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世界のブドウ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国連食糧農業機関(FAO)が発表した2021年度のブドウ生産量ランキングによると、世界最大の生産量を誇る国は中国で約15,000,000トンを記録しました。2位にはイタリア(8,149,400トン)、3位にはスペイン(6,086,920トン)がランクインしました。日本は165,100トンで41位と、アジア各国の中で一定の位置を占めています。一方で、最下位付近にはブドウ栽培が限られている中東のアラブ首長国連邦(35トン)やカタール(3トン)が挙げられています。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 中国国旗 中国 アジア 14,998,000
2 イタリア国旗 イタリア ヨーロッパ 8,149,400
3 スペイン国旗 スペイン ヨーロッパ 6,086,920
4 アメリカ合衆国国旗 アメリカ合衆国 北アメリカ 5,474,860
5 フランス国旗 フランス ヨーロッパ 5,073,590
6 トルコ国旗 トルコ アジア 3,670,000
7 インド国旗 インド アジア 3,358,000
8 チリ国旗 チリ 南アメリカ 2,339,343
9 アルゼンチン国旗 アルゼンチン 南アメリカ 2,241,420
10 南アフリカ国旗 南アフリカ アフリカ 2,000,297
11 オーストラリア国旗 オーストラリア オセアニア 1,885,537
12 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 1,748,206
13 ウズベキスタン国旗 ウズベキスタン アジア 1,695,259
14 イラン(イスラム共和国)国旗 イラン(イスラム共和国) アジア 1,614,555
15 エジプト国旗 エジプト アフリカ 1,472,418
16 ドイツ国旗 ドイツ ヨーロッパ 1,151,470
17 ルーマニア国旗 ルーマニア ヨーロッパ 1,005,280
18 アフガニスタン国旗 アフガニスタン アジア 993,884
19 ポルトガル国旗 ポルトガル ヨーロッパ 977,670
20 ギリシャ国旗 ギリシャ ヨーロッパ 828,280
21 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 826,370
22 ロシア連邦国旗 ロシア連邦 ヨーロッパ 751,494
23 アルジェリア国旗 アルジェリア アフリカ 630,022
24 モルドバ共和国国旗 モルドバ共和国 ヨーロッパ 492,384
25 ハンガリー国旗 ハンガリー ヨーロッパ 437,750
26 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 433,985
27 イラク国旗 イラク アジア 427,356
28 モロッコ国旗 モロッコ アフリカ 420,113
29 ニュージーランド国旗 ニュージーランド オセアニア 370,000
30 オーストリア国旗 オーストリア ヨーロッパ 328,040
31 トルクメニスタン国旗 トルクメニスタン アジア 326,758
32 グルジア国旗 グルジア アジア 271,600
33 北マケドニア国旗 北マケドニア ヨーロッパ 269,131
34 ウクライナ国旗 ウクライナ ヨーロッパ 264,120
35 タジキスタン国旗 タジキスタン アジア 248,546
36 アルメニア国旗 アルメニア アジア 237,059
37 シリア・アラブ共和国国旗 シリア・アラブ共和国 アジア 212,507
38 アルバニア国旗 アルバニア ヨーロッパ 212,011
39 アゼルバイジャン国旗 アゼルバイジャン アジア 209,843
40 ブルガリア国旗 ブルガリア ヨーロッパ 178,300
41 大韓民国国旗 大韓民国 アジア 168,150
42 日本国旗 日本 アジア 165,100
43 セルビア国旗 セルビア ヨーロッパ 155,718
44 イエメン国旗 イエメン アジア 145,591
45 チュニジア国旗 チュニジア アフリカ 140,000
46 クロアチア国旗 クロアチア ヨーロッパ 116,210
47 パキスタン国旗 パキスタン アジア 107,542
48 サウジアラビア国旗 サウジアラビア アジア 106,400
49 カナダ国旗 カナダ 北アメリカ 104,203
50 ウルグアイ国旗 ウルグアイ 南アメリカ 102,616
51 チェコ国旗 チェコ ヨーロッパ 90,060
52 カザフスタン国旗 カザフスタン アジア 87,035
53 スロベニア国旗 スロベニア ヨーロッパ 84,300
54 タイ国旗 タイ アジア 79,841
55 スイス国旗 スイス ヨーロッパ 77,290
56 中国、台湾 中国省国旗 中国、台湾 中国省 アジア 69,900
57 イスラエル国旗 イスラエル アジア 60,520
58 レバノン国旗 レバノン アジア 59,221
59 スロバキア国旗 スロバキア ヨーロッパ 44,070
60 ボスニア・ヘルツェゴビナ国旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ ヨーロッパ 42,012
61 ナミビア国旗 ナミビア アフリカ 40,200
62 ヨルダン国旗 ヨルダン アジア 39,361
63 ベラルーシ国旗 ベラルーシ ヨーロッパ 36,357
64 パレスチナ国国旗 パレスチナ国 アジア 33,806
65 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 32,298
66 リビア国旗 リビア アフリカ 29,520
67 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 27,990
68 ベトナム国旗 ベトナム アジア 27,147
69 キプロス国旗 キプロス アジア 23,130
70 モンテネグロ国旗 モンテネグロ ヨーロッパ 22,998
71 キューバ国旗 キューバ 南アメリカ 20,517
72 グアテマラ国旗 グアテマラ 南アメリカ 20,010
73 ベネズエラ (ボリバル共和国)国旗 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 19,933
74 マダガスカル国旗 マダガスカル アフリカ 13,544
75 ルクセンブルク国旗 ルクセンブルク ヨーロッパ 13,360
76 キルギスタン国旗 キルギスタン アジア 7,404
77 タンザニア連合共和国国旗 タンザニア連合共和国 アフリカ 4,893
78 エチオピア国旗 エチオピア アフリカ 4,824
79 ポーランド国旗 ポーランド ヨーロッパ 3,700
80 ジンバブエ国旗 ジンバブエ アフリカ 3,462
81 マルタ国旗 マルタ ヨーロッパ 2,640
82 パラグアイ国旗 パラグアイ 南アメリカ 1,935
83 オランダ国旗 オランダ ヨーロッパ 1,930
84 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 545
85 イギリス国旗 イギリス ヨーロッパ 511
86 マラウイ国旗 マラウイ アフリカ 210
87 フィリピン国旗 フィリピン アジア 207
88 ホンジュラス国旗 ホンジュラス 南アメリカ 185
89 クウェート国旗 クウェート アジア 180
90 バーレーン国旗 バーレーン アジア 154
91 スウェーデン国旗 スウェーデン ヨーロッパ 130
92 アラブ首長国連邦国旗 アラブ首長国連邦 アジア 35
93 カタール国旗 カタール アジア 3
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2021年度の世界のブドウ生産量ランキングは、それぞれの国の農業資源や地理的条件、経済構造、さらには文化的背景を反映した興味深いデータになっています。1位の中国は約15,000,000トンを生産しており、これは総生産量の中で圧倒的なシェアを占めています。中国の広大な栽培地や農業技術への積極的投資がこの結果を支えていると言えます。また、ブドウは中国国内市場のみならず、輸出市場でも重要な品目となっており、特にワイン生産が近年急速に広がっています。

