1968年の大豆生産量ランキングによると、1位はアメリカ合衆国で約3,012万トン、2位は中国で約804万トン、3位はブラジルで約65万トンという結果でした。これら3か国は、全世界の大豆生産の大部分を占めており、特にアメリカのシェアは圧倒的です。一方で、日本は167,700トンで9位に位置しており、大豆の主要生産国としては中規模程度の位置づけにあります。アメリカ、中国、ブラジルという上位国に比べると、日本を含む他国の生産規模は非常に小さいことがわかります。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 30,126,976 |
| 2 |
|
アジア | 8,040,000 |
| 3 |
|
南アメリカ | 654,476 |
| 4 |
|
アジア | 419,932 |
| 5 |
|
南アメリカ | 275,162 |
| 6 |
|
北アメリカ | 245,679 |
| 7 |
|
アジア | 245,257 |
| 8 |
|
アジア | 240,000 |
| 9 |
|
アジア | 167,700 |
| 10 |
|
南アメリカ | 101,000 |
| 11 |
|
アジア | 72,995 |
| 12 |
|
アフリカ | 65,000 |
| 13 |
|
ヨーロッパ | 47,100 |
| 14 |
|
アジア | 44,800 |
| 15 |
|
南アメリカ | 28,508 |
| 16 |
|
南アメリカ | 22,000 |
| 17 |
|
アジア | 16,500 |
| 18 |
|
アジア | 12,000 |
| 19 |
|
アジア | 10,567 |
| 20 |
|
アジア | 8,500 |
| 21 |
|
アフリカ | 7,000 |
| 22 |
|
アフリカ | 4,100 |
| 23 |
|
アジア | 4,000 |
| 24 |
|
アジア | 3,500 |
| 25 |
|
アジア | 3,000 |
| 26 |
|
アジア | 2,000 |
| 27 |
|
アフリカ | 2,000 |
| 28 |
|
アジア | 1,188 |
| 29 |
|
アフリカ | 1,100 |
| 30 |
|
南アメリカ | 1,000 |
| 31 |
|
アジア | 1,000 |
| 32 |
|
南アメリカ | 1,000 |
| 33 |
|
オセアニア | 887 |
| 34 |
|
アジア | 750 |
| 35 |
|
アフリカ | 700 |
| 36 |
|
アフリカ | 433 |
| 37 |
|
南アメリカ | 400 |
| 38 |
|
南アメリカ | 282 |
| 39 |
|
ヨーロッパ | 262 |
| 40 |
|
ヨーロッパ | 190 |
| 41 |
|
南アメリカ | 173 |
| 42 |
|
アフリカ | 126 |
| 43 |
|
南アメリカ | 111 |
| 44 |
|
ヨーロッパ | 87 |
| 45 |
|
アジア | 50 |
| 46 |
|
アジア | 40 |
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1968年における世界の大豆生産量ランキングは、農業技術や国際貿易の動向が大豆という重要作物の生産・分布にどのように影響を与えていたのかを知るうえで非常に示唆的です。最も注目すべきは、アメリカ合衆国が3,012万トンの生産量を記録し、2位の中国(804万トン)を大きく引き離している点です。この結果は、アメリカの大豆生産が当時既に先進的な農業技術、広大な農地、強力な機械化体制によって支えられていたことを反映しています。加えて、農産物輸出に対する経済的なインセンティブが強かったことも一因と考えられます。
この当時、中国の大豆生産量も約804万トンと高い水準を誇っており、これは国内の消費需要が非常に大きかったためと推察されます。また、3位のブラジルはまだ654,476トンと現在の生産量と比較して低い数字ですが、その後の農業の拡大と輸出に依存する経済政策の実施によって劇的に伸びる土壌がすでに形成され始めていました。他方で、日本は167,700トンで9位に位置しており、国内需要を満たすには不十分だったため、大豆の輸入に依存し始める時期でもありました。
一方で、全体のランキングを見渡した際、少数国に生産が集中していることが明らかです。例えば、アメリカ、中国、ブラジルで世界全体の大豆生産の大部分を占めており、多くの国は10万トン未満という規模にとどまっています。この集中度が高い現状は、貿易の動向や気候変動、大規模災害などの影響を受けやすいリスクを抱えているともいえます。また、ランキングに名を連ねた国のいくつかは、中規模あるいは小規模な生産を行っているものの、国内需要を満たすだけでも困難な状況にありました。
このような格差は、地政学的背景とも密接に関連しています。世界的に見ると、大豆は食用だけでなく飼料や工業用油脂の原料としても重要であるため、輸入依存度が高い国や地域は、価格変動や供給リスクへの対応が必要不可欠です。特に、旱魃(かんばつ)や洪水などの自然災害が大豆の主要な生産地で発生した場合、供給の安定性が損なわれる可能性があります。
将来的な課題として注目すべきは、低生産国における農業技術の改善および国際協力の必要性です。例えば、日本のように自国では大豆の大量生産が困難な場合、先進的な農業技術を導入したり、農地の効率的活用を進めたりするなどの対策が考えられます。一方で、ブラジルやインドネシアといった潜在力の高い国々への農業投資や輸出促進策も重要です。また、国際機関が中心となり、穀物の取引市場の透明性向上や、主要生産国間の協力枠組みを強化することが必要とされるでしょう。
結論として、1968年の大豆生産量ランキングは、世界の大豆供給の不均衡と、それによるリスクを浮き彫りにしています。この状況を踏まえ、各国は地域的な農業政策を強化するだけでなく、グローバルな貿易ルールの調整を共同で進めることが求められます。国際連合食糧農業機関(FAO)などの国際機関は、技術支援や政策提言を通じて、世界全体の食料安全保障への寄与が期待されるのではないでしょうか。