国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、コスタリカのメロン生産量は、1980年代から急激な成長を遂げ、2006年には30万トン近くまで達しました。しかし、その後は長期的な減少局面に入り、2023年には約58,000トンにまで減少しています。ピーク時の生産量と比較すると、約80%もの大幅な減少であり、農業政策や市場調整が必要な局面に立たされています。
コスタリカのメロン生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 58,202 |
11.44% ↑
|
2022年 | 52,228 |
-2.34% ↓
|
2021年 | 53,482 |
-32.07% ↓
|
2020年 | 78,726 |
-8.16% ↓
|
2019年 | 85,716 |
-29.57% ↓
|
2018年 | 121,709 |
-15.82% ↓
|
2017年 | 144,588 |
-3.78% ↓
|
2016年 | 150,261 |
-15.45% ↓
|
2015年 | 177,724 |
3.06% ↑
|
2014年 | 172,454 |
37.31% ↑
|
2013年 | 125,598 |
-5.08% ↓
|
2012年 | 132,317 |
-17.72% ↓
|
2011年 | 160,810 |
-19.16% ↓
|
2010年 | 198,921 |
0.18% ↑
|
2009年 | 198,565 |
-5.4% ↓
|
2008年 | 209,910 |
-21.34% ↓
|
2007年 | 266,871 |
-8.4% ↓
|
2006年 | 291,332 |
19.45% ↑
|
2005年 | 243,903 |
7.45% ↑
|
2004年 | 227,000 |
1.92% ↑
|
2003年 | 222,716 |
17.87% ↑
|
2002年 | 188,949 |
-1.03% ↓
|
2001年 | 190,922 |
7.87% ↑
|
2000年 | 177,000 |
18.79% ↑
|
1999年 | 149,000 |
-6.03% ↓
|
1998年 | 158,564 |
15.68% ↑
|
1997年 | 137,076 |
24.61% ↑
|
1996年 | 110,000 |
10% ↑
|
1995年 | 100,000 |
-16.67% ↓
|
1994年 | 120,000 |
37.73% ↑
|
1993年 | 87,124 |
0.31% ↑
|
1992年 | 86,855 |
73.88% ↑
|
1991年 | 49,950 |
2.78% ↑
|
1990年 | 48,600 |
59.61% ↑
|
1989年 | 30,450 |
52.25% ↑
|
1988年 | 20,000 |
100% ↑
|
1987年 | 10,000 |
150% ↑
|
1986年 | 4,000 |
100% ↑
|
1985年 | 2,000 | - |
1984年 | 2,000 | - |
1983年 | 2,000 | - |
コスタリカは、熱帯気候を活かしたメロンの主要生産国の一つとして知られる国であり、特に1980年代から1990年代中盤にかけて急激な生産量の増加を遂げました。1983年の段階ではわずか2,000トンだった生産量が、1994年には12万トン、2000年代初頭には25万トンを超えるまでに成長しました。この急激な伸びは、主に農業技術の向上、輸出市場の拡大、政府の輸出支援政策が影響したと言えます。
しかしながら、2006年をピークに生産量は減少に転じ、2023年には58,202トンと、ピーク時の約20%程度にとどまっています。この減少の背後には、複数の要因が絡み合っています。まず地球温暖化に伴う気候変動の影響で、降水パターンの変化や極端な気象現象が発生し、安定したメロンの生産が困難となっています。また、農業従事者の高齢化や都市部への人口移動により、農業労働力が減少したことも一因です。この他、近年の輸出市場における競争激化や、コスタリカ国内の生産コスト上昇により、他の競合国に対して競争力を失いつつある状況も挙げられます。
近年の減少傾向は、新型コロナウイルスの流行によるサプライチェーンの混乱や輸出需要の停滞とも関連しています。特に2020年以降の経済的要因は大きく、労働力不足や国内外の物流問題がメロンの輸出に大打撃を与えました。また、ロシア・ウクライナ間の緊張のような地政学的リスクも間接的に影響を及ぼしている可能性があります。これらのリスクは、化学肥料や燃料の価格上昇を引き起こし、農業費用の増大につながっています。
コスタリカのメロン生産が抱える課題に対処するためには、まず効率的な農業生産技術の導入や水資源の管理を強化し、生産の安定化を図ることが求められます。また、持続可能な農業モデルの採用を検討する必要があります。例えば、精密農業技術を用いることで、生産コストを削減しつつ収量の最大化を目指すアプローチが有効です。さらに、労働力不足への対応として、農業分野における技能労働者の移民政策を強化することが考えられます。地域間協力やFTA(自由貿易協定)の活用による輸出市場の多角化も有効策となり得ます。
結論として、コスタリカのメロン生産量は過去数十年間で急激な成長と深刻な減少を経験しており、それは地球規模の気候や市場競争の変化に直面していることを示しています。この問題を明確に認識し、具体的な政策を講じることで、再び市場競争力を獲得する可能性が十分にあると考えられます。国際社会や関連機関も、コスタリカの農業復興を支援し、持続的な生産システムの構築を支援するべきです。