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キューバのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)による最新データによれば、キューバにおけるマンゴー・マンゴスチン・グアバの生産量は、1961年から2023年にかけて大きな変動を見せてきました。生産量は長期的に増加傾向がありますが、特に2002年以降、毎年20万トンを超える規模で安定成長してきました。ただし2020年から2021年には大きな減少が見られましたが、2022年には回復し、2023年には過去最高の446,253トンを記録しました。このデータは、生産量の短期的な変動要因だけでなく、気候変動やインフラ整備、国際市場の影響など、長期的な課題にも目を向けるべきであることを示しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 446,253
20.48% ↑
2022年 370,397
50.03% ↑
2021年 246,886
-4.69% ↓
2020年 259,032
-33.29% ↓
2019年 388,287
-0.72% ↓
2018年 391,111
-9.56% ↓
2017年 432,430
2.91% ↑
2016年 420,190
0.33% ↑
2015年 418,796
16.91% ↑
2014年 358,231
-12.73% ↓
2013年 410,490
5.37% ↑
2012年 389,576
44.29% ↑
2011年 270,000
-1.88% ↓
2010年 275,176
-22.31% ↓
2009年 354,200
-0.28% ↓
2008年 355,200
14.03% ↑
2007年 311,500
1.07% ↑
2006年 308,209
-16.78% ↓
2005年 370,335
10.65% ↑
2004年 334,701
12.54% ↑
2003年 297,411
12.09% ↑
2002年 265,338
25.25% ↑
2001年 211,845
-2.46% ↓
2000年 217,191
-8.58% ↓
1999年 237,571
198.15% ↑
1998年 79,683
9.28% ↑
1997年 72,915
-8.17% ↓
1996年 79,400
-24.24% ↓
1995年 104,800
124.57% ↑
1994年 46,666
146.13% ↑
1993年 18,960
-53.94% ↓
1992年 41,162
-66.27% ↓
1991年 122,048
68.4% ↑
1990年 72,476
-10.35% ↓
1989年 80,845
-33.12% ↓
1988年 120,874
49.18% ↑
1987年 81,028
34.7% ↑
1986年 60,153
-30.05% ↓
1985年 85,994
128.66% ↑
1984年 37,607
-3.77% ↓
1983年 39,081
-25.27% ↓
1982年 52,295
-9.21% ↓
1981年 57,600
-2.51% ↓
1980年 59,082
-10.19% ↓
1979年 65,782
245.82% ↑
1978年 19,022
-58.93% ↓
1977年 46,318
61.69% ↑
1976年 28,646
-13.69% ↓
1975年 33,190
-44.5% ↓
1974年 59,806
26.73% ↑
1973年 47,192
318.29% ↑
1972年 11,282
-66.83% ↓
1971年 34,012
277.24% ↑
1970年 9,016
-8.94% ↓
1969年 9,901
-77.57% ↓
1968年 44,149
78.27% ↑
1967年 24,765
185.77% ↑
1966年 8,666
-83.82% ↓
1965年 53,554
305.44% ↑
1964年 13,209
11.06% ↑
1963年 11,894
-20.71% ↓
1962年 15,000 -
1961年 15,000 -

1961年に15,000トンではじまったキューバのマンゴー・マンゴスチン・グアバの生産量は、2023年には446,253トンにまで拡大しました。この成長は一貫したものではなく、特に1960年代から1980年代初頭にかけて不安定な推移を示しました。1965年に53,554トンという急増が見られる一方で、その翌年には8,666トンという大幅減少が記録されています。この時期の不安定さは、地政学的な状況や国内インフラの制約、災害などに起因していると考えられます。一方で、1988年以降は安定した増加傾向が見られ、1999年には237,571トン、2005年には370,335トンと大きな伸びを示しました。このような急成長の背景には、国内の農業政策やインフラへの投資、国際市場からの需要拡大があると見られます。

最新のデータでは、2020年から2021年にかけて生産量が259,032トン、246,886トンへと下降しました。この下降は、新型コロナウイルス感染症の影響により輸送や労働力の確保が困難となったこと、ならびに気象条件の不安定さが影響を与えた可能性が考えられます。しかし、この減少にもかかわらず2022年には370,397トン、2023年には446,253トンと急回復を遂げています。この回復は、国内の農業復興政策や労働力確保の改善が功を奏した結果と考えられます。

課題としては、気候変動の影響が挙げられます。キューバはカリブ海に位置し、台風や干ばつといった気象災害の影響を強く受ける地域です。そのため、生産量の変動を抑えるための気候変動適応策の導入が必要です。具体的には、耐久性のある農業インフラの整備や災害耐性の高い品種の研究開発が重要となります。また、農産物の貯蔵や出荷時の損失を最小限に抑えるための冷蔵インフラの充実化も課題です。

さらに、国際市場との連携を深めることで、農産物の輸出量を拡大する戦略が求められます。日本をはじめとする先進国では近年、健康食品やスーパーフードとしてグアバやマンゴスチンの需要が高まっています。これを利用し、輸出ルートの多角化を図ることが、キューバ経済の安定化と農業従事者の所得向上につながるでしょう。

地政学的には、キューバが抱える輸送コストや国際的な貿易制裁が依然として障壁となっています。特にアメリカとキューバの関係に変化があれば、それが農業分野にも直接的な影響をもたらす可能性があります。そのため、地域内協力体制の強化や、新しい貿易パートナーの開拓が肝要です。

結論として、2023年に記録した過去最高の生産量はキューバ農業の成功を示しています。しかし、この成長を維持するためには、農業インフラや労働力、輸出市場の拡大といった多面的な対策が不可欠です。国際機関や地域パートナーとの協力を深めながら、持続可能な農業改革を進めていくことが、未来のキューバにとって重要な課題と言えるでしょう。