世界のパパイヤ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2020年のパパイヤ生産量ランキングでは、インドが5,780,000トンの生産量で1位となり、世界全体のパパイヤ生産を大きくリードしました。2位はブラジルで1,234,639トン、3位はメキシコで1,117,437トンと続いています。特にアジア、ラテンアメリカ、アフリカ地域に生産が集中しており、インド、ブラジル、メキシコの3カ国で世界全体の生産の約半分を占めています。一方で、アメリカ合衆国や欧州の生産量は極めて少なく、温暖な気候を要するパパイヤの栽培地が限られる地理的要因がその背景にあると考えられます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	インド	アジア	5,780,000
2	ブラジル	南アメリカ	1,234,639
3	メキシコ	南アメリカ	1,117,437
4	ドミニカ共和国	南アメリカ	1,094,495
5	インドネシア	アジア	1,016,388
6	ナイジェリア	アフリカ	886,752
7	中国	アジア	521,914
8	コンゴ民主共和国	アフリカ	210,492
9	コロンビア	南アメリカ	196,017
10	ペルー	南アメリカ	188,166
11	タイ	アジア	165,580
12	フィリピン	アジア	163,299
13	キューバ	南アメリカ	158,231
14	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	157,177
15	中国、台湾 中国省	アジア	138,333
16	バングラデシュ	アジア	130,679
17	ベトナム	アジア	114,585
18	ケニア	アフリカ	110,322
19	グアテマラ	南アメリカ	85,684
20	エチオピア	アフリカ	72,008
21	ガイアナ	南アメリカ	70,535
22	マラウイ	アフリカ	66,892
23	マレーシア	アジア	61,776
24	マリ	アフリカ	57,476
25	コスタリカ	南アメリカ	52,276
26	エクアドル	南アメリカ	50,473
27	モザンビーク	アフリカ	42,993
28	ラオス人民民主共和国	アジア	29,053
29	ハイチ	南アメリカ	26,536
30	イエメン	アジア	24,845
31	オーストラリア	オセアニア	19,648
32	ネパール	アジア	18,310
33	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	18,094
34	パナマ	南アメリカ	15,785
35	コートジボワール	アフリカ	14,270
36	パラグアイ	南アメリカ	11,379
37	ジャマイカ	南アメリカ	10,825
38	南アフリカ	アフリカ	10,555
39	パキスタン	アジア	8,537
40	プエルトリコ	南アメリカ	7,759
41	エルサルバドル	南アメリカ	6,287
42	オマーン	アジア	5,830
43	ガーナ	アフリカ	5,670
44	サウジアラビア	アジア	3,872
45	コンゴ	アフリカ	3,802
46	アメリカ合衆国	北アメリカ	3,760
47	フィジー	オセアニア	3,635
48	モルディブ	アジア	3,419
49	サモア	オセアニア	3,376
50	ギニアビサウ	アフリカ	3,054
51	ルワンダ	アフリカ	2,278
52	モロッコ	アフリカ	2,250
53	東ティモール	アジア	2,221
54	アルゼンチン	南アメリカ	2,209
55	チリ	南アメリカ	2,180
56	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,660
57	スリナム	南アメリカ	763
58	クック諸島	オセアニア	592
59	バハマ	南アメリカ	584
60	ホンジュラス	南アメリカ	341
61	ベリーズ	南アメリカ	311
62	イラン（イスラム共和国）	アジア	299
63	ブータン	アジア	206
64	ドミニカ	南アメリカ	90
65	イスラエル	アジア	83
66	チュニジア	アフリカ	75
67	カメルーン	アフリカ	46
68	ジンバブエ	アフリカ	44
69	ナウル	オセアニア	2
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国際連合食糧農業機関（FAO）の最新データによると、2020年のパパイヤ生産において、インドが非常に際立った位置を占めています。5,780,000トンという数値は、2位ブラジルの約4.7倍にのぼり、インドが世界のパパイヤ市場で圧倒的な優位性を持っていることを示しています。この結果は、インドの温暖な気候、多くの耕作地、そして伝統的な農業経験に支えられたものです。さらに国内市場の需要が高いことも、この生産量を後押ししていると考えられます。

一方、ブラジルとメキシコもそれぞれ1,234,639トン、1,117,437トンの生産量で、2位と3位を占めています。これらの国々では、パパイヤの輸出が農業輸出品目として非常に重要な地位を占めており、特に北米やヨーロッパ向けの輸出が盛んです。また、ドミニカ共和国やインドネシアも先頭集団に加わり、各国が強みを活かして生産を拡大していることが読み取れます。

アフリカではナイジェリアが1位の886,752トンで、他の大陸諸国を大きく引き離しています。これに続くコンゴ民主共和国やケニアも一定の生産量を維持しており、パパイヤの栽培がアフリカの農業経済にも貢献していると言えます。しかし、これらの国々では、収穫後の加工や輸送インフラが未整備であり、生産されたパパイヤの一部が市場に届かないという課題も抱えています。

中国では521,914トンの生産量が記録されており、農業技術の進展や国内需要の増加が生産を促進している要因と考えられます。中国の生産量は世界的に見れば上位に位置しますが、消費市場としての規模を考慮すると、輸入量もかなり多いと推測されます。日本の生産量はランキングに含まれていないことからしても、国内でのパパイヤ栽培は非常に限定的であり、主に輸入に頼っていることが明確です。

しかしながら、気候変動や病害虫の影響は近年、特定地域のパパイヤ生産に対して懸念材料となっています。異常気象により収穫量が安定せず、生産地ごとの収量が変動している状況が見られます。特にラテンアメリカでは、竜巻や暴風雨などの自然災害が農業に多大な被害を及ぼしています。

今後の課題としては、農業インフラや輸送網の整備、生産技術の向上が挙げられます。特にアフリカ諸国では、収穫後のパパイヤを迅速に市場へ供給する仕組みを整えることが経済発展につながるでしょう。また、一部の地域では持続可能な農業へのシフトが必要です。これは、土壌の劣化や過剰な水使用を防ぎ、長期的な農業活動を維持するために不可欠です。

さらに、国際的な協力を通じて天候変動や疫病への対策技術を共有することが有効です。地域の政治的情勢や紛争が農業活動に悪影響を与えるケースもあるため、安定した環境づくりも重要な要素となります。

全体として、2020年のデータは主に熱帯地域がパパイヤ栽培において突出した結果を示している一方で、多くの生産国が気候変動やインフラ不足という課題に直面していることを示唆しています。こうした背景から、国連機関やNGOが中心となり、各地域への技術導入や農業支援プログラムの拡充を図ることが求められるでしょう。また、生産地ごとに地場産業としてパパイヤ栽培を強化し、さらには輸出を通じた国際市場への参入を支援することも今後の重要な戦略と言えます。