Skip to main content

コートジボワールのフォニオ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、コートジボワールのフォニオ生産量は1961年の4,000トンから2022年の18,912トンまで、長期的に増加傾向を示しています。特に1980年代以降は全体的な伸びが顕著で、2008年に16,700トン、2018年には22,749トンというピークを記録しました。しかし、近年では短期的な生産量の変動が見られ、2022年には若干の減少が確認されています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 19,558
3.42% ↑
2022年 18,912
-9.06% ↓
2021年 20,795
11.6% ↑
2020年 18,634
1.12% ↑
2019年 18,427
-19% ↓
2018年 22,749
11.51% ↑
2017年 20,400
3.03% ↑
2016年 19,800
2.59% ↑
2015年 19,300
2.77% ↑
2014年 18,780
11.72% ↑
2013年 16,810
-5.11% ↓
2012年 17,715
2.28% ↑
2011年 17,320
-0.92% ↓
2010年 17,480
3.31% ↑
2009年 16,920
1.32% ↑
2008年 16,700
19.29% ↑
2007年 14,000
0.72% ↑
2006年 13,900
0.72% ↑
2005年 13,800
15.26% ↑
2004年 11,973
3.38% ↑
2003年 11,581
-18.32% ↓
2002年 14,179
2.1% ↑
2001年 13,887
2.14% ↑
2000年 13,596
2.15% ↑
1999年 13,310
2.14% ↑
1998年 13,031
2.15% ↑
1997年 12,757
5.19% ↑
1996年 12,128
5.19% ↑
1995年 11,530
5.19% ↑
1994年 10,961
5.18% ↑
1993年 10,421
5.19% ↑
1992年 9,907
5.19% ↑
1991年 9,418
5.18% ↑
1990年 8,954
5.19% ↑
1989年 8,512
5.18% ↑
1988年 8,093
5.19% ↑
1987年 7,694
5.2% ↑
1986年 7,314
5.18% ↑
1985年 6,954
5.19% ↑
1984年 6,611
5.19% ↑
1983年 6,285
5.19% ↑
1982年 5,975
5.19% ↑
1981年 5,680
5.19% ↑
1980年 5,400
151.16% ↑
1979年 2,150 -
1978年 2,150
3.12% ↑
1977年 2,085
2.96% ↑
1976年 2,025 -
1975年 2,025
6.58% ↑
1974年 1,900 -
1973年 1,900 -
1972年 1,900 -
1971年 1,900 -
1970年 1,900
-74.67% ↓
1969年 7,500 -
1968年 7,500 -
1967年 7,500
7.14% ↑
1966年 7,000 -
1965年 7,000
-11.39% ↓
1964年 7,900
-8.14% ↓
1963年 8,600
72% ↑
1962年 5,000
25% ↑
1961年 4,000 -

コートジボワールは、西アフリカにおける主要な農業国で、特に伝統的な穀物であるフォニオの生産が注目されています。フォニオは、耐暑性や土壌の適応力が高いことから、極端な気候条件にも強い作物であり、多くの農村地域で主食として消費されてきました。この一連のデータから、コートジボワールのフォニオ生産は異なる時期において、異なる要因による影響を受けてきたことが確認できます。

1961年から1980年代にかけて、フォニオ生産量は相対的に低い水準にありました。この期間に見られる一部の増減は、農業技術の普及度や気候条件、さらには地域政策の影響と考えられます。たとえば、1970年から1974年の生産量の急落(1,900トン)には、土壌の劣化やその他の作物へのシフトが影響している可能性があります。しかし、1980年代に入ると持続的な上昇トレンドが明瞭となり、農業技術やインフラの向上、政府の農業振興政策、さらには地域経済の安定が背景にあると考えられます。

2000年代以降、フォニオの生産はさらなる成長を遂げ、2008年には16,700トン、2018年には22,749トンという最高値に達しました。この成長は、農家による収穫技術の改善や、地域内での需要増加、さらにはフォニオが栄養価の高い「スーパーフード」として認識されるようになったことが一因と考えられます。しかし、2019年以降のデータからは、気候変動や社会的な安定性の問題に起因する生産変動が見られます。特に2022年には、22,749トンを記録した2018年と比較してやや減少しました。

地域課題としては、農業従事者の高齢化、若年層の都市部への流出、土壌の劣化、灌漑施設の不足などが考えられます。さらに、気候変動による降水量の不安定化や高温ストレスが、今後のフォニオ生産に与える影響も懸念されます。こうした課題を解決するためには、持続可能な農業政策の促進、農村地域のインフラ投資、若年層の農業への参加を促進するための教育プログラムが必要です。また、フォニオはコートジボワール国内だけでなく、他国でも需要が高まっており、輸出を視野に入れた生産拡大や国際市場参入が経済的な成長に貢献する可能性もあります。

さらに、地政学的な背景として、隣接する国々との地域間競争がやや影響を及ぼしています。同地域では、フォニオ以外にもトウモロコシやキャッサバなど他の穀物も競合しており、生産効率や市場シェアを巡る課題があります。そのため、国際的な農業支援機構と連携を図り、データ駆動型の農業計画や耐性品種の導入などが求められます。

結論として、フォニオはコートジボワールの農業経済にとって重要な資源であり、その生産を安定させることが地域社会の繁栄に不可欠です。しかし、気候変動や社会経済的課題を乗り越えるためには、農業政策と国際的支援を組み合わせた長期的な戦略が必要です。国際連合や地域協力機構と連携し、統合的な枠組みを通じて持続可能な発展を目指すべきでしょう。