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世界のブドウ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新したデータによると、2020年の世界のブドウ生産量ランキングでは、中国が14,314,100トンで1位となり、続いてイタリア(8,222,360トン)、スペイン(6,817,770トン)がランキングの上位を占めました。一方で、日本は163,400トンで41位という結果でした。このデータは、各国におけるブドウ生産の規模や農業の状況、気候、貿易政策などの要因が反映されています。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 中国国旗 中国 アジア 14,314,100
2 イタリア国旗 イタリア ヨーロッパ 8,222,360
3 スペイン国旗 スペイン ヨーロッパ 6,817,770
4 フランス国旗 フランス ヨーロッパ 5,857,870
5 アメリカ合衆国国旗 アメリカ合衆国 北アメリカ 5,479,400
6 トルコ国旗 トルコ アジア 4,208,908
7 インド国旗 インド アジア 3,181,000
8 チリ国旗 チリ 南アメリカ 2,434,664
9 アルゼンチン国旗 アルゼンチン 南アメリカ 2,055,746
10 南アフリカ国旗 南アフリカ アフリカ 2,008,242
11 イラン(イスラム共和国)国旗 イラン(イスラム共和国) アジア 1,839,909
12 ウズベキスタン国旗 ウズベキスタン アジア 1,606,942
13 オーストラリア国旗 オーストラリア オセアニア 1,474,911
14 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 1,435,538
15 エジプト国旗 エジプト アフリカ 1,184,000
16 ドイツ国旗 ドイツ ヨーロッパ 1,149,540
17 アフガニスタン国旗 アフガニスタン アジア 993,382
18 ルーマニア国旗 ルーマニア ヨーロッパ 932,770
19 ポルトガル国旗 ポルトガル ヨーロッパ 853,380
20 ギリシャ国旗 ギリシャ ヨーロッパ 815,790
21 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 733,472
22 ロシア連邦国旗 ロシア連邦 ヨーロッパ 681,908
23 アルジェリア国旗 アルジェリア アフリカ 554,201
24 モルドバ共和国国旗 モルドバ共和国 ヨーロッパ 462,050
25 ニュージーランド国旗 ニュージーランド オセアニア 457,000
26 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 453,520
27 ハンガリー国旗 ハンガリー ヨーロッパ 435,050
28 イラク国旗 イラク アジア 421,868
29 モロッコ国旗 モロッコ アフリカ 396,903
30 トルクメニスタン国旗 トルクメニスタン アジア 326,714
31 オーストリア国旗 オーストリア ヨーロッパ 319,790
32 北マケドニア国旗 北マケドニア ヨーロッパ 317,550
33 グルジア国旗 グルジア アジア 316,900
34 アルメニア国旗 アルメニア アジア 283,224
35 ウクライナ国旗 ウクライナ ヨーロッパ 280,960
36 タジキスタン国旗 タジキスタン アジア 248,158
37 シリア・アラブ共和国国旗 シリア・アラブ共和国 アジア 243,347
38 アゼルバイジャン国旗 アゼルバイジャン アジア 208,019
39 アルバニア国旗 アルバニア ヨーロッパ 199,069
40 大韓民国国旗 大韓民国 アジア 165,906
41 日本国旗 日本 アジア 163,400
42 セルビア国旗 セルビア ヨーロッパ 160,307
43 ブルガリア国旗 ブルガリア ヨーロッパ 159,100
44 チュニジア国旗 チュニジア アフリカ 150,000
45 イエメン国旗 イエメン アジア 136,555
46 クロアチア国旗 クロアチア ヨーロッパ 123,550
47 スイス国旗 スイス ヨーロッパ 105,739
48 カナダ国旗 カナダ 北アメリカ 104,709
49 スロベニア国旗 スロベニア ヨーロッパ 103,780
50 サウジアラビア国旗 サウジアラビア アジア 101,570
51 ウルグアイ国旗 ウルグアイ 南アメリカ 96,825
52 カザフスタン国旗 カザフスタン アジア 95,061
53 チェコ国旗 チェコ ヨーロッパ 90,380
54 パキスタン国旗 パキスタン アジア 89,481
55 タイ国旗 タイ アジア 79,509
56 中国、台湾 中国省国旗 中国、台湾 中国省 アジア 74,003
57 レバノン国旗 レバノン アジア 62,955
58 スロバキア国旗 スロバキア ヨーロッパ 46,920
59 イスラエル国旗 イスラエル アジア 46,174
60 ボスニア・ヘルツェゴビナ国旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ ヨーロッパ 44,695
61 ヨルダン国旗 ヨルダン アジア 43,003
62 パレスチナ国国旗 パレスチナ国 アジア 36,514
63 ナミビア国旗 ナミビア アフリカ 34,815
64 ベラルーシ国旗 ベラルーシ ヨーロッパ 32,692
65 リビア国旗 リビア アフリカ 31,377
66 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 28,009
67 ベトナム国旗 ベトナム アジア 27,493
68 キプロス国旗 キプロス アジア 23,140
69 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 22,235
70 モンテネグロ国旗 モンテネグロ ヨーロッパ 21,269
71 キューバ国旗 キューバ 南アメリカ 20,519
72 グアテマラ国旗 グアテマラ 南アメリカ 19,973
73 ベネズエラ (ボリバル共和国)国旗 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 19,398
74 マダガスカル国旗 マダガスカル アフリカ 13,503
75 ルクセンブルク国旗 ルクセンブルク ヨーロッパ 12,950
76 キルギスタン国旗 キルギスタン アジア 9,268
77 タンザニア連合共和国国旗 タンザニア連合共和国 アフリカ 4,948
78 エチオピア国旗 エチオピア アフリカ 4,847
79 ポーランド国旗 ポーランド ヨーロッパ 3,600
80 ジンバブエ国旗 ジンバブエ アフリカ 3,457
81 マルタ国旗 マルタ ヨーロッパ 2,890
82 パラグアイ国旗 パラグアイ 南アメリカ 1,927
83 オランダ国旗 オランダ ヨーロッパ 1,700
84 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 539
85 イギリス国旗 イギリス ヨーロッパ 512
86 フィリピン国旗 フィリピン アジア 212
87 ホンジュラス国旗 ホンジュラス 南アメリカ 184
88 マラウイ国旗 マラウイ アフリカ 174
89 クウェート国旗 クウェート アジア 167
90 スウェーデン国旗 スウェーデン ヨーロッパ 160
91 バーレーン国旗 バーレーン アジア 153
92 アラブ首長国連邦国旗 アラブ首長国連邦 アジア 35
93 カタール国旗 カタール アジア 1
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2020年における世界のブドウ生産量のデータは、各国の農業力や気候条件、そして経済政策が農業生産にどのような影響を与えるのかを示す興味深い指標です。生産量1位の中国は14,314,100トンと圧倒的で、2位のイタリアを6,000,000トン以上引き離しています。これには、中国国内の広大な農地面積と集中的な農業政策、さらにはブドウの産業利用(ワインやドライフルーツなど)が拡大している背景があると考えられます。一方で、イタリアやスペインなどのヨーロッパ諸国も気候がブドウ栽培に適しており、特にワイン用のブドウ生産が重要な産業となっています。

