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世界のオート麦生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2024年7月に更新されたFAO(国際連合食糧農業機関)のデータによると、2021年度のオート麦生産量ランキングで1位となったのはロシア連邦で、約377万トンの生産量を記録しました。2位はカナダの約290万トン、3位はオーストラリアの約189万トンという結果でした。日本は310トンで70位にランクインしており、これらから世界のオート麦生産は主に北半球の寒冷地域で行われていることが示されています。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 ロシア連邦国旗 ロシア連邦 ヨーロッパ 3,775,745
2 カナダ国旗 カナダ 北アメリカ 2,898,619
3 オーストラリア国旗 オーストラリア オセアニア 1,897,990
4 ポーランド国旗 ポーランド ヨーロッパ 1,625,100
5 スペイン国旗 スペイン ヨーロッパ 1,194,500
6 イギリス国旗 イギリス ヨーロッパ 1,123,000
7 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 1,092,473
8 フィンランド国旗 フィンランド ヨーロッパ 803,060
9 ドイツ国旗 ドイツ ヨーロッパ 766,500
10 中国国旗 中国 アジア 600,000
11 アメリカ合衆国国旗 アメリカ合衆国 北アメリカ 578,220
12 スウェーデン国旗 スウェーデン ヨーロッパ 551,200
13 チリ国旗 チリ 南アメリカ 525,245
14 アルゼンチン国旗 アルゼンチン 南アメリカ 506,718
15 フランス国旗 フランス ヨーロッパ 479,910
16 ウクライナ国旗 ウクライナ ヨーロッパ 467,900
17 デンマーク国旗 デンマーク ヨーロッパ 331,060
18 ベラルーシ国旗 ベラルーシ ヨーロッパ 327,000
19 トルコ国旗 トルコ アジア 276,000
20 ノルウェー国旗 ノルウェー ヨーロッパ 269,000
21 イタリア国旗 イタリア ヨーロッパ 239,530
22 アイルランド国旗 アイルランド ヨーロッパ 229,460
23 ルーマニア国旗 ルーマニア ヨーロッパ 209,850
24 チェコ国旗 チェコ ヨーロッパ 194,750
25 ラトビア国旗 ラトビア ヨーロッパ 182,900
26 カザフスタン国旗 カザフスタン アジア 182,279
27 リトアニア国旗 リトアニア ヨーロッパ 170,250
28 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 101,069
29 オーストリア国旗 オーストリア ヨーロッパ 89,440
30 ギリシャ国旗 ギリシャ ヨーロッパ 83,940
31 エストニア国旗 エストニア ヨーロッパ 77,500
32 ハンガリー国旗 ハンガリー ヨーロッパ 76,690
33 クロアチア国旗 クロアチア ヨーロッパ 59,520
34 エチオピア国旗 エチオピア アフリカ 59,010
35 南アフリカ国旗 南アフリカ アフリカ 59,000
36 セルビア国旗 セルビア ヨーロッパ 55,954
37 ウズベキスタン国旗 ウズベキスタン アジア 53,714
38 アルジェリア国旗 アルジェリア アフリカ 40,461
39 ポルトガル国旗 ポルトガル ヨーロッパ 39,380
40 スロバキア国旗 スロバキア ヨーロッパ 36,620
41 ボスニア・ヘルツェゴビナ国旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ ヨーロッパ 34,253
42 モンゴル国旗 モンゴル アジア 33,150
43 アルバニア国旗 アルバニア ヨーロッパ 33,082
44 ウルグアイ国旗 ウルグアイ 南アメリカ 30,749
45 ニュージーランド国旗 ニュージーランド オセアニア 24,805
46 ブルガリア国旗 ブルガリア ヨーロッパ 24,260
47 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 23,395
48 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 22,214
49 ベルギー国旗 ベルギー ヨーロッパ 16,500
50 朝鮮民主主義人民共和国国旗 朝鮮民主主義人民共和国 アジア 14,381
51 アゼルバイジャン国旗 アゼルバイジャン アジア 11,633
52 スイス国旗 スイス ヨーロッパ 7,359
53 オランダ国旗 オランダ ヨーロッパ 7,270
54 ルクセンブルク国旗 ルクセンブルク ヨーロッパ 6,820
55 モロッコ国旗 モロッコ アフリカ 6,390
56 北マケドニア国旗 北マケドニア ヨーロッパ 5,563
57 スロベニア国旗 スロベニア ヨーロッパ 4,120
58 アルメニア国旗 アルメニア アジア 4,071
59 ケニア国旗 ケニア アフリカ 3,761
60 グルジア国旗 グルジア アジア 3,200
61 タジキスタン国旗 タジキスタン アジア 2,967
62 モルドバ共和国国旗 モルドバ共和国 ヨーロッパ 2,400
63 チュニジア国旗 チュニジア アフリカ 1,634
64 キルギスタン国旗 キルギスタン アジア 1,094
65 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 879
66 モンテネグロ国旗 モンテネグロ ヨーロッパ 597
67 ジンバブエ国旗 ジンバブエ アフリカ 578
68 キプロス国旗 キプロス アジア 390
69 レソト国旗 レソト アフリカ 332
70 日本国旗 日本 アジア 310
71 イスラエル国旗 イスラエル アジア 261
72 レバノン国旗 レバノン アジア 140
73 ガーナ国旗 ガーナ アフリカ 41
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2021年度におけるオート麦の生産量ランキングでは、上位10カ国が世界の総生産量の大半を占める状況でした。ロシア連邦は約377万トンで他を大きく引き離し、続くカナダとオーストラリアもそれぞれ約290万トン、189万トンを生産しており、北半球の広大で寒冷な地域がオート麦栽培の主な拠点となっている傾向が見て取れます。これらの地域では、オート麦が寒冷な気候ややせた土地でも適応力を発揮する耐性の高い作物という特性を活かして栽培されています。

