マルタの1950年～2100年総人口推移｜実データと未来予測を徹底解説

出典：国連事務局(United Nations) World Population Prospects 2024

マルタの1950年から2100年までの人口推移を見ると、人口は1950年の約29万から2023年にはおよそ53万人まで増加しました。特に2015年以降急速に増加していることが分かります。一方で、人口のピークは2029年（約55万4106人）とされ、その後は減少に転じ、2100年には約36万人まで減少する予測が示されています。このデータから、人口動態の歴史的変化と、将来に向けた課題が浮き彫りになります。

「マルタ」総人口推移（過去）

「マルタ」総人口推移（未来予測）

マルタってどんなところ?

正式名称: マルタ共和国
英語名: Malta
首都: バレッタ（Valletta）
地域: ヨーロッパ /南ヨーロッパ
総人口: 53万人
面積: 320 ㎢

「マルタ」の総人口推移について

マルタの人口動態を詳細に分析すると、いくつかの重要なポイントが見えてきます。まず、20世紀半ばの1950年代から徐々に人口が増加しているものの、1960年代にはやや減少傾向が見られます。この減少は移民の増加や経済的な不安定さによるもので、多くの国々が同様の課題に直面していました。1970年代以降、安定的な経済成長とともに人口も再び増加に転じ、1990年代からは比較的緩やかな上昇が続きました。

2015年以降に急速な人口増加が観察されるのは、移民の受け入れ拡大や欧州連合（EU）への加盟後の経済成長が影響しています。特に、労働力確保のための移民政策と観光資源の活用が、人口増加の主な要因とされています。2029年の人口ピーク予測（約55万人）は、マルタの移民政策の成功と限られた国土における生活条件の限界を示しているといえます。

マルタの人口減少が始まるのは2030年以降です。この動向は少子高齢化や出生率の低下が影響しています。現在でも先進国の共通課題として出生率の低下は深刻であり、マルタも例外ではありません。人口減少と同時に高齢化が進むことで、労働力不足や社会福祉の負担増加が考えられます。また、2100年には人口が現時点の約3分の2近い36万人にまで落ち込むと予測されており、この傾向がもたらす波及的な課題が懸念されます。

さらに、地政学的な観点からもマルタの人口動態を見る必要があります。マルタは地中海の中心に位置することから、EUや周辺地域の動向に大きく影響を受けています。特に、近隣の北アフリカや中東地域での政治的な不安定さや紛争、気候変動による移住圧力が、マルタの移民政策と人口動態に与える影響は無視できません。

未来への対策として、まず出生率向上のための家族支援策の強化が必要です。これには、育児支援金の充実、働く家庭への支援、保育サービス拡充などが効果を発揮すると考えられます。また、移民政策のさらなる最適化も求められます。具体的には、高スキル労働者の誘致や、移民の社会統合を進める制度設計が大きなポイントになります。これに加えて、持続可能な都市設計やインフラ整備を進め、限られた国土における人口増加の負の影響を最小限に抑える努力が必要です。

結論として、マルタの人口は歴史的に安定と変動を繰り返しながら推移してきました。今後は減少傾向に入るという予測に基づき、政府や社会全体でバランスの取れた人口政策を実施していくことが肝心です。これは、マルタが将来的な経済的・社会的安定を維持する上で不可欠な取り組みとなるでしょう。

