世界のアーモンド生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した最新データによると、2022年度のアーモンド生産量ランキングにおいて、1位はアメリカ合衆国（1,858,010トン）、2位はオーストラリア（360,328トン）、3位はスペイン（245,990トン）となっています。アメリカは他国を圧倒する生産量で世界のアーモンド市場を牽引しており、2位以下との差が顕著です。生産量上位の国々は、気候条件や栽培技術の差により地域ごとの大きな偏りが見られる一方で、新興国の生産も増加傾向にあります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,858,010
2	オーストラリア	オセアニア	360,328
3	スペイン	ヨーロッパ	245,990
4	トルコ	アジア	190,000
5	モロッコ	アフリカ	175,763
6	中国	アジア	104,000
7	イラン（イスラム共和国）	アジア	88,561
8	イタリア	ヨーロッパ	74,590
9	チュニジア	アフリカ	70,000
10	アフガニスタン	アジア	64,000
11	アルジェリア	アフリカ	62,988
12	チリ	南アメリカ	47,388
13	ポルトガル	ヨーロッパ	46,220
14	ギリシャ	ヨーロッパ	39,570
15	リビア	アフリカ	37,250
16	レバノン	アジア	31,863
17	シリア・アラブ共和国	アジア	31,617
18	ウズベキスタン	アジア	30,945
19	パキスタン	アジア	17,278
20	イエメン	アジア	13,273
21	イスラエル	アジア	10,803
22	アゼルバイジャン	アジア	5,318
23	タジキスタン	アジア	3,200
24	パレスチナ国	アジア	2,843
25	フランス	ヨーロッパ	2,520
26	ブルキナファソ	アフリカ	2,046
27	ヨルダン	アジア	1,769
28	キルギスタン	アジア	1,746
29	コートジボワール	アフリカ	1,676
30	エスワティニ	アフリカ	1,054
31	トルクメニスタン	アジア	1,020
32	アラブ首長国連邦	アジア	1,002
33	ブルガリア	ヨーロッパ	960
34	グルジア	アジア	946
35	北マケドニア	ヨーロッパ	801
36	アルゼンチン	南アメリカ	722
37	モルドバ共和国	ヨーロッパ	668
38	イラク	アジア	434
39	キプロス	アジア	420
40	ハンガリー	ヨーロッパ	410
41	クロアチア	ヨーロッパ	130
42	サウジアラビア	アジア	118
43	カザフスタン	アジア	104
44	メキシコ	南アメリカ	48
45	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	18
46	スロベニア	ヨーロッパ	10
47	ネパール	アジア	8
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2022年度のアーモンド生産量において、アメリカ合衆国は全世界の生産量の約8割に相当する1,858,010トンを記録し、圧倒的なシェアを誇っています。カリフォルニア州がその中心で、温暖な地中海性気候と高度な農業技術、水管理システムがアーモンド生産の成功を支えています。これに対し、2位のオーストラリアは遠く及ばない360,328トンとなっており、上位3位内で唯一の南半球の国として注目に値します。さらに、スペインが続き、地中海沿岸地域として良好な栽培条件を持ちますが、それでも生産量は245,990トンにとどまっています。

東アジアでは、唯一トップ10入りしている中国が104,000トンで6位にランクインしていますが、広大な国土面積や多様な気候条件を考慮すると、全体的な生産量は比較的控えめです。南アジアからはアフガニスタンやパキスタンがランクインしていますが、収穫量は数万トン規模にとどまり、生産効率の低さや技術的な課題が指摘されています。ヨーロッパではイタリアやポルトガル、ギリシャなどもランキングに名を連ねていますが、全体として地域の生産割合はそれほど高くありません。

一方で、中東や北アフリカの国々、特にモロッコ（175,763トン）、イラン（88,561トン）、トルコ（190,000トン）の生産量が目立っています。これらの地域は地下水や灌漑技術に依存しており、地政学的リスクや気候変動の影響を受けやすい特性があります。また、気候変動に伴う干ばつや気温上昇が生産効率及び収穫量に与える影響は、今後の大きな課題とされています。

全体として、アーモンドの生産は地中海性気候を持つ地域に集中していますが、乾燥地帯の水資源管理や地政学的課題が生産に影響を及ぼしています。特にアメリカのカリフォルニア州では、水資源の枯渇や土壌劣化が深刻化しており、環境保全と生産のバランスが喫緊の課題となっています。

今後の課題として、新興国の技術支援を通じて生産効率の向上を目指すことが挙げられます。また、環境に配慮した持続可能な栽培方法の導入も重要です。例えば、生態系を維持しつつ収穫量の向上を可能とする「アグロフォレストリー（農林複合経営）」や、国際的な協力を進めるための「地域間農業技術交流プログラム」の導入が効果的です。これらは、特に中東や北アフリカの水不足問題を軽減するための具体的な方策となります。

結論として、アーモンドは世界各地で多くの人々の食文化を支える重要な農産物である一方、その生産は地域ごとに大きな偏りがあります。従って、生産効率の向上や持続可能性を念頭に置いた政策課題への取り組みが求められるでしょう。国際機関や各国政府は、技術支援と協力体制の構築を進めることでアーモンド市場のグローバルな持続可能性を高めていくべきです。