欧州諸国もオート麦の生産で重要な役割を果たしています。ポーランド、スペイン、イギリスなどがそれぞれ100万トンを超える生産量を維持するなど、特にヨーロッパ北部および中部での栽培が盛んです。フィンランドやドイツなどがそれに続き、主に家畜の飼料や健康志向の食材として需要が多い地域では、生産・供給の効率化が行われています。

一方で、日本の生産量は310トンで、ランキングでは70位にとどまっています。この数字は自国生産が限定的である日本において、オート麦製品の大半が輸入に依存している現状を反映しています。この背景には、国内農地の不足、耕作に適した気候条件の不一致、そして輸入品との競争力の低さなどが挙げられます。

さらに、アメリカ合衆国における生産量も比較的少なく、578,220トンで10位圏外であることがわかります。これは、大規模な農地がとうもろこしや小麦といった他の主要作物の栽培に優先的に使用されているためです。また、中国に関しても、600,000トンで10位にランクインしましたが、国内の需要に対して自給率が十分ではなく、輸入依存が避けられない状況は他の大型消費国とも共通しています。

こうしたデータと背景を踏まえ、今後の課題として考えられる点はいくつかあります。まず、気候変動はオート麦の主な生産地域である寒冷帯・温帯エリアに大きな影響を及ぼす可能性があり、特に干ばつや極端な降雨が農作物の収穫に与える被害が懸念されています。これに対抗するため、持続可能な農業技術の導入や、気候変動に強いオート麦品種の開発が重要です。さらに、輸送コストの増大や貿易摩擦が生産・消費のバランスに影響を与える可能性もあります。

日本に特化すると、オート麦の自給力向上に向けた取り組みが求められます。たとえば、栽培に適した地域での試験的な生産や、地元産オート麦を使用した商品のブランド化が考えられます。また、農業分野でのデジタル化を進めることによって、収穫効率や管理コストを改善し、競争力を高めることが可能です。

総じて、オート麦生産量では国ごとにさまざまな特徴と課題が見られます。国際社会全体としては、世界的な需要の増加を背景に、主要な生産国間での市場調整や協力の枠組みを強化することが必要です。同時に、紛争や地政学的リスクを回避しながら、持続的な供給体制を築いていくことが求められます。こうした施策を通じて、今後のオート麦供給の安定性と生産の効率化を目指すことが国際的な課題となるでしょう。

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