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ポーランドのそば生産量の推移【1961年~2023年】世界ランキング・統計データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新のデータによると、ポーランドのそば生産量は1960年代から2017年までの間に大きな変動を見せています。特に1981年には過去最高の130,405トンを記録した一方で、1975年には最低の20,259トンに落ち込んでいます。2010年代に入っても上下動が続き、2016年には近年のピークである118,562トンに達しましたが、その後はやや減少傾向にあります。このような変動には気候条件、農業技術の進化、経済状況の変化などが深く関係しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2017年 113,113
-4.6% ↓
2016年 118,562
86.64% ↑
2015年 63,524
-23.92% ↓
2014年 83,499
-8.12% ↓
2013年 90,874
-3.76% ↓
2012年 94,421
1.54% ↑
2011年 92,985
-4.36% ↓
2010年 97,220
19.69% ↑
2009年 81,226
18.19% ↑
2008年 68,726
-18.41% ↓
2007年 84,236
55.53% ↑
2006年 54,161
-24.88% ↓
2005年 72,096
16.85% ↑
2004年 61,697
63.84% ↑
2003年 37,657
-5.96% ↓
2002年 40,042
-31.74% ↓
2001年 58,661
-20.06% ↓
2000年 73,384
21.66% ↑
1999年 60,321
4.03% ↑
1998年 57,987
17.59% ↑
1997年 49,313
-3.35% ↓
1996年 51,023
12.38% ↑
1995年 45,402
51.07% ↑
1994年 30,054
-40.56% ↓
1993年 50,564
40.6% ↑
1992年 35,962
-8.25% ↓
1991年 39,197
-7.86% ↓
1990年 42,540
-40.41% ↓
1989年 71,386
-1.62% ↓
1988年 72,559
18.02% ↑
1987年 61,478
92.71% ↑
1986年 31,902
-17.38% ↓
1985年 38,611
-34.5% ↓
1984年 58,947
31.74% ↑
1983年 44,745
-35.5% ↓
1982年 69,376
-46.8% ↓
1981年 130,405
31.66% ↑
1980年 99,046
10.1% ↑
1979年 89,964
55.85% ↑
1978年 57,726
59.44% ↑
1977年 36,206
7.61% ↑
1976年 33,647
66.08% ↑
1975年 20,259
-38.61% ↓
1974年 33,000
-8.33% ↓
1973年 36,000
-5.26% ↓
1972年 38,000
-22.45% ↓
1971年 49,000
-5.77% ↓
1970年 52,000
-1.89% ↓
1969年 53,000
26.19% ↑
1968年 42,000
-6.67% ↓
1967年 45,000 -
1966年 45,000
-4.26% ↓
1965年 47,000
38.24% ↑
1964年 34,000
-8.11% ↓
1963年 37,000
-15.91% ↓
1962年 44,000
-25.42% ↓
1961年 59,000 -
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ポーランドのそば生産量は、1960年代から1970年代にかけて減少傾向にありました。1961年の59,000トンから1975年の20,259トンへと著しく落ち込んだ時期は、農業技術や市場需要の低迷が理由と考えられます。しかし、1979年から1981年にかけての急激な増加、特に1981年に記録された130,405トンは農業政策の変更や市場需要の拡大によるものである可能性が高いと見られます。この時期には、そばが地域の主力作物として注目を集めた背景も推定されます。

1980年代後半から1990年代前半にかけて、生産量は再び不安定な状態に戻りました。1990年前後は特に急激な減少が目立ちます。この時期は、ポーランドが社会主義体制から市場経済へ移行する激動の時代であり、農業政策や市場流通の変化が影響したと考えられます。市場経済化による農業の再構築により、重点が置かれる作物が変化した可能性も含まれています。

2000年代に入ると、そばの生産量は比較的安定しながらも増加傾向を示しました。2010年の97,220トンから2016年の118,562トンへの上昇は、農業技術の向上、そばの健康食品としての認知度の高まり、輸出市場の拡大による需要増加が主な理由だと見られます。ただし、2015年以降は再び減少傾向が見られるため、この原因についてさらなる分析が求められます。

ポーランドは、世界的にそばの主要生産国の一つですが、他の主要生産国、日本や中国と比較すると、その総生産量は大きく異なります。たとえば中国では年間百万トン単位の生産が行われ、海外輸出にも積極的です。この点でポーランドは規模の面でさらに競争力を高める余地があります。

地政学的背景もそば生産には影響を与えている可能性があります。ポーランドは欧州の中央部に位置し、周辺諸国との農産物貿易が重要な経済活動の一つです。気候変動や異常気象は地域農業において大きな課題となっており、たとえば2016年の生産増加が比較的安定した気象条件に支えられた一方で、その後の減少は不安定な気候が原因として示唆されます。

将来を見据えた課題としては、まず気候変動への適応が挙げられます。異常気象への対抗策として、耐候性の高いそば品種の開発が急務です。また、市場需給の変動に適応できる柔軟な農業政策の構築も欠かせません。さらに、輸出市場の多角化や国際競争力の強化を目指して、そば製品の付加価値を高める努力が必要です。健康志向の広がりを背景にした消費者の関心を的確に捉えることが、国際市場での成功の鍵となるでしょう。

そのほか、災害や感染症の影響を緩和するための農業保険の普及も重要です。新型コロナウイルス感染症の影響で輸出入の流通が滞った教訓から、国内での流通ネットワークの強化も一つの方策として考えられます。このように、ポーランドのそば生産においては多方面からのアプローチが求められます。

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