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ウルグアイのオート麦生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、ウルグアイのオート麦の生産量は1961年から2023年の間に大きな変動を見せています。最も高い生産量を記録した1964年の85,685トンに対し、最低だった1977年は17,336トンまで減少しました。近年では2023年時点で29,952トンとなっており、1960年代に比べて減少傾向が見られます。この生産量推移の背景には、気候変動や技術革新の影響、さらには国内外の需要動向が関与しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 29,952
-0.02% ↓
2022年 29,959
-2.57% ↓
2021年 30,749
-32.39% ↓
2020年 45,483
30.64% ↑
2019年 34,816
-33.94% ↓
2018年 52,700
64.69% ↑
2017年 32,000
-23.81% ↓
2016年 42,000
-44.74% ↓
2015年 76,000
230.43% ↑
2014年 23,000
-62.72% ↓
2013年 61,700
57.62% ↑
2012年 39,146
3.97% ↑
2011年 37,650
2.74% ↑
2010年 36,644
-32.67% ↓
2009年 54,425
186.45% ↑
2008年 19,000
-9.95% ↓
2007年 21,100
-50.82% ↓
2006年 42,900
58.89% ↑
2005年 27,000
2.66% ↑
2004年 26,300
-11.74% ↓
2003年 29,800
91.03% ↑
2002年 15,600
4% ↑
2001年 15,000 -
2000年 15,000
-25% ↓
1999年 20,000
-55.56% ↓
1998年 45,000
25% ↑
1997年 36,000
1.36% ↑
1996年 35,516
43.66% ↑
1995年 24,722
-25.57% ↓
1994年 33,216
-23.02% ↓
1993年 43,151
18.11% ↑
1992年 36,536
38.8% ↑
1991年 26,323
-48.42% ↓
1990年 51,033
-27.1% ↓
1989年 70,001
10.18% ↑
1988年 63,533
9% ↑
1987年 58,285
111.31% ↑
1986年 27,583
36.38% ↑
1985年 20,225
-58.27% ↓
1984年 48,469
-2.8% ↓
1983年 49,865
87.53% ↑
1982年 26,590
29.18% ↑
1981年 20,584
-34.95% ↓
1980年 31,643
-46.33% ↓
1979年 58,963
157.07% ↑
1978年 22,937
32.31% ↑
1977年 17,336
-63.8% ↓
1976年 47,896
-21.94% ↓
1975年 61,357
31.62% ↑
1974年 46,618
-15.71% ↓
1973年 55,306
-5.51% ↓
1972年 58,533
-2.48% ↓
1971年 60,020
-23.09% ↓
1970年 78,035
107.57% ↑
1969年 37,594
-48.61% ↓
1968年 73,155
121.99% ↑
1967年 32,954
-54.04% ↓
1966年 71,708
5.8% ↑
1965年 67,780
-20.9% ↓
1964年 85,685
53.35% ↑
1963年 55,877
-1.23% ↓
1962年 56,575
-12.16% ↓
1961年 64,407 -

ウルグアイにおけるオート麦の生産量は、1961年から2023年にわたり一貫性のある増減傾向を示さず、大きな年次変動を繰り返してきました。例えば1960年代には85,685トン(1964年)という高い生産量を達成する一方、わずか数年後の1967年には32,954トンに激減するなど、環境条件や市場状況の影響が強く見られます。同様に1970年代から1980年代にかけても、10,000トン台から60,000トン台への大幅な変化が報告されています。

近年の生産量を見ると、2015年に76,000トンという比較的高い数値を記録した後、2023年には29,952トンに落ち込みました。この減少傾向は、気候変動による気象の不安定化や、農業従事者の減少、土地利用の変化など、さまざまな要因が影響している可能性があります。特に、小規模農家の経済的困難や機械化の進展不足が顕著であり、このことが持続的な生産量確保の妨げとなっていると考えられます。

ウルグアイのオート麦生産の地域的課題として挙げられるのは、肥沃な土地の多くが他の作物や畜産業に利用され、オート麦栽培が後回しにされがちな点です。また、南米全体における穀物の需要と供給のバランスも、ウルグアイの輸出競争力に影響を与えています。他国との比較で見ると、アメリカやカナダなどオート麦生産上位国では高度な栽培技術に基づく効率的な生産が行われており、ウルグアイが引き続き市場競争力を強化するためには、これらの国々から学ぶべき点も少なくありません。

さらに注目すべきは、地球規模での気候変動がウルグアイの農業全般に与える影響です。この国は大西洋の海洋気候の恩恵を受けていますが、近年の異常気象により降水量の減少や豪雨による洪水などが頻発しています。特に干ばつが発生するとオート麦の生産量は顕著に減少する傾向があり、このリスクへの対策は急務となっています。

状況を改善するためには、いくつかの具体的な提言が考えられます。例えば、灌漑技術の近代化や土壌改良技術の導入により、不安定な天候に適応する体制を整えることが必要です。また、オート麦に特化した研究開発を促進し、農家が高品質で病害虫に強い品種を利用できるようにすることも重要です。政策的には、オート麦生産を支援する融資プログラムや価格保証制度の導入が、長期的な生産の安定化に寄与するでしょう。さらに、地域協力として、メルコスール(南米南部共同市場)内の農業パートナーシップを活用し、技術交流と市場拡大を図ることも有益と考えられます。

結論として、ウルグアイのオート麦生産量の変動は単なる国内の農業問題にとどまらず、気候変動や地政学的要因などのグローバルな影響を反映したものといえます。この課題を克服するためには、技術的進化と政策的支援、そして国際的な協力が鍵となるでしょう。