Skip to main content

コートジボワールの落花生生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、コートジボワールの落花生生産量は、1961年に19,600トンだったものが2023年には240,000トンに達し、大幅な増加を記録しています。特に2010年代半ば以降、生産量の急激な伸びが見られ、2014年から2015年の一年間だけでも約1.5倍となりました。その後も成長を続け、現在は安定した高水準で推移しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 240,000
-1.23% ↓
2022年 243,000
3.89% ↑
2021年 233,890
2.78% ↑
2020年 227,571
4.58% ↑
2019年 217,600
3.86% ↑
2018年 209,516
3.67% ↑
2017年 202,103
6.31% ↑
2016年 190,100
6.32% ↑
2015年 178,800
51.92% ↑
2014年 117,692
23.67% ↑
2013年 95,166
1.79% ↑
2012年 93,490
1.79% ↑
2011年 91,844
1.79% ↑
2010年 90,227
6.21% ↑
2009年 84,952
4.86% ↑
2008年 81,015
16.98% ↑
2007年 69,256
0.02% ↑
2006年 69,239
2.97% ↑
2005年 67,239
3% ↑
2004年 65,280
3.25% ↑
2003年 63,226
3.3% ↑
2002年 61,207
-16.6% ↓
2001年 73,394
2.14% ↑
2000年 71,853
2.15% ↑
1999年 70,344
2.14% ↑
1998年 68,867
2.14% ↑
1997年 67,421 -
1996年 67,419
1.71% ↑
1995年 66,284
1.71% ↑
1994年 65,167
1.71% ↑
1993年 64,070
1.71% ↑
1992年 62,991
1.71% ↑
1991年 61,930
1.71% ↑
1990年 60,888
1.71% ↑
1989年 59,862
1.71% ↑
1988年 58,854
1.71% ↑
1987年 57,863
1.71% ↑
1986年 56,889
1.71% ↑
1985年 55,931
1.71% ↑
1984年 54,989
1.71% ↑
1983年 54,063
1.71% ↑
1982年 53,152
1.71% ↑
1981年 52,257
1.71% ↑
1980年 51,377
-0.62% ↓
1979年 51,700
3.82% ↑
1978年 49,800
2.05% ↑
1977年 48,800
-0.41% ↓
1976年 49,000
0.41% ↑
1975年 48,800
5.17% ↑
1974年 46,400
6.67% ↑
1973年 43,500
6.1% ↑
1972年 41,000
0.49% ↑
1971年 40,800
-4% ↓
1970年 42,500 -
1969年 42,500
33.65% ↑
1968年 31,800
6% ↑
1967年 30,000 -
1966年 30,000
-6.25% ↓
1965年 32,000
13.07% ↑
1964年 28,300
-2.75% ↓
1963年 29,100
0.69% ↑
1962年 28,900
47.45% ↑
1961年 19,600 -

コートジボワールの落花生生産量の推移を振り返ると、1960年代から1980年代は緩やかな増加傾向が続き、毎年生産量は数千トンずつ堅調に拡大していました。この期間は、主に農業技術の向上や小規模農家による栽培活動の拡大が基盤となった成長であると考えられます。ただし、1990年代に入るとその成長は幾分鈍化し、1997年から2001年ごろまでは一定の生産量で停滞が見られました。その後、2000年代中盤には再び増加基調を取り戻しましたが、大きな飛躍が起きたのは2010年代以降です。

特に、2014年から2015年の間に生産量が117,692トンから178,800トンへと大幅に増加し、約50%の成長が達成されました。この一因としては、政府主導の農業支援政策や農業技術革新プロジェクト、さらに輸出市場の拡大を目指した取り組みが寄与した可能性があります。この期間以降は増産が加速し、2020年代には年平均で約10,000トン以上のペースで生産量が増加しています。

しかし、この急成長にはいくつかの課題も指摘されています。一つは、気候変動によって収穫量が変動しやすいという特性です。コートジボワールは西アフリカに位置し、降雨の不安定さや気温上昇の影響を受けやすく、これが農業全体のリスク要因となっています。また、生産過程において土壌の持続可能性を確保するための工夫が必要です。大規模な農業生産の拡大は、土壌の劣化や森林伐採による生態系への影響を引き起こす恐れがあります。

さらに、地政学的な観点からも懸念が存在しています。コートジボワール国内および周辺地域では、過去の政治的対立や社会的不安定が食糧生産に悪影響を及ぼした歴史があります。これが再発することは、生産の減少や輸出市場での競争力低下を招く可能性もあると言われています。また、輸出市場の主要な競合国であるナイジェリアやセネガルなどの近隣諸国も、同様に落花生の生産拡大に力を入れているため国際競争が激化しつつあります。

今後の対策としては、施設栽培や灌漑設備の充実、気候耐性を持った品種の研究・導入などが有効です。また、農業のデジタル化を促進し、データに基づいた効率の良い農業経営を進めることも重要です。さらに、輸出マーケットの多角化を図るとともに、公平で安定した取引を確保するための地域的な協力体制を構築することが必要です。特に、落花生を加工食品として輸出するためのインフラや技術、認証制度を整備することで、付加価値の高い形での産業発展が期待されます。

全体として、コートジボワールの落花生生産は50年以上にわたり順調に成長してきた成功事例と言えますが、環境保全や市場競争、地政学的リスクなどの課題解決に向けた持続的な努力が求められます。国や国際機関、地域協力の枠組みによる支援がその鍵となるでしょう。

キーワード検索
楽天おすすめ