ブドウ栽培が盛んな地域は、地中海性気候を持つヨーロッパ諸国や、気候条件が近いアメリカ・チリ・アルゼンチンといった南北アメリカでも同様に見られます。アメリカは、カリフォルニア州を中心としたワイン産業がその生産力を支えている一環です。また、南アフリカやオセアニア地域では、輸出用ワインの生産のためにブドウ栽培が拡大している事実が確認されています。

日本はブドウ生産量ランキングで41位となっており、その量は163,400トンにとどまります。国内のブドウ生産は品質重視の姿勢をとっており、「高級フルーツ」として国内消費あるいはアジア市場への輸出に力を入れています。そのため、全体量は少ないものの、山梨県や長野県を中心としたワイン作りや高品質な食用ブドウの生産でユニークな地位を築いています。一方で、ブドウの輸出量は他国と比べて依然として少なく、国際競争力を強化する課題が残ります。

地域ごとの課題を深掘りすると、アジア地域では中国、インドなどが多くの生産量を誇る一方で、気候変動や水資源の不足が栽培の持続可能性に影響を与える可能性があります。また、地中海地域に見られるような伝統的なブドウ栽培地域では、旱魃や土壌の劣化が課題です。南アメリカやアフリカ地域では、生産量は伸びていますが、インフラ整備不足や輸出にかかるコストの高さが制約となることが指摘されています。

さらに、地政学的なリスクも無視できない要因です。灌漑に依存するブドウ農業では、断水や地域紛争が生産に影響を与える可能性があります。たとえば、中東地域や中央アジアの一部では、このようなリスクが現実的な課題となるでしょう。そして、新型コロナウイルスの影響で、労働力不足や物流の遅延がグローバルなブドウサプライチェーンにも打撃を与えたと言われています。

今後、全体的な収穫量や品質を向上させるためには、国内外の政策支援、地域間協力、そして技術革新が不可欠です。たとえば、気候変動に適応する耐乾燥性の高いブドウ品種を開発し普及させることや、生産量向上と環境保全の両立を図るためのスマート農業技術の導入が効果的です。また、輸出市場拡大のためにインフラ整備や貿易協定改善を進めることも重要です。

2020年度のデータは、現状を把握するための貴重な基盤を提供していますが、将来の課題解決には、より包括的なアプローチが求められます。日本を含む各国がそれぞれの課題に対応し、持続可能で競争力のある農業を目指すことが必要です。国際協力も含め、次のステップがどのように展開されるかが注目されます。

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