イタリアやスペインといったヨーロッパの国々も上位にランクインしていますが、これらの国では主にワイン用のブドウ栽培が中心です。それぞれの地域は温暖な気候と風土に恵まれており、長い伝統を持つワイン産業がその生産量を支えています。一方で、4位以降にはアメリカ(5,474,860トン)、フランス(5,073,590トン)が続いており、これらの国々も主に品質重視のワイン用ブドウの生産に重点を置いています。

アジア地域では、中国が圧倒的な1位であるものの、インドやトルコもブドウ生産が盛んです。特にインドは3,358,000トンとアジア第2位の生産量を誇り、近年では輸出量も増加傾向にあります。日本は41位で165,100トンを生産していますが、特に高品質なデザート用ブドウや、日本固有の種子無葡萄などの栽培に特徴があります。しかし、国内市場向けが中心で、輸出が他国に比べて極めて少ないという状況は改善の余地があるでしょう。

一方で、気候変動や水資源の不足は、多くの国でブドウ生産に課題をもたらしています。特に地中海地域では、乾燥化が進むことで収穫量の減少や品質悪化が懸念されています。また、2021年度においてはコロナウイルス感染症の影響で、一部地域は農業労働力の確保が課題となり、十分な収穫ができなかったケースも報告されています。特に輸出に頼る国々では、物流の停滞が大きな影響を与えたと考えられます。

この現状を踏まえた対策としては、まず先端技術の導入とスマート農業の普及が求められます。これにより、生産効率の最適化や水資源の効果的利用が期待されます。また、ブドウの品種改良を進め、気候変動に強い耐性を持つ品種を作り出すことも重要です。さらに、国際協力の枠組みを強化し、技術やノウハウの共有を促進することで、課題を乗り越えるための相互支援を強化すべきです。

日本においては、国内市場の拡大だけでなく、積極的に海外市場に参入する試みが必要です。日本産のデザート用ブドウは高いポテンシャルを持つため、「高品質」ブランドとしてアジア圏や欧米市場での普及を目指すことが課題と言えます。さらに、農業従事者の高齢化が進む中で、若い世代の参入を促し、安定した人材確保を図ることも不可欠です。

2021年度のデータを見ると、ブドウ生産はその国の自然条件と経済的状況に強く依存している一方で、国際的な需要や気候変動との戦いも大きく影響しています。これを踏まえた長期的戦略が各国に求められており、特に持続可能な農業の実現が鍵を握ると言えるでしょう。

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