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エクアドルのココナッツ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、エクアドルのココナッツ生産量は1960年代初頭におよそ4万トンという水準から始まり、1980年代に最大で約7.9万トンを記録しました。しかし、その後は減少傾向が続き、2020年代に入ると、生産量は1万トン台前半に落ち込んでいます。2023年時点では、14,654トンと若干の回復が見られましたが、全体として長期的な低下トレンドが明らかです。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 14,654
19.49% ↑
2022年 12,264
-3.64% ↓
2021年 12,728
-3.07% ↓
2020年 13,131
-0.32% ↓
2019年 13,174
-5.9% ↓
2018年 14,000
-6.67% ↓
2017年 15,000
-6.25% ↓
2016年 16,000 -
2015年 16,000 -
2014年 16,000
-8.57% ↓
2013年 17,500
0.74% ↑
2012年 17,372
88.83% ↑
2011年 9,200
-52.55% ↓
2010年 19,390
7.78% ↑
2009年 17,990
-15.12% ↓
2008年 21,195
0.93% ↑
2007年 21,000
2.94% ↑
2006年 20,400
0.25% ↑
2005年 20,350
-11.63% ↓
2004年 23,029
9.8% ↑
2003年 20,973
-2.78% ↓
2002年 21,572
-13.32% ↓
2001年 24,887
12.93% ↑
2000年 22,038
-0.19% ↓
1999年 22,080
-2.31% ↓
1998年 22,601
-26.55% ↓
1997年 30,770
-27.11% ↓
1996年 42,215
124.67% ↑
1995年 18,790
-47.43% ↓
1994年 35,743
33.68% ↑
1993年 26,737
-15.24% ↓
1992年 31,543
-23.93% ↓
1991年 41,465
13.77% ↑
1990年 36,447
1.8% ↑
1989年 35,802
-23.77% ↓
1988年 46,966
10.8% ↑
1987年 42,389
5.04% ↑
1986年 40,357
5.28% ↑
1985年 38,334
-29.97% ↓
1984年 54,736
-13.16% ↓
1983年 63,028
-11.71% ↓
1982年 71,390
-9.92% ↓
1981年 79,252
0.98% ↑
1980年 78,484
25.25% ↑
1979年 62,660
0.08% ↑
1978年 62,608
39.94% ↑
1977年 44,738
49.38% ↑
1976年 29,950
5.79% ↑
1975年 28,310
-46.27% ↓
1974年 52,692
31.73% ↑
1973年 40,000
14.29% ↑
1972年 35,000
16.67% ↑
1971年 30,000
20% ↑
1970年 25,000
25% ↑
1969年 20,000
10.74% ↑
1968年 18,060
25.42% ↑
1967年 14,400
-39.75% ↓
1966年 23,900
-12.13% ↓
1965年 27,200
72.7% ↑
1964年 15,750
-39.89% ↓
1963年 26,200
-29.89% ↓
1962年 37,372
-7.03% ↓
1961年 40,200 -

エクアドルは赤道直下の地理的条件と気候に恵まれ、ココナッツ栽培の適地であることは疑いようがありません。しかし、このデータが示している通り、生産量の推移には著しい変動が見られます。1960年代から1970年代にかけては、一時的な減少と増加を繰り返しながらも、ほぼ一定の成長を遂げました。特に1978年から1981年にかけては、生産量が6万トンを超える水準を維持し、それ以降1980年代初頭にはピークを迎えました。これらの高い収穫量は、当時の国内農業政策の支援や国際的なココナッツ需要の伸びに起因していると考えられます。

しかし1980年代半ば以降、国内外のさまざまな要因が影響し、生産量は急激な減少の道を辿ることとなります。その背景にはいくつかの要因が挙げられます。まず、気候変動の影響が一因とされています。エルニーニョ現象などによる気象の不安定性が栽培環境に負の影響を与えた可能性が高いです。また、農地のインフラ整備が遅れる中、病害虫による農作物被害が深刻化したことや、ココナッツ農業の担い手である農民が他の作物や都市部への移住にシフトしてきた現象も無視できません。さらに、国際市場での価格競争が激化したことから、エクアドルのココナッツ生産者が採算性を理由に生産を縮小したことが影響していると推測されます。

近年の動向としては、特に2010年代後半から2020年代初頭にかけて、生産量は再び減少傾向を辿り、2021年には12,728トンと過去最低の水準に近づきました。しかし2023年には14,654トンとやや回復を見せており、これはおそらく国際機関や周辺地域からの支援を受けた新たな取り組み、例えば品種改良や農法改良が奏功した結果である可能性があります。

この減少傾向から脱却するためには課題解決が不可欠です。気候変動への対応として、農業灌漑設備の近代化や水資源の効率的利用が必要です。また、病害虫対策のために、耐病性の高い品種の普及や、適切な農薬使用の訓練が求められます。特に、農村部の雇用機会の創出とインフラ整備が行われることで、小規模農家の経済的な安定が図られるでしょう。さらに、国際市場でのエクアドル産ココナッツ製品の競争力を高めるため、加工品としての付加価値を向上させる技術開発も鍵となります。たとえば、ココナッツオイルや繊維、さらには健康食品としての利用拡大が期待されます。

エクアドルにとってのもう一つの重要な課題は、地域間の協力体制の構築です。隣接するペルーやコロンビアとの農業技術交流や、気候リスクへの共同対応策がその一例です。また、国際連合や貿易協定を通じた国際的な支援を引き続き活用し、農業部門への継続的な投資を進めるべきです。

全体としてエクアドルのココナッツ生産は、長期低迷の傾向を示していますが、持続可能なココナッツ農業に向けた取り組みを強化すれば復活の可能性があります。国内外の協力を促進しつつ、近代的かつ環境に配慮した生産体制を整えることが、最終的に生産量増加と同国経済への寄与を果たす鍵となるでしょう。

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