Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、コートジボワールのオクラ生産量は1990年以降おおむね増加傾向にありました。生産量は1990年の10万トンから2020年には約18.8万トンに達しました。ただし、2021年以降減少傾向に転じ、2023年には約10.1万トンと急落しました。この急激な減少は、生産体制や気候条件、社会的要因が関連している可能性が考えられます。
コートジボワールのオクラ生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 101,155 |
-44.97% ↓
|
2022年 | 183,833 |
-1.22% ↓
|
2021年 | 186,112 |
-1.39% ↓
|
2020年 | 188,736 |
4.08% ↑
|
2019年 | 181,337 |
3% ↑
|
2018年 | 176,055 |
11.43% ↑
|
2017年 | 158,000 |
3.27% ↑
|
2016年 | 153,000 |
4.08% ↑
|
2015年 | 147,000 |
3.4% ↑
|
2014年 | 142,160 |
2.2% ↑
|
2013年 | 139,094 |
3.6% ↑
|
2012年 | 134,260 |
3.6% ↑
|
2011年 | 129,594 |
3.06% ↑
|
2010年 | 125,748 |
3.57% ↑
|
2009年 | 121,417 |
4.75% ↑
|
2008年 | 115,913 |
3% ↑
|
2007年 | 112,537 |
3.17% ↑
|
2006年 | 109,082 |
3.3% ↑
|
2005年 | 105,597 |
3.31% ↑
|
2004年 | 102,211 |
3.31% ↑
|
2003年 | 98,934 |
-30.57% ↓
|
2002年 | 142,498 |
2.1% ↑
|
2001年 | 139,567 |
50.58% ↑
|
2000年 | 92,685 |
2.14% ↑
|
1999年 | 90,739 |
2.15% ↑
|
1998年 | 88,833 |
-5.71% ↓
|
1997年 | 94,215 |
-12.43% ↓
|
1996年 | 107,584 |
-10.35% ↓
|
1995年 | 120,000 |
3.53% ↑
|
1994年 | 115,910 |
2.88% ↑
|
1993年 | 112,663 |
2.42% ↑
|
1992年 | 110,000 |
6.33% ↑
|
1991年 | 103,451 |
3.45% ↑
|
1990年 | 100,000 | - |
コートジボワールは、アフリカ西部の農業国家で、特にオクラの生産は国内消費や輸出において重要な役割を果たしています。この野菜は栄養価が高く、ビタミンやミネラルを豊富に含み、地域の食文化にも深く根ざしています。データによると、1990年から2020年にかけて、オクラの生産量はおおむね増加してきました。特に2018年から2020年にかけて急激な伸びを示し、188,736トンという最高値を記録しました。この増加は、農業技術の改良や国内外の需要増加によるものと考えられます。
しかし、2021年以降は減少傾向にあり、2023年には101,155トンと大幅な落ち込みが見られました。この急激な減少にはいくつかの要因が関与している可能性があります。まず、気候変動による影響が考えられます。この地域では雨季と乾季の分布の変化や、異常気象による農作物の被害が頻発していることが報告されています。オクラは特に水分量や温度に敏感な作物であるため、適切な環境が確保されなければ収量が顕著に減少する可能性があります。
また、地政学的なリスクも無視できません。コートジボワール周辺では、不安定な政情や社会的な対立が農業活動に影響を与えているという報告もあります。例えば、輸送インフラや市場へのアクセスが制限されることで、収穫物の販売に支障をきたすケースがあります。このような状況は、農家の収入減少にもつながり、生産意欲の低下を引き起こします。
さらに、新型コロナウイルスの世界的流行が与えた影響も考慮すべきです。パンデミックにより、農業労働力の確保が難しくなり、加えて国際的な輸出入が停滞した可能性があります。これにより、オクラの需要と供給のバランスが大きく乱れ、生産が減少したことが予測されます。
2023年の急激な生産減少には、さらに突発的な要因も絡んでいると思われます。たとえば、自然災害や病害虫の発生がオクラ生産を著しく制限した可能性があるでしょう。この点に関しては、詳細な現地調査が必要です。
今後の課題として、まず気候変動による影響を軽減するための対策が求められます。具体的には、灌漑技術の導入や、水不足に強いオクラの品種開発が必要です。また、農家への教育や支援プログラムを通じて、効果的な栽培技術を普及させることも重要です。さらに、インフラの整備や輸出促進政策を通じて市場アクセスを向上させることが、生産者にとって大きな励みとなるでしょう。
さらに、地政学的リスクを軽減するためには、政府や国際機関が協力して社会の安定化に努める必要があります。地域の平和を維持するための外交努力や、農業を優先した経済政策の実施が、生産量の回復に寄与すると考えられます。
結論として、コートジボワールのオクラ生産には依然として大きな潜在力があります。適切な政策や技術導入、地域間協力を強化することで、持続可能な農業発展を実現し、将来的にも安定した生産量を維持することが期待されます。この取り組みは、地域の経済成長を支える重要な柱として機能するだけでなく、世界規模でのオクラの供給安定に貢献する可能性があります。