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ブラジルのパパイヤ生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の2024年7月更新データによると、ブラジルのパパイヤ生産量は1961年の49,725トンから2023年の1,138,343トンへと大幅に増加しています。この間、ブラジルの生産量は比較的一貫した増加傾向を示しながらも、特定の時期に急激な成長と減少が見られています。特に、1980年からの生産量急増や2012年以降の減少は注目すべきポイントです。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,138,343
2.76% ↑
2022年 1,107,761
-12.06% ↓
2021年 1,259,684
2.03% ↑
2020年 1,234,639
5.43% ↑
2019年 1,171,026
9.91% ↑
2018年 1,065,421
0.66% ↑
2017年 1,058,487
-18.39% ↓
2016年 1,296,940
-12.44% ↓
2015年 1,481,190
-7.62% ↓
2014年 1,603,351
1.31% ↑
2013年 1,582,638
4.28% ↑
2012年 1,517,696
-18.15% ↓
2011年 1,854,343
-0.94% ↓
2010年 1,871,961
4.43% ↑
2009年 1,792,594
-5.17% ↓
2008年 1,890,286
4.35% ↑
2007年 1,811,535
-4.54% ↓
2006年 1,897,639
20.58% ↑
2005年 1,573,819
-2.39% ↓
2004年 1,612,348
-5.96% ↓
2003年 1,714,594
7.31% ↑
2002年 1,597,796
7.28% ↑
2001年 1,489,324
3.45% ↑
2000年 1,439,712
2.68% ↑
1999年 1,402,142
1.74% ↑
1998年 1,378,143
5.9% ↑
1997年 1,301,367
39.49% ↑
1996年 932,960
-10.36% ↓
1995年 1,040,746
3.66% ↑
1994年 1,003,997
9.26% ↑
1993年 918,878
26.48% ↑
1992年 726,498
12.86% ↑
1991年 643,716
17.85% ↑
1990年 546,194
-2.59% ↓
1989年 560,731
-39.15% ↓
1988年 921,474
42.94% ↑
1987年 644,668
-28.05% ↓
1986年 895,945
49.56% ↑
1985年 599,063
8.51% ↑
1984年 552,070
102.49% ↑
1983年 272,644
10.64% ↑
1982年 246,418
-2.05% ↓
1981年 251,569
3.96% ↑
1980年 241,981
20.35% ↑
1979年 201,071
29.11% ↑
1978年 155,738
33.85% ↑
1977年 116,349
32.12% ↑
1976年 88,060
27.75% ↑
1975年 68,933
10.14% ↑
1974年 62,589
-1.48% ↓
1973年 63,531
2.39% ↑
1972年 62,050 -
1971年 62,050
1.39% ↑
1970年 61,200
2.86% ↑
1969年 59,500
2.94% ↑
1968年 57,800
2.26% ↑
1967年 56,525
2.31% ↑
1966年 55,250
1.56% ↑
1965年 54,400
2.4% ↑
1964年 53,125
2.46% ↑
1963年 51,850
1.67% ↑
1962年 51,000
2.56% ↑
1961年 49,725 -

ブラジルのパパイヤ生産量の推移データは、国内農業の発展や経済構造の変化、さらには国際的な需要と供給の動向を反映する重要な指標です。このデータによると、初期の1960年代には比較的規模が小さかったパパイヤの生産量は、農業技術の向上、農地の拡大、国内外市場の拡大に伴い着実に増加しました。

特に1984年以降、550,000トン以上の生産量が記録され、これが大規模農業への転換点であったと考えられます。1990年代後半になると、ブラジルはパパイヤ生産において世界的な地位を確立するほどの成長を見せました。2002年以降は生産量が年間1,500,000トンを超える水準に達し、一貫した高い供給能力を維持しています。しかし、2012年以降には減少傾向が見られるようになり、2023年現在もその影響は残っています。

この生産量の変動には、複数の要因が関与していると考えられます。天候条件や病害虫の発生、農業技術やサプライチェーンの効率などが主な要因です。たとえば、2012年からの減少については、ブラジル国内での旱魃(かんばつ)や病害の流行が影響を与えたと指摘されています。また、国際市場での価格変動や他国、特にインドやタイといった競合国からの輸出圧力も影響している可能性があります。同時に、人件費や生産資材のコストの上昇も生産量に影響を与えた要因です。

地政学的な観点から言えば、農業用地の使用や輸出政策にも注目すべきです。ブラジル国内では、農業用地の最適化をめぐる政策課題がしばしば議題となっており、食品安全保障とのバランスを取る必要があります。また、環境問題も重要であり、大規模な農地開拓が森林伐採や生態系の破壊につながるという批判もあります。

未来に向けた具体的な課題としては、パパイヤ生産を持続可能な形で増加させるための施策が重要です。これには、以下のような施策が考えられます。第一に、気候変動による影響を最小化するための農業技術の導入です。例えば、高耐性品種の開発や水資源の効率的な利用が挙げられます。第二に、国際市場向け輸出競争力を高めるための物流および加工技術の改善です。特に品質保持や迅速な輸送を可能にするインフラ投資が重要です。第三に、国内外の政策枠組みの確立による貿易障壁の最小化も必要です。

結論として、ブラジルのパパイヤ生産量は過去数十年で大幅に成長しましたが、環境問題や国際競争、気候変動といった課題に直面しています。これらを克服するためには、持続可能な農業政策の導入や革新的技術の応用が不可欠です。国際的な農産物サプライチェーンの中でその地位をさらに強化していくためには、政府と民間セクターが連携し、これらの課題に取り組むことが重要です。

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