世界の茶葉生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2020年度の茶葉生産量ランキングによると、中国が約12,747,000トンで1位を占め、大きな差で他国を引き離しています。次いでインド（5,485,000トン）とケニア（3,050,000トン）が2位と3位に位置しています。アジアの国々が上位を占める傾向が見られるものの、ケニアやスリランカといったアフリカや南アジアの国々も重要な生産地となっています。日本は328,800トンで11位にランクインしていますが、世界全体の主要生産国に比べてその生産規模は限られています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	12,747,000
2	インド	アジア	5,485,000
3	ケニア	アフリカ	3,050,000
4	スリランカ	アジア	1,500,000
5	トルコ	アジア	1,417,685
6	ベトナム	アジア	1,064,993
7	インドネシア	アジア	626,000
8	バングラデシュ	アジア	412,000
9	ウガンダ	アフリカ	390,000
10	アルゼンチン	南アメリカ	335,225
11	日本	アジア	328,800
12	マラウイ	アフリカ	253,800
13	ルワンダ	アフリカ	140,005
14	タンザニア連合共和国	アフリカ	125,000
15	ネパール	アジア	119,600
16	ミャンマー	アジア	112,404
17	タイ	アジア	103,420
18	イラン（イスラム共和国）	アジア	94,502
19	ジンバブエ	アフリカ	80,000
20	ブルンジ	アフリカ	51,043
21	中国、台湾 中国省	アジア	14,341
22	エチオピア	アフリカ	10,386
23	マレーシア	アジア	9,395
24	ラオス人民民主共和国	アジア	6,407
25	パプアニューギニア	オセアニア	5,589
26	カメルーン	アフリカ	5,512
27	モーリシャス	アフリカ	5,105
28	モザンビーク	アフリカ	4,876
29	コンゴ民主共和国	アフリカ	4,446
30	グルジア	アジア	2,400
31	大韓民国	アジア	2,371
32	ブラジル	南アメリカ	2,010
33	南アフリカ	アフリカ	1,819
34	ペルー	南アメリカ	1,645
35	エクアドル	南アメリカ	1,579
36	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	1,212
37	ザンビア	アフリカ	949
38	アゼルバイジャン	アジア	932
39	エルサルバドル	南アメリカ	706
40	グアテマラ	南アメリカ	550
41	マダガスカル	アフリカ	394
42	ロシア連邦	ヨーロッパ	342
43	コロンビア	南アメリカ	170
44	モンテネグロ	ヨーロッパ	100
45	マリ	アフリカ	92
46	セーシェル	アフリカ	9
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国際連合食糧農業機関（FAO）の最新データに基づき、2020年度の世界茶葉生産量ランキングを詳しく見てみると、中国が圧倒的な生産規模を持つことが明らかです。12,747,000トンという数字は、全世界の総生産量において主要な割合を占め、同国の生産力の高さを示しています。世界最大の人口を抱える中国は、自国の需要を満たしながらも大量の輸出によって市場を支えています。対照的に2位のインドは約5,485,000トンと半分以下の生産量ですが、地理的条件や気候が茶の栽培に適しているため、紅茶の主な生産国としても知られています。

アジア以外に目を向けると、3位にランクインしているケニアは、3,050,000トンの生産量でアフリカのリーダー格と言えます。同国の茶産業は輸出を重視しており、国内よりも国際市場への依存が高い傾向があります。また、トルコやアルゼンチンといった一見すると認知度の低い国々が上位に名を連ねていることからも、茶の生産は広範囲にわたる適応性を持つ作物であることがわかります。一方で、日本の生産量は328,800トンと11位で、中国やインドなどと比較してかなり小規模ですが、造詣の深い緑茶を中心に高品質で付加価値の高い製品を輸出しています。

一方で、これらのデータが示す現状には課題も浮かび上がります。まず、生産の集中が特定の国や地域に偏っており、天候変動や自然災害、感染症などのリスクに対して脆弱性が高いという点が挙げられます。例えば、新型コロナウイルス感染症の影響下で物流の停滞や需要の変動が生じたことで、一部の国では輸出市場に混乱をきたしました。また、気候変動の進行により、栽培可能地域が縮小する恐れもあり、特に標高の高い地域に依存しているスリランカやケニアには大きなリスクが伴います。

さらに、ある地域では安価な労働力に頼った生産が行われる一方で、生産者や労働者の待遇問題も深刻です。こうした問題は長期的には産業の持続性に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、地政学的背景も無視できません。例えば、インドや中国のように隣国間で茶市場をめぐる競争が進むと、政治的衝突の原因になるリスクも孕んでいます。

こうした課題に対処するための具体的な提言としては、まず生産地域の多様化が挙げられます。気候や地理条件に左右されやすい茶産業を支えるために、新しい地域への技術支援や農地拡大の試みが必要です。また、生産から販売までのサプライチェーンの効率化を図るとともに、各生産国間で協力体制を構築し、知見の共有や統一的な品質基準の導入を進めることが有効です。そのうえで、フェアトレードや労働環境の改善を推進し、生産者への利益配分の適正化を図ることが重要です。

日本にとっては、品質の高い茶葉を生かしたブランド戦略や海外市場へのさらなるアプローチが必要でしょう。特に茶文化の発信を伴った観光産業との連携が、グローバル市場での競争力強化につながると考えられます。

全体として、世界の茶葉生産は安定した成長を見せているものの、長期的には気候変動リスクや地域間の課題がその継続性を脅かす可能性があります。そのため、関係機関や各国政府は、持続可能な農業モデルの策定や多国間協力の構築を優先的に推進する必要があります。