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キューバのココナッツ生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新のデータによれば、2023年におけるキューバのココナッツ生産量は25,310トンとなり、ピークとなった2007年の124,627トンと比較して約5分の1の水準にまで減少しています。1960年代から緩やかな増加を見せつつ変動していた生産量は、2000年代初頭で急激に増加しましたが、その後持続的な減少が確認されています。この生産量の減少は、気候変動や経済的背景に起因する可能性があり、解決すべき課題となっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 25,310
-8.03% ↓
2022年 27,519
-3.08% ↓
2021年 28,394
-16.03% ↓
2020年 33,816
-20.32% ↓
2019年 42,438
-15.37% ↓
2018年 50,146
-14.36% ↓
2017年 58,552
-2.11% ↓
2016年 59,815
0.38% ↑
2015年 59,587
-5.81% ↓
2014年 63,261
-2.1% ↓
2013年 64,619
-8.8% ↓
2012年 70,854
8.1% ↑
2011年 65,545
-9.13% ↓
2010年 72,131
-7.7% ↓
2009年 78,148
-26% ↓
2008年 105,605
-15.26% ↓
2007年 124,627
20% ↑
2006年 103,859
-8.75% ↓
2005年 113,817
-4.57% ↓
2004年 119,273
7.85% ↑
2003年 110,595
1.84% ↑
2002年 108,592
22.44% ↑
2001年 88,688
10.65% ↑
2000年 80,153
74.72% ↑
1999年 45,876
24.33% ↑
1998年 36,899
57.44% ↑
1997年 23,437
37.06% ↑
1996年 17,100
46.15% ↑
1995年 11,700
21.81% ↑
1994年 9,605
-21.78% ↓
1993年 12,280
55.23% ↑
1992年 7,911
-50.57% ↓
1991年 16,005
-35.98% ↓
1990年 25,000
2.46% ↑
1989年 24,399
-4.2% ↓
1988年 25,468
4.95% ↑
1987年 24,266
10.63% ↑
1986年 21,934
12.77% ↑
1985年 19,451
-0.54% ↓
1984年 19,556
-14.52% ↓
1983年 22,879
15.21% ↑
1982年 19,858
15.7% ↑
1981年 17,163
-11.47% ↓
1980年 19,387
28.57% ↑
1979年 15,079
23.55% ↑
1978年 12,205
4.53% ↑
1977年 11,676
48.06% ↑
1976年 7,886
-45.59% ↓
1975年 14,494
2.21% ↑
1974年 14,181
-15.51% ↓
1973年 16,784
38.68% ↑
1972年 12,103
14.42% ↑
1971年 10,578
3.4% ↑
1970年 10,230
-6.01% ↓
1969年 10,884
-16.48% ↓
1968年 13,032
26.83% ↑
1967年 10,275
-10.09% ↓
1966年 11,428
-9.42% ↓
1965年 12,617
7.81% ↑
1964年 11,703
58.73% ↑
1963年 7,373
-26.27% ↓
1962年 10,000 -
1961年 10,000 -

1961年に10,000トンからスタートしたキューバのココナッツ生産量は、1960年代後半から1980年代にかけて緩やかな増加傾向を示しました。この期間、国内の農業政策やインフラ整備が生産の底上げに貢献したと考えられます。特に1980年代後半から1990年代初頭にかけては、生産量が20,000トンを超えるなど、安定した成長がみられました。しかし、1991年以降、生産量は急激に低下し、2002年までの10年以上、低迷が続きました。この時期には経済危機や自然災害などが影響を与えていた可能性があります。このような背景により、1990年代には7,911トンにまで落ち込むこともありました。

2000年から2007年にかけては、キューバのココナッツ生産量が急増しました。この成長は、当時の政府が推進した農業改革や輸出市場の広がりが主な要因とされています。しかし、2000年代後半から急激な減少が始まっており、この減少傾向は現在に至るまで続いています。2023年時点では、2007年のピーク時から約80%もの減少を記録しています。

この顕著な減少の原因として、気候変動が一つの大きな要因として挙げられます。例えば、ハリケーンや干ばつなどの極端な気象イベントは、ココナッツの生産地となる農村地域に甚大な被害をもたらしてきました。さらに、土壌の劣化や水資源の枯渇、農業従事者の高齢化などの課題も、この減少に拍車をかけています。従来型の農法では、気候変動に柔軟に対応することが困難であり、新しい栽培技術の導入が急務と言えるでしょう。

また、キューバにおける経済的制約も見逃せません。特に米国による経済制裁は農業機械や肥料など、必要不可欠な資材の輸入を制限しており、生産性の向上を妨げています。他方、他国との貿易機会の制約があるため、輸出市場の拡大も進展しにくい状況が続いています。このような地政学的要因は、国際的な協力や支援なしでは解決が困難です。

今後の対策としては、まず被災しやすい農地を対象とした気候回復対応型の農法を導入することが求められます。また、農業従事者に対する教育や研修を強化し、持続可能な栽培方法を普及させる努力が必要です。さらに、国際社会と連携し、経済制限の緩和や農業支援を求める外交戦略を展開することも解決策となりえます。

結論として、キューバのココナッツ生産量減少は単なる国内問題に留まらず、地球規模の気候変動や地政学的リスクと密接に結びついています。この課題を解決するには、地域的な取り組みだけでなく、国際的な協力や技術支援による包括的な対策が必要です。特に経済支援を通じてインフラ整備や農業技術革新を推進し、持続可能な生産体制を構築することが重要です。このような取り組みは単に課題の解決にとどまらず、地域全体の食料安全保障や経済安定にもつながると言えるでしょう。

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