |
|
南アメリカ | 37 |
| 50 |
|
南アメリカ | 5 |
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1972年度の世界の大豆生産量データを見ると、アメリカ合衆国が他を圧倒する生産量を記録しています。同国1カ国のみで世界全体の8割以上を占めている状況は、その土地面積の広さ、農業技術の発展、輸出主導型経済が背景にあります。これに続く中国とブラジルも大豆生産の重要国ですが、中国は国内消費向け需要が生産を支え、ブラジルは次第に輸出市場の需要にも適応を進めていきました。
10位の日本は、農地面積が限られる中で126,500トンという数字を記録しています。比較的小規模ながら、1960年代以降の農業政策推進による作物改良や集約型農業の進展が影響しています。しかし、アメリカ、中国、ブラジルといった大規模生産国と比べて、依然としてその規模に大きな隔たりがあります。
このランキングには、地理的条件や気候条件が顕著に影響を及ぼしています。例えば、熱帯地域や乾燥地域での生産量は限られており、これがアフリカ諸国や一部の南米諸国での生産量の低さとして反映されています。一方で、肥沃な土地と温暖な気候に恵まれたアメリカやブラジルが優勢を見せています。また、農業技術の普及、インフラ整備の遅れも、発展途上国での生産量の低さの一因として考えられます。
日本を含む多くの国では、海外からの大豆輸入に依存している現状があります。このような状況が続く中、今後の課題として、大豆生産の効率化や、他国への依存を減らすための政策が求められるでしょう。特に日本では、国内での栽培可能な土地の活用、遺伝子改良型品種の導入、さらには新技術を活用した最適生育環境の研究などが重要です。
また、中国やインドのような大規模人口国での大豆需要の急増が予測され、世界的な供給と需給バランスの問題が懸念されます。アメリカやブラジルのような輸出大国が、気候変動の影響で生産量を維持するのが難しくなる可能性もあります。このような背景から、持続可能な農業技術の研究や国際間の協力体制の確立が現実的な解決策となるでしょう。
さらに、地政学的リスクも無視できません。例えば、アメリカと中国の貿易摩擦やブラジルの森林伐採による環境問題は、大豆生産にも直接的な影響を及ぼしかねません。これに対応するためには、国際社会による環境保全政策や貿易協定の安定などが必要です。
最終的に、このデータからわかるのは、世界の大豆生産は少数の主要生産国に依存しているという事実です。この状況は、一国の供給停止や輸送障害が世界中の供給網に大きな影響を与える脆弱性を示しており、各国が自国の農業基盤を強化することと、国際的な協力を推進することが求められています。