国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、コスタリカにおけるマンゴー、マンゴスチン、グアバの生産量は、1980年代から2023年にかけて増減を繰り返しつつ、初期の5000トンから最大時の51,920トン(2017年)まで顕著な成長を見せました。ただし、2018年以降、生産量が減少傾向となり、一時は2万トン台まで低下しましたが、2023年には33,163トンへと回復しています。このデータは、コスタリカの経済や農業の進展、ならびに外的条件の影響を反映しています。
コスタリカのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 33,163 |
21.64% ↑
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2022年 | 27,264 |
12.34% ↑
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2021年 | 24,269 |
1.92% ↑
|
2020年 | 23,812 |
-19.3% ↓
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2019年 | 29,508 |
21.97% ↑
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2018年 | 24,193 |
-53.4% ↓
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2017年 | 51,920 |
4.01% ↑
|
2016年 | 49,920 |
29.19% ↑
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2015年 | 38,642 |
-10.13% ↓
|
2014年 | 43,000 | - |
2013年 | 43,000 |
-4.8% ↓
|
2012年 | 45,168 |
15.15% ↑
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2011年 | 39,224 |
1.77% ↑
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2010年 | 38,542 |
-0.19% ↓
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2009年 | 38,617 |
-0.43% ↓
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2008年 | 38,782 |
-21.17% ↓
|
2007年 | 49,200 |
20% ↑
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2006年 | 41,000 | - |
2005年 | 41,000 | - |
2004年 | 41,000 |
13.89% ↑
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2003年 | 36,000 | - |
2002年 | 36,000 |
12.5% ↑
|
2001年 | 32,000 |
-2.44% ↓
|
2000年 | 32,800 |
149.64% ↑
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1999年 | 13,139 |
62.69% ↑
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1998年 | 8,076 |
-29.37% ↓
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1997年 | 11,434 |
-44.16% ↓
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1996年 | 20,475 |
23.6% ↑
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1995年 | 16,565 |
9.57% ↑
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1994年 | 15,118 |
2.97% ↑
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1993年 | 14,682 |
5.8% ↑
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1992年 | 13,877 |
13.28% ↑
|
1991年 | 12,250 |
53.13% ↑
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1990年 | 8,000 |
14.29% ↑
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1989年 | 7,000 | - |
1988年 | 7,000 |
16.67% ↑
|
1987年 | 6,000 |
20% ↑
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1986年 | 5,000 | - |
1985年 | 5,000 | - |
コスタリカでのマンゴー、マンゴスチン、グアバの生産量の推移を見ると、1985年から直線的な成長を遂げた後、特に1990年代以降に顕著な増加傾向が見られます。1996年に20,475トンを記録し、その後、2000年代にかけて30,000トン台へと急速に拡大しました。この背景には、国内消費の拡大、および国際市場への輸出量の増加が考えられます。特に、2000年以降の国際需要の高まりと、政府支援による農業技術の普及が影響していると推測されます。
しかしながら、生産量は一定の安定を見せることなく、急激な変動を繰り返している点が特徴的です。この変動の要因としては、天候や気候条件の変化、農業技術の不安定さ、輸出市場の変動などの外的要因が挙げられます。2007年には49,200トン、2017年には51,920トンと歴史的なピークに達しましたが、これらのピーク以降は減少傾向が見られます。特に2018年から2020年にかけての数値は減少傾向が顕著で、この間の生産量は24,193トンから23,812トンまで低下しました。在来の生産問題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行が物流や労働力の確保に影響を与えた可能性があります。
2023年には33,163トンと回復が見られ、生産が再び上向きの流れに乗っているようです。しかし、過去のピーク時と比較すると依然低い水準に留まっています。この現状は、気候変動によりコスタリカの特定作物の栽培が難しくなっていることや、世界的な輸出競争力の低下にも関連している可能性があります。一方で、地域情勢の改善や政策的なアプローチによる支援が生産回復を支えている点も評価に値します。
コスタリカは地政学的にも安定した環境を有しており、特に中南米市場における戦略的な輸出拠点であるため、これらの果物の生産量拡大には地域協力や国際的な輸出戦略の見直しが重要です。地元農家への長期的な支援策や、新しい品種の導入、気候に適応した栽培方法の研究推進も欠かせません。また、輸出先を多角化し国際需要の変動リスクを抑えることも、継続的な成長に寄与すると考えられます。
今後さらに、気候変動対策を背景とした農業の近代化が進む中、可持続可能な生産体制を構築することが求められます。そのためには、国際機関との連携や地域組織の参加を促進し、知識や技術の共有を行うことが効果的です。加えて、災害時の支援体制や作物保護技術の強化も早急に対策すべき分野です。
結論として、データから見えるコスタリカのマンゴー、マンゴスチン、グアバ生産の現状は、既存の課題をクリアし多面的な取り組みを進めることで、大きな成長のポテンシャルを持っていると言えます。国の支援とともに持続可能な農業へのシフトを進めることで、波動的な生産量変化を抑え、安定した発展へと結びつけることが可能です。