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エクアドルのカリフラワー・ブロッコリー生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、エクアドルのカリフラワーとブロッコリーの生産量は、2023年に197,221トンに達しました。この数値は、2022年の135,086トンから大きく増加しており、生産量の変動がみられます。過去を振り返ると、生産量は1960年代には10,000トン前後で推移していましたが、その後長期間にわたって減少傾向を示しました。しかし、2004年以降、大きく増加し、近年では10万トンから20万トン近くの生産量を記録しています。この推移には、国際的な市場需要の変化やエクアドル国内の農業政策、気候変動などが影響していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 197,221
46% ↑
2022年 135,086
4.1% ↑
2021年 129,764
-29.16% ↓
2020年 183,175
7.92% ↑
2019年 169,725
-9.77% ↓
2018年 188,095
64.6% ↑
2017年 114,272
54.03% ↑
2016年 74,190
-30.91% ↓
2015年 107,386
-4.99% ↓
2014年 113,029
11.14% ↑
2013年 101,696
7.13% ↑
2012年 94,928
11.06% ↑
2011年 85,473
8.78% ↑
2010年 78,577
10.07% ↑
2009年 71,389
4.53% ↑
2008年 68,292
21.16% ↑
2007年 56,363
13.13% ↑
2006年 49,821
2.66% ↑
2005年 48,528
-1.29% ↓
2004年 49,160
684.55% ↑
2003年 6,266
-9.58% ↓
2002年 6,930
217.31% ↑
2001年 2,184
-55.14% ↓
2000年 4,868
277.38% ↑
1999年 1,290
-23.4% ↓
1998年 1,684
-35.28% ↓
1997年 2,602
83.11% ↑
1996年 1,421
-6.57% ↓
1995年 1,521
13.34% ↑
1994年 1,342
9.37% ↑
1993年 1,227
77.31% ↑
1992年 692
206.19% ↑
1991年 226
-70.73% ↓
1990年 772
-26.62% ↓
1989年 1,052
2.24% ↑
1988年 1,029
-77.04% ↓
1987年 4,482
15.96% ↑
1986年 3,865
60.91% ↑
1985年 2,402
-23.41% ↓
1984年 3,136
87.11% ↑
1983年 1,676
21.89% ↑
1982年 1,375
11.61% ↑
1981年 1,232
36.74% ↑
1980年 901
33.68% ↑
1979年 674
-32.6% ↓
1978年 1,000 -
1977年 1,000
-50% ↓
1976年 2,000
-33.33% ↓
1975年 3,000
-25% ↓
1974年 4,000
-20% ↓
1973年 5,000
-16.67% ↓
1972年 6,000
-14.29% ↓
1971年 7,000
-12.5% ↓
1970年 8,000
-11.11% ↓
1969年 9,000
-5.77% ↓
1968年 9,551
-26.67% ↓
1967年 13,024
-16.85% ↓
1966年 15,663
56.29% ↑
1965年 10,022
-2.63% ↓
1964年 10,293
6.83% ↑
1963年 9,635
-40.63% ↓
1962年 16,230
13.09% ↑
1961年 14,352 -

エクアドルのカリフラワーとブロッコリーの生産量は、20世紀後半から21世紀にかけて、大きな変動を見せています。特に1960年代には比較的安定した生産量が保たれていたのに対し、1970年代後半から1980年代初頭にかけて劇的な減少が見られました。この時期の最低値は1979年の674トンであり、60年代のピーク時と比べると著しく縮小しています。この減少の背景には、エクアドル国内の農業インフラの不足や、気候への対応力の弱さ、さらには地政学的な要因や国内政策の変化が影響していた可能性があります。

しかし、2000年代初頭からは生産量が飛躍的に増加しており、2004年には49,160トンと、それ以前の生産量を大きく上回りました。この流れをさらに強調するように、2010年代後半から2020年代にかけてエクアドルは世界市場における主要なカリフラワーとブロッコリーの生産国の一つとなりました。2023年には197,221トンと記録的な生産量を達成しており、この増加は主に国際的な需要の高まりと輸出機会の増加によるものと考えられています。

このような生産量の増加の背景には、輸出市場の開拓や農業技術の進展、そしてエクアドルの農業用地の豊かな土壌と適切な気候条件が挙げられます。特に、地縁的な条件がブロッコリーやカリフラワーのような温帯性の作物に適していることが競争力を高めています。また、国際市場での需要の伸び、特に欧州や北米での健康志向や野菜消費の増加がエクアドルの生産に拍車をかけたと考えられます。

一方、課題も存在します。例えば、2015年から2016年にかけての急激な減少や、2021年の大幅な落ち込みは気候変動や地域的な災害、あるいは市場動向の変化に起因していると推測されます。また、労働力の不足や農業技術の地域的な不均衡、化学肥料や水資源の管理といった課題も解決が求められています。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響でサプライチェーンが混乱したことも、生産環境に影響を及ぼした可能性があります。

未来に向けては、より持続可能で効率的な農業の実現が鍵となるでしょう。具体的には、気候変動への適応を考慮した農業技術の導入や、国際市場と連携した品質管理の強化が挙げられます。また、国内外での物流体制の整備や付加価値製品(冷凍食品、加工食品など)の開発により、生産者の利益を最大化することが期待されます。そして、近隣の農業先進国との技術協力や情報共有を通じて、国際市場での競争力をさらに高めることが望まれます。

エクアドルは豊かな自然環境と農業資源を持ちながらも、課題解決への努力と戦略的視点が求められています。持続可能な成長を続けるためには、国内政策と国際協力の両輪を強化し、安定的かつ効率的な生産体制を構築していくことが重要です。この取組みにより、エクアドルはカリフラワーとブロッコリーの分野でさらなる農業大国への道を歩むことができるでしょう。