国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した1970年度の大豆生産量データによると、1位はアメリカ合衆国で約3,067万トン、2位は中国で約871万トン、3位がブラジルで約150万トンの生産を記録しました。これら3か国が世界全体の大豆生産を大きく支えていることが示されています。日本は126,100トンで第10位にランクインしており、アジア諸国の中でも中規模の生産量です。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 30,675,152 |
| 2 |
|
アジア | 8,710,000 |
| 3 |
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南アメリカ | 1,508,540 |
| 4 |
|
アジア | 497,883 |
| 5 |
|
北アメリカ | 282,628 |
| 6 |
|
アジア | 255,000 |
| 7 |
|
アジア | 231,994 |
| 8 |
|
南アメリカ | 214,603 |
| 9 |
|
南アメリカ | 131,900 |
| 10 |
|
アジア | 126,100 |
| 11 |
|
ヨーロッパ | 90,500 |
| 12 |
|
アジア | 65,174 |
| 13 |
|
アフリカ | 58,000 |
| 14 |
|
アジア | 50,400 |
| 15 |
|
南アメリカ | 41,293 |
| 16 |
|
南アメリカ | 26,800 |
| 17 |
|
アジア | 14,900 |
| 18 |
|
アジア | 14,000 |
| 19 |
|
アジア | 12,701 |
| 20 |
|
アジア | 12,000 |
| 21 |
|
アフリカ | 8,598 |
| 22 |
|
ヨーロッパ | 7,871 |
| 23 |
|
アフリカ | 7,700 |
| 24 |
|
オセアニア | 5,028 |
| 25 |
|
アフリカ | 5,000 |
| 26 |
|
アジア | 4,000 |
| 27 |
|
アジア | 3,700 |
| 28 |
|
アジア | 3,500 |
| 29 |
|
ヨーロッパ | 3,022 |
| 30 |
|
アジア | 3,000 |
| 31 |
|
アフリカ | 1,600 |
| 32 |
|
南アメリカ | 1,500 |
| 33 |
|
アフリカ | 1,200 |
| 34 |
|
アジア | 1,195 |
| 35 |
|
アフリカ | 1,070 |
| 36 |
|
南アメリカ | 1,000 |
| 37 |
|
アジア | 1,000 |
| 38 |
|
南アメリカ | 1,000 |
| 39 |
|
アジア | 900 |
| 40 |
|
アフリカ | 700 |
| 41 |
|
南アメリカ | 600 |
| 42 |
|
南アメリカ | 399 |
| 43 |
|
アフリカ | 343 |
| 44 |
|
ヨーロッパ | 170 |
| 45 |
|
南アメリカ | 130 |
| 46 |
|
アジア | 85 |
| 47 |
|
アジア | 70 |
| 48 |
|
南アメリカ | 29 |
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1970年度の世界の大豆生産量において、アメリカ合衆国が圧倒的なリードを誇っています。この国は、全世界の生産量の大部分を占め、生産量は2位中国の約3.5倍以上、そして3位ブラジルの約20倍という巨大な差を見せています。この背景には、アメリカが大豆種子の改良や耕作技術の発展において先進的な役割を果たしていたこと、加えて広大な農地と機械化された農業基盤が整っていたことが挙げられます。また、輸出拡大政策も大豆の生産と流通を支える重要な要素でした。
2位の中国はおよそ871万トンを生産しており、地域の需要を大部分まかなうとともに、伝統的に国内消費を重視してきました。中国は古くから大豆を重要な栄養源と見なしており、特に豆腐や味噌などの加工品に利用されています。しかしながら、1970年時点では総生産量ではアメリカには大きく及ばず、国内の機械化や農業技術の制約がその生産量の限界を示していました。中国の地理的多様性も、農地拡張や効率改善に一定の困難をもたらしていたことが想像されます。
ブラジルは3位にランクインし、生産量は1,508,540トンです。この国の大豆栽培は1960年代後半から注目されるようになり、1970年時点ではすでに将来的な大豆輸出大国としての兆しを見せていました。ブラジルにおける大豆の生産増加は、温暖な気候と広大な土地が組み合わさった結果であり、これにアクセスの容易なインフラが関与した可能性があります。
一方で、日本の大豆生産量は126,100トンで10位に位置しています。国内での大豆消費量に比較して生産量が限られているのが特徴で、その大部分が食品加工向けに利用されていました。この理由には、耕作可能な土地が限られていることや、米など他の作物に対する集中が挙げられます。また、日本は大豆を輸入に頼る方向性が1960年代から強まっており、国際貿易によって国内消費を補完していました。
また、アジア全体を見ると、インドネシア、韓国、北朝鮮などが日本よりも順位がわずかに上ですが、全体としては生産量が限定的な国が多い印象です。これらの国々では土地の使用効率の向上や技術革新が求められる状況にあったと考えられます。
1970年当時から見れば、現在の大豆市場の発展は大きな進捗を遂げたといえますが、地域格差や生産環境の不均衡は依然として課題として残ります。特に、南アメリカのような新興国では大規模農業が進展する中で環境破壊が問題視され始め、その一方でアフリカ諸国などではいまだに低い生産量にとどまる国が多い状況です。
今後は、効率的な生産支援政策、生産技術の対象国への導入、さらには各地域の土地利用の整備が鍵となるでしょう。同時に、大豆需要の増加に伴う環境への影響を最小限に抑えるための持続可能な農業技術も重要です。また、国際的な協力体制を構築し、先進国と発展途上国の間で知識や技術を共有することで、世界的な大豆供給システムをバランスよく強化する必要があります。
最後に、大豆生産は単なる食糧問題だけでなく、地政学的な要素も含まれます。例えば、大豆の輸出入に関連する国際的な貿易摩擦や、気候変動が収穫量に与える影響などがあります。これらの課題に取り組むためには、国際機関を中心とした統合的な方策が求められるでしょう。