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マリの落花生生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)によると、マリの落花生の生産量は1961年の11万トンから2023年には45.5万トンにまで増加しています。しかし、その間に大きな年次変動も見られ、特に1976年から1986年、そして2000年代以降では顕著な上下動があります。最も高い生産量は2011年の52.4万トンでしたが、それ以降はやや横ばいの傾向が見受けられます。近年では気候変動、農業資源の制約、新型コロナによる供給網の影響が課題となっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 454,736
2.72% ↑
2022年 442,679
28.22% ↑
2021年 345,247
-29.64% ↓
2020年 490,691
33.1% ↑
2019年 368,672
-24.98% ↓
2018年 491,461
63.23% ↑
2017年 301,076
-19.57% ↓
2016年 374,318
-28.22% ↓
2015年 521,470
2.38% ↑
2014年 509,363
-1.16% ↓
2013年 515,333
7.61% ↑
2012年 478,870
-8.61% ↓
2011年 524,000
66.64% ↑
2010年 314,458
4.6% ↑
2009年 300,624
-22.6% ↓
2008年 388,383
19.8% ↑
2007年 324,187
22.08% ↑
2006年 265,549
-4.99% ↓
2005年 279,503
64.64% ↑
2004年 169,770
-20.84% ↓
2003年 214,455
77.46% ↑
2002年 120,844
-13.58% ↓
2001年 139,832
-27.58% ↓
2000年 193,073
-30.56% ↓
1999年 278,058
82.76% ↑
1998年 152,141
5.41% ↑
1997年 144,330
7.61% ↑
1996年 134,129
-14.63% ↓
1995年 157,112
-26.98% ↓
1994年 215,160
44.83% ↑
1993年 148,556
16.53% ↑
1992年 127,487
-30.7% ↓
1991年 183,969
2.24% ↑
1990年 179,933
14.62% ↑
1989年 156,983
-8.6% ↓
1988年 171,759
70.6% ↑
1987年 100,680
-5.92% ↓
1986年 107,015
25.82% ↑
1985年 85,057
58.37% ↑
1984年 53,709
-42.45% ↓
1983年 93,328
-26.45% ↓
1982年 126,885
-4.73% ↓
1981年 133,184
-7.57% ↓
1980年 144,098
-1% ↓
1979年 145,554
-11.44% ↓
1978年 164,358
-28.07% ↓
1977年 228,500
-0.65% ↓
1976年 230,000
12.2% ↑
1975年 205,000
28.13% ↑
1974年 160,000
22.89% ↑
1973年 130,200
-3.27% ↓
1972年 134,600
-11.45% ↓
1971年 152,000
-3.8% ↓
1970年 158,000
29.51% ↑
1969年 122,000
27.6% ↑
1968年 95,615
-17.57% ↓
1967年 116,000
6.91% ↑
1966年 108,505
-29.17% ↓
1965年 153,200
3.58% ↑
1964年 147,900
-4.95% ↓
1963年 155,600
35.3% ↑
1962年 115,000
4.55% ↑
1961年 110,000 -

FAOが発表した最新データに基づけば、落花生はマリの農業および経済において重要な作物の一つとして位置付けられています。1961年には11万トンの生産量を記録し、その後数十年間にわたり増加傾向を示してきました。しかし、その過程で複数の要因により生産量は大きく変動していることが分かります。

1970年代から1980年代にかけては、マリを含むサヘル地域全般で干ばつが相次ぎ、1984年にはわずか5.4万トンという非常に低い生産量を記録しています。干ばつは、降水量が主な要因となる雨水依存型農業であるこの地域に壊滅的な影響を与えました。その後の1980年代後半には復調の兆しが見られ、1990年には18万トン近くまで生産が回復しましたが、それ以降も天候や市場条件に左右される不安定な状況が続きました。

2000年代に入ると、特に2005年と2008年に大きな飛躍がみられ、28万トンを超える生産量を達成。これは、マリ政府や国際援助機関が進めた農業技術の普及や施肥の拡大、作付面積の増加が寄与した結果と言えます。しかし、2010年代後半以降では依然として変動幅が大きく、例えば2020年は49万トンと高水準を記録した一方で、2021年には34.5万トンにまで減少しました。これには、新型コロナによる供給網の混乱や農業労働力不足、さらには突然の気候変化が影響を与えたと考えられます。

こうした中で、マリが安定した生産を目指すためにはいくつかの課題があります。まず、農業の持続可能性を高めるためには、干ばつに強い改良品種の開発と普及が重要です。同時に、灌漑設備の整備や農業技術支援を拡大することで、天候に依存しすぎずに生産量を一定に保つ基盤を整備する必要があります。また、市場アクセスを向上させるための物流インフラ改善も切実な課題です。現在、農地から市場までの輸送手段が不十分な場合があり、それが収益性を低下させる一因となっています。

さらに、地政学的リスクも生産量に間接的な影響を与えています。マリでは地域衝突や治安の悪化が広がり、農業従事者が生産活動に専念する環境をつくることが難しくなっています。このため、国際社会との連携を強化し、農村部の安全保障や農業振興策の強化に取り組むことが求められます。

今後マリは、気候変動対応策として農業分野における適応プログラムを積極的に採用し、長期的には地域間連携を強化する必要があります。例えば、隣国であるブルキナファソやセネガルといった国々と協力し、落花生市場の安定化や輸出ルートの拡充を目指す取り組みが有効です。また、国際組織や援助機関を通じて資金や技術支援を調達することで、農家への直接支援を拡大させることが不可欠と言えます。

結論として、マリの落花生生産量は長期的には増加傾向にあるものの、依然として多くの外的要因に左右されています。この不安定性を克服するための取り組みには、国内外の協力が必要不可欠であり、各層からの積極的な支援によってマリの持続可能な農業の未来が築かれることが期待されています。

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