Skip to main content

マルタの大麦生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、マルタの大麦生産量は1961年の1,900トンから始まり、1980年代には4,000トン弱でピークを迎えましたが、その後1990年代に大幅に減少しました。2000年代以降は2,000トン前後で一定の範囲に収まり、安定傾向を示しています。特に1991年から1995年にかけて生産量が急激に低下した後、2000年以降はゆるやかな回復傾向が見られます。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 2,174
0.54% ↑
2016年 2,163
-0.8% ↓
2015年 2,180
0.73% ↑
2014年 2,164
2.6% ↑
2013年 2,109
0.48% ↑
2012年 2,099
-1.39% ↓
2011年 2,129
-0.1% ↓
2010年 2,131
1.47% ↑
2009年 2,100
5% ↑
2008年 2,000
-9.09% ↓
2007年 2,200
10% ↑
2006年 2,000
-9.09% ↓
2005年 2,200
-4.35% ↓
2004年 2,300
4.55% ↑
2003年 2,200
10% ↑
2002年 2,000
-9.09% ↓
2001年 2,200
1.95% ↑
2000年 2,158
13.58% ↑
1999年 1,900
11.76% ↑
1998年 1,700
12.81% ↑
1997年 1,507
-46.18% ↓
1996年 2,800
154.55% ↑
1995年 1,100
-15.38% ↓
1994年 1,300
-13.33% ↓
1993年 1,500
-11.76% ↓
1992年 1,700
-5.56% ↓
1991年 1,800
-55.01% ↓
1990年 4,001
14.31% ↑
1989年 3,500
-10.26% ↓
1988年 3,900
2.63% ↑
1987年 3,800 -
1986年 3,800
-5% ↓
1985年 4,000 -
1984年 4,000
8.23% ↑
1983年 3,696
-3.32% ↓
1982年 3,823
-3.65% ↓
1981年 3,968
23.31% ↑
1980年 3,218
6.84% ↑
1979年 3,012
20.82% ↑
1978年 2,493
-5.5% ↓
1977年 2,638
18.83% ↑
1976年 2,220
13.21% ↑
1975年 1,961
13.95% ↑
1974年 1,721
11.68% ↑
1973年 1,541
-8.05% ↓
1972年 1,676
12.86% ↑
1971年 1,485
0.27% ↑
1970年 1,481
-12.52% ↓
1969年 1,693
-12.05% ↓
1968年 1,925
-10.84% ↓
1967年 2,159
12.8% ↑
1966年 1,914
-12% ↓
1965年 2,175
14.41% ↑
1964年 1,901
-12.8% ↓
1963年 2,180
14.38% ↑
1962年 1,906
0.32% ↑
1961年 1,900 -
+ すべての年度を見る

マルタの大麦生産量の推移を分析すると、1961年から1980年代までおおむね増加傾向をたどり、1984年から1985年にかけては4,000トンに到達するという顕著なピークを記録しました。しかし、それ以降、生産量は減少を始め、特に1990年代に1,100トンまで減少し、大幅な生産規模の縮小が見られる時期がありました。この現象の背景として、耕作面積の減少や干ばつなどの気象条件の悪化、政策的な農業支援の不足、あるいはヨーロッパ内での市場競争激化による国内農業の衰退が考えられます。また、1995年には過去最低の1,100トンとなり、1980年代の水準から極端に遠ざかる結果となりました。

2000年以降は2,000トン程度の生産量で安定しており、1970年代の水準に回帰した形となっています。この安定には、大麦の市場需要が落ち着いたことや、栽培技術が一定基準で維持されていることが寄与している可能性があります。特に、2010年から2017年の間は毎年約2,000トンから2,200トンの範囲で推移しており、過去の変動が緩和されている様子が明らかです。

この推移を踏まえると、現在の大麦生産量は安定的ではあるものの、過去のピーク時と比較すると非常に小規模な水準に落ち着いており、耕作面積の制約や気象変動への対応がいまだ課題として残されていると考えられます。マルタは総面積が狭い島国であり、農地の確保は他国と比べても大きな課題です。また、気象条件が農業生産に直結するため、気候変動に対する対応力の向上も急務です。

地政学的な背景として、マルタがEU加盟国である以上、EUにおける農業政策の枠組み(共通農業政策:CAP)の影響を強く受ける点も重要です。EU内で市場競争が激化する中、マルタの小規模農業が大麦生産の規模を引き上げるのは難しい可能性があります。しかしながら、地域内での協力を強化し、技術移転や資金援助を受ける形で生産性を向上させる余地なども残されています。

今後は、地元生産者への支援政策の強化や、大麦を含む農産物の付加価値を高める戦略が必要です。例えば、環境にやさしい持続可能な農業の推進や、特産品としてのブランド化を図ることで、大麦生産の安定化とともに農業全体の競争力を高めることが可能です。また、干ばつや豪雨などの自然災害への対策として、灌漑設備の改良や気象リスクに対応できる農業技術の導入も重要です。

結論として、マルタの大麦生産は、1980年代のピーク時と比較して規模の縮小は避けられないものの、2000年以降の安定した数値推移は一つの希望ととらえることができます。今後は、地元農業の持続性を確保するため、環境対応型の持続可能な農業政策や地域間の協力促進を図ることが国際的にも有益な方向性となるでしょう。

マルタの統計データ
キーワード検索
楽天おすすめ