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レバノンのアーモンド生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に公表したデータによれば、レバノンのアーモンド生産量は1961年の2,500トンから急速に増加し、1996年には37,385トンのピークを記録しました。ただし、その後は生産量が減少し安定化する傾向が見られ、2023年の生産量は29,309トンとなっています。1960年代から2023年にかけて、生産量は著しい振幅を伴いながら長期的には成長基調にあるものの、直近10年は30,000トン前後で推移しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 29,309
-8.02% ↓
2022年 31,863
11.35% ↑
2021年 28,615
-2.74% ↓
2020年 29,420
-14.33% ↓
2019年 34,340
4.16% ↑
2018年 32,970
-1.68% ↓
2017年 33,532
29.66% ↑
2016年 25,862
-7.35% ↓
2015年 27,914
-2.92% ↓
2014年 28,754
-3.04% ↓
2013年 29,656
-1.47% ↓
2012年 30,100
13.65% ↑
2011年 26,485
-2.5% ↓
2010年 27,165
-20.8% ↓
2009年 34,300
14.33% ↑
2008年 30,000
2.04% ↑
2007年 29,400
5% ↑
2006年 28,000
-1.06% ↓
2005年 28,300
2.91% ↑
2004年 27,500
0.36% ↑
2003年 27,400
19.13% ↑
2002年 23,000
-3.77% ↓
2001年 23,900
-3.24% ↓
2000年 24,700
-13.64% ↓
1999年 28,600
-12% ↓
1998年 32,500
3.99% ↑
1997年 31,254
-16.4% ↓
1996年 37,385
33.52% ↑
1995年 28,000
55.56% ↑
1994年 18,000
16.13% ↑
1993年 15,500
55.3% ↑
1992年 9,981
-32.36% ↓
1991年 14,756
13.51% ↑
1990年 13,000
13.04% ↑
1989年 11,500
15% ↑
1988年 10,000
7.53% ↑
1987年 9,300
9.41% ↑
1986年 8,500
11.84% ↑
1985年 7,600
11.76% ↑
1984年 6,800
13.33% ↑
1983年 6,000
7.14% ↑
1982年 5,600
-6.67% ↓
1981年 6,000
-7.69% ↓
1980年 6,500
8.33% ↑
1979年 6,000 -
1978年 6,000 -
1977年 6,000
9.09% ↑
1976年 5,500
3.77% ↑
1975年 5,300
-0.36% ↓
1974年 5,319
2.66% ↑
1973年 5,181
6.63% ↑
1972年 4,859
48.28% ↑
1971年 3,277
-6.93% ↓
1970年 3,521
44.42% ↑
1969年 2,438
-46.5% ↓
1968年 4,557
-23.39% ↓
1967年 5,948
148.66% ↑
1966年 2,392
-0.33% ↓
1965年 2,400
33.33% ↑
1964年 1,800
-40% ↓
1963年 3,000
7.14% ↑
1962年 2,800
12% ↑
1961年 2,500 -

レバノンは地中海性気候を活かし、アーモンドの生産に適した環境を有する国です。アーモンドは、国内消費のみならず輸出農産物としても重要な役割を果たします。このデータを通じて、過去からの生産量の推移や現在の課題、そして今後の対策を考察します。

まず、1961年から2023年の期間において、レバノンのアーモンド生産量は大きな変化を遂げてきました。初期には年数千トン規模で推移していましたが、1990年頃から急速に拡大し、1996年には37,385トンで最高値に到達しました。その背景には農業技術の向上、灌漑インフラの整備、国際市場需要の高まりがあると考えられます。しかし1990年代後半以降、増加のペースは鈍化し、一部では減少傾向も見られました。この要因としては、気候変動や災害、農業従事者の高齢化、輸出競争力の減退などが挙げられます。

直近の生産データを見ると、アーモンド生産量は2012年以降、30,000トン前後で横ばいとなっています。2017年には33,532トンと短期間の増加がありましたが、その後再び減少に転じ、2023年には29,309トンを記録しました。このようなトレンドは、生産の安定性に課題があることを示唆しています。特に、干ばつや遅霜など気候変動の影響が収穫量に大きく作用している可能性があります。

地政学的背景もこの生産動態に影響を及ぼしていると考えられます。レバノンは、過去数十年にわたり地域紛争や経済不安を抱える中でも、農業資源の管理や輸出政策を強化してきました。しかし、インフラの老朽化や地域間の協調不足が、農業セクターの成長を妨げている部分も存在します。近年では、中東地域における水資源争奪が増大しており、農業用水の確保が難しくなる可能性が高いです。

今後に向けた具体的な施策として、いくつかの方向性が考えられます。まず、灌漑技術のさらなる革新を図り、水資源を効率的に利用する取り組みが必要です。また、気候変動による不安定な気候条件に対応するため、耐性が強いアーモンドの品種を開発する研究が急務です。さらには、農業従事者の若年層参入を促す施策として、教育や金融支援を通じた支援が求められます。また、地域農家間の協力を強化し、生産・輸送効率の向上を図ることで、国際競争力の向上を目指すべきです。

一方で、農業以外の外的要因にも対応が必要です。安定した通商政策と輸出振興策の立案、さらには紛争地域や経済危機への対応策がより強化されるべきです。また、域内及び国際社会との連携を深め、農業開発プロジェクトを実施することにより、生産量と輸出量の安定化を図る道筋が開かれます。

結論として、レバノンのアーモンド生産は過去数十年で驚異的な拡大を見せたものの、近年は気候変動や地政学的リスクなどの影響で安定性に課題が生じています。これに対処するためには、農業技術の革新、政策面でのサポート、地域間協力の強化など幅広い取り組みが重要です。国内および国際的な視点で協調した対策を講じることで、持続可能な農業モデルを実現し、アーモンド生産のさらなる成長を実現することが期待されます。

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