1950年から2100年までの「マルタ」の総人口推移

年度	総人口	人口変化	増加率
1950年	29万人	+7,113	2.414% ↑
1951年	30万人	+4,438	1.477% ↑
1952年	30万人	+4,467	1.465% ↑
1953年	30万人	+4,405	1.424% ↑
1954年	31万人	+4,397	1.401% ↑
1955年	31万人	+4,392	1.381% ↑
1956年	32万人	+4,242	1.316% ↑
1957年	32万人	+4,234	1.296% ↑
1958年	32万人	+1,194	0.362% ↑
1959年	33万人	+696	0.211% ↑
1960年	33万人	+238	0.072% ↑
1961年	33万人	-181	-0.055% ↓
1962年	33万人	-539	-0.163% ↓
1963年	32万人	-827	-0.251% ↓
1964年	32万人	-1,207	-0.367% ↓
1965年	32万人	-1,574	-0.481% ↓
1966年	32万人	-1,873	-0.575% ↓
1967年	32万人	-1,850	-0.571% ↓
1968年	32万人	+1,248	0.386% ↑
1969年	32万人	+1,234	0.380% ↑
1970年	32万人	+1,282	0.393% ↑
1971年	32万人	+1,281	0.391% ↑
1972年	32万人	+1,352	0.411% ↑
1973年	33万人	+1,535	0.465% ↑
1974年	33万人	+1,718	0.518% ↑
1975年	33万人	+1,825	0.547% ↑
1976年	33万人	+1,846	0.551% ↑
1977年	33万人	+1,903	0.564% ↑
1978年	33万人	+1,898	0.560% ↑
1979年	34万人	+1,922	0.564% ↑
1980年	34万人	+1,890	0.551% ↑
1981年	34万人	+1,860	0.540% ↑
1982年	34万人	+1,925	0.555% ↑
1983年	34万人	+1,968	0.565% ↑
1984年	35万人	+1,952	0.557% ↑
1985年	35万人	+2,078	0.589% ↑
1986年	35万人	+2,943	0.829% ↑
1987年	35万人	+3,065	0.856% ↑
1988年	36万人	+3,222	0.892% ↑
1989年	36万人	+3,373	0.925% ↑
1990年	36万人	+3,400	0.924% ↑
1991年	37万人	+3,447	0.928% ↑
1992年	37万人	+3,479	0.928% ↑
1993年	37万人	+3,366	0.890% ↑
1994年	38万人	+3,108	0.815% ↑
1995年	38万人	+3,083	0.802% ↑
1996年	38万人	+3,066	0.791% ↑
1997年	39万人	+3,044	0.779% ↑
1998年	39万人	+3,147	0.799% ↑
1999年	39万人	+3,081	0.776% ↑
2000年	39万人	+2,932	0.733% ↑
2001年	40万人	+2,847	0.707% ↑
2002年	40万人	+2,713	0.669% ↑
2003年	40万人	+2,611	0.640% ↑
2004年	41万人	+2,531	0.616% ↑
2005年	41万人	+2,513	0.608% ↑
2006年	41万人	+1,757	0.423% ↑
2007年	41万人	+1,727	0.414% ↑
2008年	41万人	+1,818	0.434% ↑
2009年	42万人	+1,833	0.436% ↑
2010年	42万人	+1,879	0.445% ↑
2011年	42万人	+2,077	0.489% ↑
2012年	42万人	+1,887	0.442% ↑
2013年	42万人	+1,797	0.419% ↑
2014年	43万人	+10,267	2.363% ↑
2015年	44万人	+10,725	2.410% ↑
2016年	45万人	+9,852	2.164% ↑
2017年	46万人	+15,415	3.295% ↑
2018年	48万人	+17,895	3.693% ↑
2019年	50万人	+21,021	4.171% ↑
2020年	51万人	+7,361	1.421% ↑
2021年	52万人	+4,979	0.950% ↑
2022年	52万人	+2,652	0.502% ↑
2023年	53万人	+6,876	1.290% ↑
2024年	53万人	+6,426	1.191% ↑
2025年	54万人	+5,170	0.948% ↑
2026年	54万人	+2,042	0.372% ↑
2027年	55万人	+1,886	0.342% ↑
2028年	55万人	+1,573	0.285% ↑
2029年	55万人	+1,229	0.222% ↑
2030年	55万人	+1,023	0.184% ↑
2031年	55万人	+754	0.136% ↑
2032年	55万人	+559	0.100% ↑
2033年	55万人	+103	0.018% ↑
2034年	55万人	-376	-0.068% ↓
2035年	55万人	-550	-0.099% ↓
2036年	55万人	-703	-0.126% ↓
2037年	55万人	-865	-0.156% ↓
2038年	55万人	-1,120	-0.202% ↓
2039年	55万人	-1,215	-0.220% ↓
2040年	55万人	-1,190	-0.216% ↓
2041年	55万人	-1,360	-0.247% ↓
2042年	54万人	-1,323	-0.241% ↓
2043年	54万人	-1,502	-0.274% ↓
2044年	54万人	-1,513	-0.277% ↓
2045年	54万人	-1,616	-0.297% ↓
2046年	54万人	-1,651	-0.304% ↓
2047年	54万人	-1,937	-0.358% ↓
2048年	53万人	-1,798	-0.333% ↓
2049年	53万人	-1,723	-0.321% ↓
2050年	53万人	-1,991	-0.372% ↓
2051年	53万人	-2,174	-0.407% ↓
2052年	53万人	-2,132	-0.401% ↓
2053年	52万人	-2,076	-0.392% ↓
2054年	52万人	-1,999	-0.379% ↓
2055年	52万人	-2,249	-0.428% ↓
2056年	52万人	-2,278	-0.436% ↓
2057年	52万人	-2,207	-0.424% ↓
2058年	51万人	-2,344	-0.452% ↓
2059年	51万人	-2,578	-0.500% ↓
2060年	51万人	-2,650	-0.516% ↓
2061年	51万人	-2,709	-0.530% ↓
2062年	50万人	-2,938	-0.579% ↓
2063年	50万人	-2,929	-0.580% ↓
2064年	50万人	-3,115	-0.621% ↓
2065年	49万人	-3,281	-0.658% ↓
2066年	49万人	-3,414	-0.689% ↓
2067年	49万人	-3,567	-0.725% ↓
2068年	48万人	-3,761	-0.770% ↓
2069年	48万人	-3,833	-0.791% ↓
2070年	48万人	-3,847	-0.801% ↓
2071年	47万人	-3,992	-0.838% ↓
2072年	47万人	-4,077	-0.863% ↓
2073年	46万人	-4,140	-0.884% ↓
2074年	46万人	-4,194	-0.903% ↓
2075年	46万人	-4,293	-0.933% ↓
2076年	45万人	-4,606	-1.011% ↓
2077年	45万人	-4,570	-1.013% ↓
2078年	44万人	-4,549	-1.019% ↓
2079年	44万人	-4,593	-1.039% ↓
2080年	43万人	-4,615	-1.055% ↓
2081年	43万人	-4,706	-1.088% ↓
2082年	42万人	-4,520	-1.056% ↓
2083年	42万人	-4,622	-1.091% ↓
2084年	41万人	-4,495	-1.073% ↓
2085年	41万人	-4,377	-1.056% ↓
2086年	41万人	-4,417	-1.077% ↓
2087年	40万人	-4,247	-1.047% ↓
2088年	40万人	-3,985	-0.992% ↓
2089年	39万人	-3,992	-1.004% ↓
2090年	39万人	-3,947	-1.003% ↓
2091年	38万人	-3,835	-0.984% ↓
2092年	38万人	-3,633	-0.941% ↓
2093年	38万人	-3,561	-0.931% ↓
2094年	37万人	-3,540	-0.934% ↓
2095年	37万人	-3,452	-0.920% ↓
2096年	37万人	-3,186	-0.856% ↓
2097年	36万人	-3,115	-0.844% ↓
2098年	36万人	-3,010	-0.823% ↓
2099年	36万人	-2,996	-0.826% ↓
2100年	35万人	-2,897	-0.805% ↓